◇ 受け入れられなかった経済理論 = ノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のフリードマン教授が、1960年代に提唱した「ヘリコプター・マネー」学説。政府が発行する国債を中央銀行が引き受ければ、ヘリコプターからおカネをバラまくように、いくらでも景気対策を拡大できるという理論だ。この学説は2016年になって、アメリカを中心に大々的な議論を呼んだ。また昨年は同じような趣旨のMMT(現代金融理論)が、アメリカ議会で検討されている。
いずれも政府の財政赤字が積み上がり、景気対策の原資にもコト欠くようになったことから議論された。しかし結果は惨憺たるもの。多くの有識者は「非現実的な理論だ」と、一蹴した。たとえば昨年のアメリカ議会では、パウエルFRB議長も「この理論は誤りだ」と明確に証言している。こうして、これらの学説は葬り去られたかのようにみえた。
ところがコロナ不況に見舞われた現在、アメリカも日本もヨーロッパ主要国も、みな撃墜されたはずのヘリコプターに乗っている。中央銀行が政府の国債を買い入れ、そのカネで景気対策を実施する。あの財政規律にやかましかったドイツのメルケル首相でさえも、いまや同乗者になった。コロナ不況を克服するためには、ほかに手段がなかったからである。
こうして現在までにアメリカは6兆ドル(約660兆円)、ドイツは7600億ユーロ(約88兆円)、日本も約40兆円のコロナ対策費を捻出した。支出は今後さらに増える見込みだ。こうした膨大な財政支出について、いま批判の声を挙げる人はいない。仕方がないと考えるしかないのだろう。しかし結果的に、重大な副作用はないのだろうか。
(続きは明日)
≪27日の日経平均 = 上げ +148.06円≫
≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
いずれも政府の財政赤字が積み上がり、景気対策の原資にもコト欠くようになったことから議論された。しかし結果は惨憺たるもの。多くの有識者は「非現実的な理論だ」と、一蹴した。たとえば昨年のアメリカ議会では、パウエルFRB議長も「この理論は誤りだ」と明確に証言している。こうして、これらの学説は葬り去られたかのようにみえた。
ところがコロナ不況に見舞われた現在、アメリカも日本もヨーロッパ主要国も、みな撃墜されたはずのヘリコプターに乗っている。中央銀行が政府の国債を買い入れ、そのカネで景気対策を実施する。あの財政規律にやかましかったドイツのメルケル首相でさえも、いまや同乗者になった。コロナ不況を克服するためには、ほかに手段がなかったからである。
こうして現在までにアメリカは6兆ドル(約660兆円)、ドイツは7600億ユーロ(約88兆円)、日本も約40兆円のコロナ対策費を捻出した。支出は今後さらに増える見込みだ。こうした膨大な財政支出について、いま批判の声を挙げる人はいない。仕方がないと考えるしかないのだろう。しかし結果的に、重大な副作用はないのだろうか。
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