経済なんでも研究会

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持続性に欠ける 6%経済成長

2023-08-16 07:39:30 | 景気
◇ 物価高で伸び悩む個人消費 = 内閣府は15日、ことし4-6月期のGDP速報を発表した。それによると、年率換算した実質成長率は6.0%で、事前の予測を大きく上回った。四半期の成長率が6%に達したのは、20年10-12月期以来のこと。ただ内容をみると、外需の貢献度が7.2%だったのに対して、内需はマイナス1.2%と振るわなかった。このため7-9月期以降もプラス成長を持続できるかどうか、疑問視する専門家も少なくない。

GDPの構成項目をみると、いずれも年率換算で個人消費は2.2%の減少。住宅投資は7.7%の増加、企業の設備投資は0.1%の増加、輸出は13.6%の増加、輸入は16.2%の減少だった。コロナの5類移行で経済の正常化が進んだのに消費が減少したのは、物価高の影響が大きい。また輸入が大幅に減少したのは、原油の国際価格が下がったため。このように燃料の輸入価格が減ると、成長率は上向く。このことは銘記しておく必要があるだろう。

ことし4-6月期の実質成長率はアメリカが2.4%、ユーロ圏が1.1%、中国が3.2%だった。したがって日本の6.0%成長は断トツに高い。だが今後もその優位を持続できるかというと、かなり覚束ない。というのも物価高で実質所得が伸びず、消費の委縮は続きそう。加えて原油の国際価格が上昇し始めたから、輸入の減少も期待できないからだ。

高い成長率を持続するためには、まず物価を下げて消費の回復を計ること。次いで輸入燃料を減らうようなエネルギー政策を推進することが肝要だ。しかし政府・日銀は、それと反対の方向に動いている。補助金をいくら出しても、物価上昇の原因には触れない。ゼロ金利政策に固執して円安を放置、輸入価格を引き上げている。だから企業も安心して設備投資を増やせない。

        ≪15日の日経平均 = 上げ +178.98円≫

        ≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ≫


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