F log
前編より続きます
10時のタミヤプラモデルファクトリー新橋店開店直後にお伺いし、舐めるように作品を見ていて小一時間。
ロックウェーブの半袖Tシャツ姿の 篠原さん がやって来ました。
さっそくご挨拶してから一緒に見学していた Maximum さん をご紹介させていただきました。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
言葉を交わすのは初めてだと思いますがそこはミリタリー・モデラー同士。
すぐに突っ込んだ話になり、篠原さんの作品を肴にものすごく濃いお話をされていました。
え?私? 私は頭でっかちで手が動かないなんちゃってモデラーですから話題についていけませんw
さて、後編も続々と作品が出てきますよ。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
大御所、金子辰也さん の作品、「 LA BANDIERA DELLA PICCOLA STRADA 」 です。
イタリアでしょうか住宅密集地の路地を進むシャーマンの車長と住民の女性とのアイコンタクトが素敵です。
これ 1/48 なんですよね。
写真の左右はすぐ切り取られていて縦長の作品となってまいます。
いい雰囲気ですよねぇ。
上から撮った写真はピントを外しました。すみません。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
珍しい写真での展示は 森 真一さん の作品です。
車輌やフィギュアを配し、背景の写真とともに写真を撮るという手法だそうです。
これなど一連の白兵戦シリーズなんですが、戦場にたなびく硝煙がなんともイイ感じですね。
残念ながら反射で上手く撮れませんでした。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
モノクロにして粒子を荒くすればそれなりに雰囲気はでますが、あえてカラーで勝負されている心意気を感じます。
タミヤの 「 パチッ 」 コンテストから続くこの作風を大切にしていただきたいですね。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
さてお次は大好きな作品で再会できるのを楽しみにしていました。
篠原さんと並んでロックウェーブの中では若手、吉岡和哉さん の作品 「 四号戦車H型 」 です。
2008 年 5 月の静岡ホビーショーで初めて見て一目惚れしました。
当時の写真はホワイトバランスがおかしくてひどい写りでした。
その時はフィギュアに注目した写真を撮っていたのですが、ご覧のとおり車体も素晴らしいですね。
またこのベースと作品銘が渋くてイイんですよ。
見せる角度も大好きです。
四号は大好きというわけではないのですが、この作品は本当にカッコイイです。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
とはいえフィギュアも素晴らしいので載せちゃいます。
エンジングリルに立つ擲弾兵の足跡が泣かせてくれます。
偶然にも背景がブルーで露出を落としているので黎明っぽい雰囲気がしますね。
車長とともに見上げた空に微かに響くのはヤーボの羽音でしょうか。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
吉岡和哉さんの作品からもうひとつ、「 B1 bis 」 です。
前編最後にご紹介させていただいた伊藤さんも同じ車輌を作ってらっしゃいましたが、こちらはベースにごく狭い地面を設けたほとんど単体作品です。
しかし秀逸なフランス戦車兵 2 体の効果もあり、立派に情景模型として成立しています。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
これくらいならスペース的にもいいですよね…ってすっかりその気になってますが。
まぁ超絶にかっこいいタイトルプレートも含め 10 年早いですね。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
こちらも有名な 土井雅博さん の 「 ドニエプル川撤退戦 」 です。
泥だらけの道に鎮座した三突の車長に降下猟兵が何やら叫んでいます。
ふたりとも被写界深度内に収めようとすれば三脚が必要ですねぇ。
この作品 1/35 でも 1/48 でもないって聞いたんですが。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
同じく土井雅博さんの 「 アラス反攻作戦 」 です。
Mark 4 のキットは蜜柑山に積んでありましたので思わず撮ってしまいました。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
ドライバーズハッチが開けられており、中にはしっかり操縦手が乗っていました。
やっぱりこの軽戦車いいなぁ。
おっと奥でボヤけている装甲擲弾兵満載のパンターは、2010 年の東京 AFV の会 で拝見しました。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
荒屋敷正和さん の作品 「 ITALY 1944 」 です。
サボテン、ジェリカン、水筒で南伊の暑さを表現していますね。
カラッカラの地面もイイ感じです。
シシリーやイタリア戦線ってじつは興味があります。
エレファントは展示会全体でたくさん登場しましたが、これは塗装やウエザリングの感じがスッキリしていて好きでした。
荒屋敷さんの作品ではこの戦車兵同様、水をゴクゴク飲む単体フィギュアのビネットがあってすごく好きだったのですが撮影を失敗しました。
個人的にものすごく残念です。まだまだ修行が足りませんな。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
次は大作です。
島脇秀樹さん の作品、「 第653重戦車駆逐大隊 」です。
いいですね~これ。
カールハインツ・ミュンヒ著の 「 第653重戦車駆逐大隊戦闘記録集 」 で有名ですね。ウチにも同著はあります。
当然エレファントが主役と思いきや…
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
アイキャッチはオットー ( 燃料 ) を満載したトレーラーですね。
重戦車駆逐大隊を行動させるのに必要な大量の兵站物資を端的に表現しています。
そういえば砲身清掃中のエレファントも車体後方からハーマン ( 弾薬 ) 補給中ですね。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
裏から見た状態です。
タイトルプレートが貼ってあるのが正面としても素晴らしい情景模型はどちらから眺めても良いですね。
ドラゴン/エレファントのエッチングフェンダーで挫折してから早何年かw
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
