F & F嫁の “FFree World”

※PCでの閲覧を前提とした構成です。文字サイズは「大」推奨です 

K-Ballet 「 Don Quixote 」

2012年10月28日 | Ballet

F log





10 月 27 日の土曜日、F 嫁と K-Ballet 「 ドン・キホーテ 」 を観に行ってきました。


ご承知の通り F & F 嫁はプリンシパル・ソリスト ( という呼称もどうかと思いますが ) である 浅川紫織ちゃん のファンです。
当然このツアーも紫織ちゃんがキトリを踊る唯一の日、27 日のソワレを押さえたわけですが…

真夏の 8 月に行われた 「 トリプル・ビル 」 公演のリハで紫織ちゃんは負傷してしまいました。
残念ながらタイターニアは降板。
先輩の松岡梨絵さんに代役を踊っていただくことになりました。

ご本人のブログによれば当初は歩けない状態だったそうですがリハビリに取り組んでいるとのこと。
本公演もさすがにキトリ役は無理ですが、立役というか歩き役であるドルシネアとして舞台には立つようです。
降板を聞いて心が萎えかけましたが、必死にリハビリをしながら自身が降りた舞台に出演する紫織ちゃんを応援せねば‥
と渋谷の雑踏をかき分けオーチャードへと向かいました。






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今回は チケットを紛失することもなく 無事にオーチャードへ到着しました。
住んでいる方には申し訳ありませんが、渋谷の街ってのはホント身体に合いません。
自宅は千葉の田舎ですが、のんびりしているので渋谷の人ごみにクラクラしてしまうのです。

さて土曜日のソワレですが、17 時開演と比較的早い時間に始まります。
K-Ballet のドン・キは久しぶりなので楽しみです。
時系列沿って書くのが苦手なので、例によって気になった場面、キャストを羅列していきます。




プロローグ


K-Ballet のプロローグはシンプルです。
V 字の壁で仕切られた部屋にいるドン・キホーテが熱心に読書をしています。
サンチョ・パンサは壁にもたれてうたた寝です。

版によってはいきなりバルセロナの街から始まるものもありますが、個人的にはプロローグは必要と感じています。
ドン・キホーテという舞台ですが、踊りの主役は彼ではありません。
なぜキホーテ老人が舞台に一本筋を通すのか、プロローグで語られなければ初めて見た人にはわからないでしょう。

とはいえロシアのカンパニーで観た女中を巻き込んでのドタバタはやり過ぎだと思います。
読書で妄想をふくらませたキホーテ老人の前に、物語の中のドルシネア姫が現れます。
ここで双眼鏡を除く F & F 嫁がググッと乗り出します。
怪我によって本日の主役、キトリを降板した 浅川紫織ちゃん がドルシネアとして登場するのです。




ドルシネア

登場と同時にパッと華やかな空気が生まれます。
ファン故の身びいきでしょうか。
いやいや、やっぱり紫織ちゃんには華があります。

ドルシネアの衣装はモッコモコの古典的なドレスです。
身体のラインなどいっさいわかりません。
メイクはそれなりに各パーツの輪郭を強調したものですが、それより存在自体が発するオーラがあると思います。

優美なアームスで語りながら歩いて舞台を移動する紫織ちゃん。
いや~ちゃんと歩けるようになれてよかったよかった。
でも分厚い衣装の中は痛々しい姿になっているのかもしれません。
リハビリは退屈で痛くてシンドいかもしれませんが、舞台への復帰目指して頑張ってください。
また舞台中央で踊る紫織ちゃんを観るのを楽しみにしています。
いや脇役であっても踊れるようになったら応援に行きますね。

やがて V 字の先端が開いて道を現します。
自分だけに見えるドルシネアに導かれ、キホーテ老人は鎧と槍を持ちサンチョ・パンサを連れて旅へと出発していきます。




キトリ

モノクロームに近いプロローグから一転、スペイン・バルセロナの街は明るく活気に満ちています。
映像化されている他カンパニーの同作品を見比べると、K-Ballet の舞台美術は圧倒的なクオリティを感じさせます。
オーチャードですから舞台は狭いのですが、巧みな立体構成でそれを感じさせません。
ちょっと確認したいことがあって帰宅後にマリインスキーの DVD を観たのですが、そのチープな書割りに唖然としました。

様々な街の人々が行き交う中、主役であるキトリ登場の音楽が鳴り響き、上手から 松岡梨絵さん が勢い良く飛び出してきました。
F はキトリの登場シーンには強いこだわりがあります。

