経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

異なる インフレの色合い

2022-04-15 07:12:33 | 物価
◇ 消費者物価の高騰はアメリカだけ = 日銀が12日に発表した3月の企業物価は、前年比9.5%の上昇だった。品目別では木材・木製品が58.9%、電力・都市ガス・水道が30.3%、鉄鋼が27.7%、石油・石炭製品が27.5%と大きく値上がりした。コロナとウクライナ戦争で原油や資源の国際価格が急騰、それに円安の影響も加わっている。企業物価は企業間で取引されるモノの価格。卸売り段階では、すでにインフレが進行していると考えていい。

ところが消費者段階ではまだデフレの色が濃く、2月の消費者物価はわずか0.9%しか上昇していない。企業物価との上昇率の差は、実に8.6ポイントもある。これは景気の低迷で消費需要が弱く、小売り段階への価格転嫁がしにくいためだと考えられている。このように「川上はインフレ、川下はデフレ」の状態は、実は日本だけではない。

日経新聞の試算によると、川上と川下の物価上昇率の差は、ユーロ圏では25.5ポイントもある。また中国でも、6.8ポイントの差があるという。ヨーロッパや中国も景気が悪く、価格転嫁が遅れているわけだ。これに対してアメリカの場合は、3月の消費者物価が8.5%の上昇。生産者物価の上昇率とは、ほとんど差がない。景気が上向きで、完全雇用の状態を反映したものと考えられる。

川上での物価上昇は、いずれ川下にも転嫁される。その時間が長引くと、それだけ企業の経営は苦しくなる。倒産が増えるなど、景気はさらに悪化するだろう。だが転嫁が進めば、消費が圧迫される。どちらに転んでも景気は下降するから、タチが悪い。いまのところ景気がいいのはアメリカだけだが、その最大の原因はエネルギーの自給度だろう。エネルギーに乏しい日本は、どうすればよいのか。もっと真剣に考える必要がある。

        ≪14日の日経平均 = 上げ +328.51円≫

        ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>