経済なんでも研究会

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FRBショックの 後遺症

2022-02-01 07:53:02 | アメリカ
◇ 読めないその大きさ = 「3月中に量的緩和の縮小を終了、同時に利上げも始める」--FRBが明示したこの政策を、市場はほぼ織り込んでいた。ところが説明に当たったパウエル議長が「利上げのペースはまだ議論していない」「量的引き締めで、保有資産は大幅に減らさなければいけない」と語ったことには、大きなショックを受けた。利上げの回数が増え、市中からの資金引き揚げが大量になれば、その後遺症も膨れ上がるからである。

市場が心配する後遺症の1つは、景気への悪影響。アメリカのGDP成長率は昨年10-12月期に6.9%まで跳ね上がったが、ことし1-3月期はコロナの影響で2%台に下がると予測されている。そこへ急激な金融引き締めが加わると、景気は失速してしまうのではないか。企業業績も下り坂になれば、株価はもう一段の調整を免れない。

もう1つの後遺症は、金利の上昇で表面化する低格付け社債の問題。信用度の低い低格付け債は約2兆ドル、8%前後の利回りで流通している。政策金利の引き上げで優良債券の利回りが上昇すると、低格付け債からは資金が逃げ出しやすい。要するにリーマン・ショックの二の舞にならないか。市場の心配は尽きない。

金融引き締めの後遺症は、FRBが引き締めのペースを速めれば速めるほど大きくなる。だが現状では、そのペースを予測することが出来ない。FRBも後遺症については当然考えているから、そんなに危険を冒さないだろうとみる楽観論もないではない。しかしFRBのインフレに対する姿勢は、想像以上に強そうでもある。結局は物価の動向に、すべてが左右されると考えるしかなさそうだ。

        ≪31日の日経平均 = 上げ +284.64円≫

        ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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