父が営む宿の看板娘であり、おきゃんで街の人気者であるキトリには勢いが必要です。
K-Ballet 版は上手から駆けてきていきなり高いグランジュッテをかまします。
そうそうキトリ登場はこうでなくちゃ!
思わず拍手も盛大になろうというものです。

新国立劇場バレエ団や東京バレエ団に代表される舞台奥から数段とはいえ階段を降りてくる登場は、必要とするその勢いが著しく削がれます。
天下のザハロワ様でも階段を降りる時は下を向いてましたからねぇ。

第 1 幕のキトリの出が好印象であるなら、ドン・キホーテの舞台はかなりの確率で良くなるでしょう。
紫織ちゃんの代役として登場した松岡梨絵さん。
正直に言います。
別嬪さんです。それもものすごく。

ウチの場合、K-Ballet の公演はまず紫織ちゃんありきなので、他の方が主役の舞台はほとんど観ていないのです。
( なにしろ御大の踊りはたったの一回しか観てません )
松岡さんもロミジュリのロザラインなど重要な役でこそ観ていますが、主役としては初めてかもしれません。

でその松岡キトリですが、さすがプリンシパルだけあって美しさ、華やかさ、そして確実さ、すべてにおいて素晴らしいですね。
アラベスク、アチチュード等、パをカチッと決めてしっかりホールドします。
このボーズを維持する時間って本当に微妙なんですけど印象に残るんです。
松岡さんの場合、スパっと決まったアラベスクをほんの一瞬保つことで、私はまだまだいけるわよとアピールすることに成功しています。
もちろん音楽は流れていくわけですぐ次のパに入るのですが、そのことで安定しているなぁと観客に思わせることができます。

踊りだけでなくその演技でも松岡さんは魅せます。
花売りの友人とお喋りする表情、父の横暴に怒る表情、バジルに対し怒ってスネて微笑む表情。
少々眉根を寄せる癖があるのかそこが気になりましたが、全体的には明るく街の人気者たるキトリでした。


ただ…


ご本人の責任ではありませんが、バジル役の宮尾さんとペアということになると松岡さんはお姉さんになってしまいます。
これは単純な年上年下という話ではありません。
キザでお調子者のバジルと、おきゃんで世話好きのキトリというイメージであるならば。




バジル

バジル役の 宮尾俊太郎さん は 180 cm を超える長身で、その長い手足は日本人男性バレエダンサーのイメージを覆します。
スラッと伸びた長いヒザ下が日本人離れしています。
特筆すべきなのは同様に長い腕と大きな手です。
ボリショイのウヴァーロフやマリインスキーのコルスンツェフなどのように、手のひらが大きい男性ダンサーはそれだけで有利です。
パッと手を広げた時に印象が倍になりますし、なにより手に表情が生まれた時にはものすごく雄弁になります。

以前はその容姿に実力が追いついていませんでした。
中村祥子さんと踊った以前のドン・キも祥子さんが一人二役といった大活躍で、宮尾さんは引っ張られているだけでした。
今回もかなり危惧しながら鑑賞に及んだわけですが、結果的に良い方に裏切られました。
当時と比較したら比べ物にならなくらい自信にあふれた立ち振舞でした。

踊りも進化しているとはいえ長い四肢を持て余している面も見受けられます。
特に着地したあとのグラつきは身体が大きいだけに気になります。
手の表情は素晴らしかったですね。
素晴らしい踊り手は曲がらないはずの手の甲に動きを感じるもので、その点宮尾さんは良かったです。

御大が要求するスピーディーかつ細かいパには苦労されていると思います。
でもその恵まれた肢体を生かして優美かつ力強い男性舞踏手としてさらに進化してもらいたいと思います。


と、キトリ、バジルとも良かったのですが、ふたりの相乗効果となると少々異なる印象となります。


というのも松岡さんは前述のとおり、美しいお姉さんは好きですか? 状態でバジルが弟にしか見えません。
そういったお姉さん系キトリの場合、バシルは思い切ってやんちゃ坊主になってくれればいいのですが、
宮尾さんは生来の生真面目さ故かそこまで弾けきれません。
したがってお姉さんと弟という印象を持ってしまうのです。
この点は F 嫁もまったく同じ意見でした。




エスパーダ

宮尾さんを別の役で観たいと思ったのは、F 嫁の重要チェックポイントであるエスパーダ役の 西野隼人さん の印象からでした。
西野さんは存在感たっぷりのもみあげに象徴されるようにアクが強いエスパーダでした。
脚捌きもキレイで動きもシャープなのですがどうも上半身、特にアームスが F 嫁の好みではないようでした。
とにかく ABT の DVD での刷り込み効果は絶大で、エスパーダはバジルより背が高くなければならない…と F を含め思い込んでいる節もあります。
K-Ballet 独特の蛍光ピンク色のソックスを履いた闘牛士軍団の踊りは迫力ありましたね。
別の公演で宮尾さんはエスパーダも踊っているようなので、そちらも観たかったと F 嫁は申しておりました。