お次は後編のトップ写真に使わせていただいた 奥川泰弘さん の 「 The TRUBLE 」 です。
ソフトスキン、高低差のあるベース、クラッシュ、あらゆる面でツボですね。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
これも奥川泰弘さんの作品 「 The Life 」 です。
米軍に降伏したのは末期らしくプライマー色のヤークトティーガーです。
指揮官同士が話しているのを噴水の横から撮影している米兵がいます。
奥のほうでも無線で連絡する兵士あり、さらに外に叫んでいる兵士ありで様々な物語が進行していきます。
一見無傷でゴッツくて強そうな重駆逐戦車がソフトスキンに白旗を上げてます。
終戦時のベルリンではよく見られた風景なのでしょうね。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
そして奥川さんの驚異的な作品、「 Black Knights 100 VF-154 」 です。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
1/32 のトムキャットでしょうか。
機体のウエザリング見事、フィギュアも完璧な上に、ベースとして空母の飛行甲板の一部を再現しており凄いとしか言いようがありません。
こりゃドラ猫好きにはたまらないでしょうね。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
さて奥川さんの作品が続きましたが最後に 「 HOT SUPPLY!! 」 です。
これも凝りに凝った作品で隅々まで鑑賞に堪えうるものですが、ホットのホットたる所以がやはりテーマでしょうね。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
それは上のカチューシャ・シャーマン (笑) から下の荷物満載シャーマンへと渡されようとしている箱です。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
はい、ご想像通りのセクシーピンナップですねw
皆さん夢中です。
漢たるもの目を凝らさずにはいられませんが、彼らが乗車しているシャーマンも相当イイですよ。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
砲塔後部のお兄さんなんてニヤケてますねぇw
奥川さんの作品はどれも F のツボで、前編のドナウ河パトロールボートがなければこのホットサプライがいちばんのお気に入りだったことでしょう。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
オオトリを飾るのはご存知情景王、山田卓司さん の作品です。
これは一目瞭然の 「 パリ解放 」 に沸き立つ人々がシャーマンに群がっている様子です。
欧州地上戦を描いた映画などでもパリに限らずよく登場するシーンですね。
めでたい反面、右奥では不穏な空気も流れており、一筋縄ではいかないですねぇこの情景模型は。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
最後の最後は山田卓司さんの超有名作 「 模型少年の日々 」 です。
MM モデル黎明期の模型屋さんを再現した素晴らしい情景モデルですね。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
棚に積まれるプラモデルの箱は、実物をスキャンして縮小をかけたいわば本物です。
この大きさの箱を揃えるだけでも気が遠くなりそうです。
RICOH GXR / GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO
この少年に幼い頃の自分を投影される方も多いでしょう。
F もそのひとりです。
まさに同じ体勢でガラスにへばりついていました。
このまま何時間でもここにいられると思ったものです。
山田卓司さんの心を打つ作品で拙いレポートは最後にしますが、ひとつ心配なことがあります。
それは展示会にやって来た親子連れです。
40 台後半から 50 台前半のお父さんが興奮し夢中になって作品を見ています。
アイレベルまでしゃがんで唸りながら次から次へと作品を眺めます。
お母さんはいいんです、壁際でうんざりしていてw
どうせお父さんに無理やり連れてこられたのでしょうから。
問題なのは小学校低学年と思われる男の子で、椅子に座ったままゲーム機からほとんど顔を上げません。
これだけの作品が目前にあるのに興味が無いのです。
後からもう一組やってきた父と息子もゲームこそしていませんでしたが同じような状態でした。
これだけ刺激のある世の中、小さなお子さんに模型道に邁進せよというのも無理な話でしょう。
ただ模型を趣味とする世代が自分も含めどんどん高齢化しつつあるのも事実です。
若者が積極的に手を伸ばせる AFV モデリング。
いや艦船でも飛行機でも状況は同じでしょう。
世代を超えて培われる趣味としてスケールモデリングの発展、いやサバイバルを祈らずにはいられません。
一階のタミヤショップに降りた時、やはり小さな男の子が 1/350 大和を見て値札の桁数を何度も数え直していたのが微笑ましく、
一縷の希望を見出した F でした。
※展示会すべての作品が素晴らしいものでした。ご紹介できなかった作者、作品にお詫び申し上げます。
>これだけの作品が目前にあるのに興味が無いのです。
作品に興味がない、というよりも
父親に対して興味がない・・・のかもしれません。
普段から子供に接していれば
子供は親のやることに興味を持つと思うのですけど。
ちなみに、自分の子供は「親に似たミリオタ」になって欲しくないと思ったり。
いつも通り、迫力ある見事な写真でとても見やすいです。
私の老眼で生作品を見るよりもディテールが良く分ります(笑)。
子供達には、プラモデルでなくても良いので
物を作る楽しさを知ってほしいですね。
うむ、確かにレゴで遊んでいる世代の子供だったかもしれないね。
ただ携帯ゲーム機を一心不乱にやっているのを見てなにか違うかな‥と。
ガンプラでもなんでもいいから物を作る楽しみを知ってほしいものです。
うむむ鋭くいお言葉。
忙しいお父さんと周囲が刺激だらけのお子さんではスレ違いまくるのかもしれませんね。
自分は父親のミリ部分に多大な影響を受けているのでそこは寂しいところです。
めがーぬさんのお子さんも父上の後を歩むかどうかはわかりませんが、
興味を持って教えを請われたら文字通り親身に接してあげてくださいね。
あいかわらずがぶり寄りの上、被写界深度が浅くてすみません。
これ以上絞るとブレちゃうんですよねぇ。
漢は手ぶれ補正なんぞいらん!とか突っ張ってみても、こういう場合は非常に有効です。
子供たちがゲームに熱中するのはわかります。
自分等の子供時代にアレがあったら同じ事になっていたでしょうね。
でも自分で工夫して試行錯誤して余計な妄想も練り込んででっち上げる楽しさをわかってほしいです。
仰るとおりそれはミリタリーでなくともいいんですから。