◇ ウクライナ紛争で小麦が高騰 = 農林水産省は1日、輸入小麦の売り渡し価格を17.3%引き上げた。これにより現在の在庫がなくなる7月ごろから、パン・めん・お菓子など多くの食品が値上げされる。このところの値上げラッシュに拍車をかける形だ。原因はウクライナ紛争による小麦の供給不足。なにしろロシアとウクライナの両国で世界の小麦輸出の約3割を占めるから、影響はきわめて大きい。
日本では価格の安定を図るため、政府が輸入小麦の全量を買い取っている。ただ輸入先はアメリカ・カナダ・オーストラリアなどで、ロシアとウクライナ産の輸入はない。しかし世界的な供給不足で価格が高騰、やむなく売り渡し価格も引き上げることになった。ただ、ここで疑問が1つ。政府はガソリン価格の高騰には補助金を出して抑制しようとしているが、小麦はそのまま値上げ。さて国民にとって、ガソリンとパンはどっちが大事?
ロシアとウクライナ産の小麦は、主として中東やアフリカに輸出されている。たとえばイラク・レバノン・チュニジア・エジプトなど。これらの国では主食になっており、供給不足と値上がりは大問題だ。現に2010年、チュニジアに端を発した民主化運動‟アラブの春”は、パンの値上がりに怒った民衆のデモが火種となった。
戦火に荒れるウクライナでは、小麦の作付けどころではないだろう。したがって来年も生産・輸出が激減しそうだ。またロシア産も西側諸国が買い入れるようになるかどうか判らない。このため世界の小麦不足と価格の高騰は、まだ続く可能性が大きい。原油や資源の高騰だけでなく、いま世界は食料品の高騰にも悩まされ始めた。日本政府に、そういう認識はあるのだろうか。
≪6日の日経平均 = 下げ -437.68円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
日本では価格の安定を図るため、政府が輸入小麦の全量を買い取っている。ただ輸入先はアメリカ・カナダ・オーストラリアなどで、ロシアとウクライナ産の輸入はない。しかし世界的な供給不足で価格が高騰、やむなく売り渡し価格も引き上げることになった。ただ、ここで疑問が1つ。政府はガソリン価格の高騰には補助金を出して抑制しようとしているが、小麦はそのまま値上げ。さて国民にとって、ガソリンとパンはどっちが大事?
ロシアとウクライナ産の小麦は、主として中東やアフリカに輸出されている。たとえばイラク・レバノン・チュニジア・エジプトなど。これらの国では主食になっており、供給不足と値上がりは大問題だ。現に2010年、チュニジアに端を発した民主化運動‟アラブの春”は、パンの値上がりに怒った民衆のデモが火種となった。
戦火に荒れるウクライナでは、小麦の作付けどころではないだろう。したがって来年も生産・輸出が激減しそうだ。またロシア産も西側諸国が買い入れるようになるかどうか判らない。このため世界の小麦不足と価格の高騰は、まだ続く可能性が大きい。原油や資源の高騰だけでなく、いま世界は食料品の高騰にも悩まされ始めた。日本政府に、そういう認識はあるのだろうか。
≪6日の日経平均 = 下げ -437.68円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ≫