F 嫁における永久エスパーダは故パトリック・ビッセルのまま一生終わるのでしょうか。
どなたか我こそは!!の名乗りをお待ちしておりますw




メルセデス

F 嫁の第 1 幕におけるチェックポイントがエスパーダなら、F のそれは間違いなくメルセデスです。
版によっては大道の踊り子となっている場合もあります。
F がメルセデスに求めるのは圧倒的な美しさと色気、そして百戦錬磨のケレン味です。
登場した時にオオッと腰が浮くくらいの美人が理想です。

キトリは人気者ではありますが所詮は町娘。
ショービズの世界で切った貼ったを経験してきた街の踊り子と比較にはならないでしょう。
佐藤圭さん 演じるこの夜のメルセデスは美しかったですが清楚過ぎましたね。
細くて長い四肢と小さな頭部という恵まれたプロポーションの佐藤さんですが、表情が少し固かった印象です。
エスパーダとふたりの場面はもっとネチっこくオーバーなくらいの表情でいいて思うのです。

F が観てきた中で印象に残っているメルセデス/大道の踊り子は、2003 年のマールイ夏公演で観たアリョーナ・ヴィジェニナでした。
黒髪にエキゾチックな顔立ち。
いまだに思い出すほど素敵でしたねぇ。
ちなみにその時ナタリア・レドフスカヤがヴィシニョーワの代役として踊ったキトリはそれはもう素晴らしく、F のベストキトリかもしれません。




近年のマリインスキー映像作品から、コンダウーロワの大道の踊り子も良かったです。
日本人では無理かも‥と思われる紫色のドレスをなびかせ、目で殺す視線をエスパーダに投げかけるのはたまりませんな。
このくらい感情過多に演じてもらってちょうどよいというのが個人的な印象です。

おっと K-Ballet の話題から外れました。
K でいうならこの夜キトリを踊った松岡梨絵さんのメルセデスは DVD で見ましたけど素晴らしかったですね。
美しい容姿はもちろん豊かな表情がとてもよかったと思います。
あの映像作品は荒井さんのキトリ、御大のバジルと当時のベストメンバーで見応えがあります。
エスパーダのキャシディが絞れる前でぽっちゃりしているのがアレですがw





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オーチャードホール

御大の芸術監督就任により小改装されたオーチャードですが、あいかわらずわかりにくい通路と座席配置です。
オーチャードの場合、可能ならば 2 階両サイドのバルコニーを取るようにしています。
右サイドか左サイドかは演目と演出によります。
例えばロミジュリはバルコニーが上手側なので左サイドがいいですね。
逆にジゼルならばお墓はほとんど下手側なので右サイドから観たいところです。

両サイド席特有の問題ですが座席は舞台に向かってゆるやかに下傾しているのに、通路は逆に舞台に向かって登ってゆくのです。
したがって同じ通路を歩いていても手前の入り口は二階席、奥の入口は三階席といった不思議が生まれます。
昨夜も年配の男性が係員と何やら険悪な雰囲気になっておりました。
悪いことに経験が浅いと係員自体が間違うことがあるということです。
開演寸前で焦っているお客さんなど特に、案内する方も慎重に対応して欲しいてものです。





公演プログラム

一言、“ 高い ”

立派な装丁ですが DVD からのキャプチャーと練習風景の写真がほとんどです。
表紙写真のカラーバランスがおかしいのもいただけません。
3,000 円の価値はないでしょう。
ま、それでも公演の度に買ってしまうのですが…
ロイヤル・エレガンスの夕べ を見習って欲しいところです。
もしくは通常版と必要最小限の情報だけ掲載した廉価版の 2 本立てとか。




ドン・キホーテ&サンチョ・パンサ

もう スチュアート・キャシディさん の演技にはまったく文句なし。
初期のルーク・ヘイドンさんも名演だと思いましたが、それに匹敵する安心、安定ぶり。
もう主役級は踊られないのでしょうけれど、こうした脇を締める役で唯一無二の存在感を今後も示し続けることでしょう。

居酒屋でのガマーシュとの対決シーンは K-Ballet ドン・キ屈指の名場面だと思います。
ふたりとも芸達者なので本当に見応えがあっておもしろいエピソードです。
この音楽でこの場面でこの振付けをした御大はやはりすごいと思わざるを得ません。

