経済なんでも研究会

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強すぎる 雇用情勢 / アメリカ

2022-08-09 07:42:20 | アメリカ
◇ 白熱する経済論争の火に油 = アメリカの雇用情勢が、予想をはるかに上回るスピードで改善している。米労働省の発表によると、7月の非農業雇用者は前月に比べて52万8000人増加した。この増加数は事前予測の2倍を超える驚異的な大きさ。また失業率も3.5%と、実に53年ぶりの低さにまで下がっている。コロナによる各種の規制が解除されたためで、娯楽や接客サービス、保健部門など広範な分野で雇用が増大した。

注目されている平均時給も、7月は前月比で0.5%と大幅に上昇した。年率でみれば6%の賃上げになる。こうした発表を受けて、多くの人々は「個人消費の堅調は持続する。人件費の上昇で物価の騰貴は衰えない」と考え始めた。その結果、市場では「FRBの厳しい引き締めは続き、9月の利上げも0.75%になる」という見方が一気に拡散した。

それでも「秋になれば、物価も落ち着き始める。一方で雇用は堅調だから、景気後退にはならない」と考える人も少なくない。いわゆる‟軟着陸”派だ。これに対して「インフレは収まらず、強力な金融引き締めが続くから、やはり景気後退は避けられない」とみる人も多い。「前者ならば、中間選挙で民主党が有利。後者なら共和党」という注釈まで付いている。

関心を集めたのは、失業率の論争。FRBが「雇用は強いから、3.9%以上には高まらない」と宣言したのに対して、サマーズ元財務長官は「経験からみて6%台まで上がる」と反論した。これも一種の‟軟着陸”論争と言えるだろう。物価はいつ上げ止まるのか。金利はどこまで上がるのか。消費や設備投資は落ち込まないのか。論争のタネは尽きない。

        ≪8日の日経平均 = 上げ +73.37円≫

        ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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