経済なんでも研究会

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景気後退を織り込む 市場

2022-07-13 07:33:07 | 景気
◇ NY株式市場だけは変則行動 = 多くの金融・商品・為替市場が景気後退の到来を織り込み始め、このところ値を下げている。ウクライナ戦争がもたらした物価の上昇に、インフレを阻止するための金融引き締め政策が重なって、消費が頭打ちに。景気後退は避けられないという見方が強まっている。世界銀行もことしの世界経済の実質成長率見通しを4.1%から2.9%へと、大幅に下方修正した。

ロシアの供給停止が懸念されることから、ヨーロッパでは天然ガスの価格が急騰している。ところがニューヨーク商品市場のWTI(テキサス産軽質油)先物価格は急落。12日には1バレル=95ドル台まで下落した。これは世界的な景気後退で、原油の需要が減少するという予想が広がったため。また鋼材や銅、アルミなどの金属類、それに綿花や木材の相場も大幅に下落した。このところ堅調に推移してきた金価格も下げている。

円の対ドル相場は最近、136-137円で推移している。日本の自動車メーカーにとっては、大儲けが出来る環境。だが東京市場では先週、自動車株が大きく売り込まれた。アメリカが景気後退に陥り、自動車の販売が急減するという観測が強まったためである。もちろん、こうした環境の変化は自動車だけではない。すべての輸出品について言えることである。

こうしたなかで、やや趣を異にするのはニューヨーク株式市場だ。全体としては不況を警戒して下げているが、いまは景気後退を歓迎するムード。失業保険の申請者が増えたり、景況見通しの悪化が報道されると、株価は上がる。景気の見通しが悪化すると、FRBによる金融引き締めのテンポがゆっくりになるという期待が強まるからである。ニューヨーク市場ではしばしば現われる倒錯した論理だが、いずれは景気後退を心配する正常な感覚に戻るだろう。

        ≪12日の日経平均 = 下げ -475.64円≫

        ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

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