サンチョ・パンサ役の 小林由明さん は K-Ballet のバレエ・マスターです。
キャラクテールの中でも敬遠されがちな役なのでしょうか。
できれば団員内でやりくりした方がよいと思うのですが。
小林さんはといえば、さすがに教える側だけあってコミカルな表現も上手くキャシディさんとの相性もよかったと思います。




ガマーシュ

K-Ballet のガマーシュを確立したのは映像収録もされている初期のメンバーであるサイモン・ライスさんだと思います。
DVD で見る彼の演技は最高ですね。
ガマーシュに関してはドン・キの中でも好きな役なのですが、やはり ABT のヴィクター・バービーの印象が強いです。
あれだけ踊るガマーシュは他に類を見ず、K-Ballet のそれが影響を受けているのは明らかです。

今回ガマーシュを演じ踊ったのは ビャンバ・バットボルトさん です。
ビャンバさんは F & F 嫁とも好きなダンサーです。
こんなキャラクテールで観るビャンバさんは初めてだったのですが、これがまた当たり役だと感じました。

双眼鏡で見ていると思わず吹き出してしまうほど表情が豊かです。
キトリの父であるロレンツォやガマーシュが上手の方でコントのような演技を続けていると、センターで踊っているダンサーをさておき観てしまいますね。
バジルの狂言自殺のシーンで脚に力が入っていることに気づいたガマーシュは、剣でバジルを突こうとして周囲に止められます。
そこで 「 ヤツは絶対死んでない!脚がこんな風に動いていた! 」 とマイムで熱弁するシーンがあるのですが、そこがとっても好きです。
準主役クラスも踊っていてノーブル/ジェントルが持ち味だったビャンバさんの違った一面を観ることができました。
今後、さまざまなキャラクテールにも挑戦してもらいたいと思います。





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休憩時間中、仕事から直行でお腹をすかせた F 嫁に生ハム&シャンパン ( 辛口 ) 。
糖質オフ中 なので定番のシュークリームなど食べられないのが F 嫁的に辛いところです。





キューピッド

キューピッドに関しては F 嫁が一家言あります。
ヴァリエーションの振りは難しいしカツラは難物だしでキュートなだけでは務まらないなかなかの難役というのが F 嫁の見解です。
この夜キューピッドを踊ったのはアーティストの 塚原美穂さん でした。
正直、もう少し絞ったほうが良いのかなという印象でした。
いやあれはあれでカワイイんですがね。


F 嫁が重視するヴァリエーションでの決めポーズ、アチチュード・ドゥヴァンで人差し指を唇に持ってくるところが止められず残念でした。
F 嫁はあそこで一瞬キープして間をとって欲しいそうです ( 振付家かw )。
彼女が理想とするキューピッドはマリインスキーのエフゲーニャ・オブラスツォーワだそうです。






森の女王

メルセデス同様、佐藤圭さん が踊りました。
メルセデスではあれこれ言いましたが森の女王のチュチュはよく似合っていてよかったと思います。
森の女王のヴァリエーションは F 的にかなり好きなんです。
やはりデフォの映像があって、すごく古いんですがマリインスキーで 20 歳のユリア・マハリナが踊った森の女王にハートを射抜かれました。
あ、それはキューピッドの役かw
ヴァリエーションの最初で小さくジャンプして反対の脚を高く上げる動きを左右均等に行いますが、まず均等であることが必要ですよね。
そして脚を高々と上げるのですが、上げたところでやはりタメが欲しいのです。
ここばかりはサッサと動いてしまっては森の女王の優美さが感じられません。
最後のイタフェもゆっくりゆっくり気品を感じさせて欲しいですね。
佐藤さんはアソシエイテッド・ダンサーというお立場で、一般の団員と異なるのかもしれませんが今後も精進して大きく開花して欲しいと思いました。






群舞

「 白鳥の湖 」 や 「 ラ・バヤデール 」 ではないので群舞が舞台の成功に占める割合はかなり下がります。
それでも第 1 幕の闘牛士や街の人々の踊り、第 2 幕のジプシー達の踊りなど見せ場は用意されています。
どれも破綻はありませんでしたが細かなところで気になってしまったことがありました。

ジプシーの男たちの群舞はもっと人数が多かったように思いましたが。
舞台面積の都合か少々迫力不足でした。
そういえば群舞とバジルが一緒に踊るシーンは省略されていましたね。

夢の場では垂れ下がったチュチュのデザインのせいなのか、もうひとつ夢々しくありませんでした。
完全なクラシックチュチュで舞台という非日常の中のさらに非日常を感じさせてもらいたいです。




