経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

動く原発 ・ 動かぬ原発 (下)

2022-06-09 08:35:26 | エネルギー
◇ 経済産業省の責任は重い = 三権分立の趣旨から言っても、政府が札幌地裁に圧力をかけることは出来ない。しかし北海道電力に対して、もっとしっかりした対策を作り、説得力のある資料の提出をうながすことは可能だった。だが所管官庁である経済産業省が、そうしなかったことは明かだ。原発に対する政府の基本的な方針が定まっていないために、そう出来なかったのだろう。

たとえば岸田首相は、しばしば「原発は安全性を第一に、出来る限り活用して行く」と述べている。だが具体論は、全くなし。だから出先官庁としても、北海道電力を強力に指導するための指針がなかったのではないか。たとえば「原発は40年までに全廃する。したがって新規の建設や建て替えもしない」ことを基本方針として確定。ただし現在は非常事態だから「出来るだけ多くの原発を動かす」と宣言したら、どうだろう。

こうすれば国民も納得し、地元民の同意も得やすくなるに違いない。これまで政府はこの問題をタブー視して、避けてきた。このため最近は原油や天然ガスなどの燃料輸入費が急増し、貿易収支も赤字基調になっている。電気料金やガソリン代も急増、家計や企業の負担は大きい。その分だけ購買力が海外に流出し、景気を押し下げる一因ともなっている。

欧米諸国は、すでに原発に対する方針を明確にしている。アメリカ・イギリス・フランスは原発の新増設に踏み切った。ドイツ・スペインは原発ゼロを目指しているが、その計画をいったん中断した。だが日本政府は、具体的な方針を作成しない。エネルギーを所管する経済産業省の責任は、きわめて重い。

        ≪8日の日経平均 = 上げ +290.34円≫

        ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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