経済なんでも研究会

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「金融政策は無力」の 証明 (上)

2020-03-05 07:45:29 | なし
◇ 投資家の異常な反応 = アメリカの中央銀行であるFRBは3日、臨時の政策決定会合を開いて、政策金利の0.5%引き下げを決定した。新型コロナ肺炎による経済の落ち込みを防ぐためで、FRBが臨時の決定会合を開くことはきわめて異例。また通常なら0.25%とする引き下げ幅を、2倍の0.5%にしたことも異例の措置だった。同時にG7の財務相・中央銀行総裁は電話で会談し「すべての適切な政策手段を用いる」という共同声明を発表した。

ところが、その日のニューヨーク市場では、ダウ平均株価が786ドルも下がってしまった。前日のダウ平均は8日ぶりに反発、1294ドルも上昇していた。その反動という側面もあるかもしれないが、大幅な利下げが発表された日に株価が急落するという現象は、これまたきわめて異例だろう。FRBとしてはアテが外れたことになるが、投資家はなぜこんな行動に出たのだろう。

投資家の異常な反応はまだある。たとえば3日の東京市場。前日のニューヨーク市場では、ダウ平均が過去最大の上昇を記録。円相場も円安に振れていた。にもかかわらず、日経平均は261円の値下がりとなっている。しかも市場にとって、大きな悪材料が出現したわけでもない。日米の株価が、こんな形で相反したことは珍しい。なぜなのか。

アメリカの利下げは、中小企業の借り入れ負担軽減や住宅ローンの引き下げには効果がある。しかし「金利が下がったからと言って、コロナ肺炎が終息に向かうわけではない」と、多くの投資家は考えたようだ。むしろFRBが慌てて利下げするほど、コロナ肺炎の悪影響は厳しいと受け取った人も多い。また日経平均の下落も「G7の共同声明には、協調利下げは含まれない」という推測が強まったことが原因だという。

                              (続きは明日)

       ≪4日の日経平均 = 上げ +17.33円≫

       ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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