オーケストラ

井田勝大さん 指揮のシアター・オーケストラ・トーキョーは K-Ballet 公演ではお馴染みです。
F & F 嫁はバレエのオケに関しては比較的寛容です。
最初に金管がブホッとやった以外、特に破綻もなく良い演奏だったと思います。
ただ舞台全体のテンポがやけにゆっくりに感じたのです。
F 嫁も同じ事を言っていて、帰ってから DVD で確認したらやはりゆっくりでした。
ドン・キホーテの場合ある程度のテンポ感というのは大事だと思いますが、こればかりは踊り手との兼合いがありますからなんともいえません。






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カーテンコールで舞台上に出演者が勢ぞろいしました。
ドルシネア役の紫織ちゃんもキューピッドと並んで登場して舞台左側に立ちました。
厚い拍手が鳴り響く中、手を叩くのを F 嫁に任せた F は双眼鏡で紫織ちゃんの表情を見ていました。

主役の松岡さんと宮尾さんが盛大な拍手の中、舞台中央前へと進みます。
微笑みを浮かべていた紫織ちゃんですが、その瞬間なんとも複雑な表情を一瞬だけ見せたのです。

舞台が成功裏に終わったのは嬉しいけれど、本来なら自分がそこで喝采を浴びている時間でした。
バレエダンサーに怪我はつきものとはいえ、舞踏人生でこれまで大きな負傷が無かった紫織ちゃんの心中は察するに余りあります。




ドルシネアがカテコに登場したなら、終演後出待ちをするつもりでした。
一声、頑張って!! 応援しているから、と言って励まそうと…
でも紫織ちゃんの表情を見てその夜は出待ちを止めました。
いつの日か復活した紫織ちゃんが華やかに舞ったなら、迷惑も顧みず楽屋口に馳せ参じるつもりです。




浅川紫織ちゃんの怪我で先輩、松岡梨絵さんがキトリを踊った K-Ballet ドン・キホーテの土曜夜公演。
出演者、関係各者の尽力で素晴らしい舞台を観せてもらいました。
K-Ballet のドン・キはやはりおもしろいです。
















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4 コメント

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ドン・キ (kimihamu)
2012-10-29 01:01:32
お久しぶりです。私はドン・キが大好きなので、文化会館とオーチャードの2回観に行きました。
はい!大好きな2幕夢の場は垂れ下がったチュチュではなくて、完全なクラシックチュチュが定番かと...
その通り、もうひとつ夢々しくありませんでしたね。
紫織ちゃんはそう言う事情でしたか。残念でしたね。

バレエは非日常の中のさらに非日常を感じさせてもらえる最高の芸術ですね。(御大もたまにはご覧あそばせ)


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お久しぶりです (なじゃ)
2012-10-31 21:55:56
Twitterで#K-Balletで検索したら、ここに辿り着いてしまいました。お二人も見に行かれたのですね。浅川さんが踊らないので、てっきりいらっしゃらないのかとおもっていました。
宮尾さん、昇格しましたねー。K女子は最近秋元さんにすっかりメロメロで、今回昇格がなくて怒ってました。
返信する
kimihamuさん、こんにちは!! (F)
2012-11-01 15:47:55
しばらくブログを休んでおりました。
再びコメントいただきありがとうございます。

文化会館の方にも行かれましたか。
同じ舞台でも会場が異なると雰囲気が変わるでしょうね。
いろいろ細かいことを申しましたが、本当にK-Balletのドン・キは楽しいですね。
もしバレエを初めて観るという方がいらしたら、無条件でオススメしたいです。

紫織ちゃんはくるみもキャストから外れましたね。
来年のシンデレラ再演は仙女で登場してくれると信じています。
また非日常を楽しみましょう!!

返信する
なじゃさん、こんにちは!! (F)
2012-11-01 15:57:19

ご無沙汰しております。
ご一緒だったんですね。気づかず失礼しました。
いつもお会いする別の方を探していたもので。
結局会えませんでしたが。

ご指摘の通り紫織ちゃんの日をピンポイントで取ったのですが…
ドルシネアで出るとの情報があり、観に行ったという次第です。

宮尾さんの件は…
昔から観ているのでずいぶん成長したとは思いますが、セミとはいえプリンシパルと名がついていいのかという印象はあります。
そういえば F 嫁が「闘牛士の中につま先がすごくキレイな人がいる」と言っていたのが秋元さんでした。


じつは次のエントリーでなじゃさんが登場します。
ビックリしないでくださいねw


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