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経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

半導体世紀の 魔怪獣か

2024-02-27 07:29:37 | 株価
◇ 世界中のカネを揺さぶったエヌビディア = 世界各国の株価が、一斉に上昇した。ダウ平均は連日のように史上最高値を更新して、ついに4万ドルを狙う勢い。日経平均は34年ぶりに史上最高値を更新、これまた4万円を目標にし始めた。ヨーロッパの株価も、たとえば代表的な指数のストックス600は2年ぶりに最高値を更新。さらに台湾の株価も高値を更新している。このところ下げていた上海総合指数でさえ、久しぶりに3000を回復した。

こうした世界同時株高のきっかけとなったのが、アメリカの半導体メーカーであるエヌビディア社の決算発表。先週21日に発表された23年2月-24年1月期の業績は、実に驚くべき内容だった。売上高は609億2200万ドル(約9兆1400億円)で、韓国のサムソンやアメリカのインテルを抜いて世界首位に。営業利益は329億7200万ドル(約5兆円)で、前年度の7.81倍に急増。これで世界各国の半導体関連銘柄に、買い注文が殺到した。

エヌビディアはカリフォルニア州に本社を置く、半導体メーカー。GPUと呼ばれる画像処理チップや人工知能向けチップの世界シェアは約8割。1993年に、LSIロジック社の出身者が中心となって設立した若い会社。現在の株価は790ドルほどだが、1年前は230ドル、5年前は44ドルだった。時価総額もいまや2兆ドル、アップル・マイクロソフト・サウジアラムコに次いで、世界第4位の巨大企業になった。

この半導体ブームは、いつまで続くのだろか。エヌビディア社は24年も増益を維持できると予想、人工知能はこれから発展期に入るから需要は衰えないとみる人も多い。しかしバイデン政権が半導体の中国向け輸出規制を強化したことは、需要の減退要因になる。またエヌビディアの株価は割高になっているから、近く反落する公算が強い。そのとき、こんどはエヌビディアが株安の先導役になる可能性がある。ウオール街では、いま論争が盛り上がってきた。

        ≪27日の日経平均 = 上げ +5.81円≫

        ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

今週のポイント

2024-02-26 07:35:26 | 株価
◇ サクラ満開の日米株式市場 = ダウ平均は先週504ドルの値上がり。終り値は3万9132ドルで、またしても史上最高値を更新した。半導体大手のエヌビディアが11-1月期の決算を発表、純利益が前年比で8.7倍に増加。これを受けて、木曜日には半導体関連を中心に450ドル以上も値を上げたことが大きかった。このところ最高値の更新を続けているが、それでも年初来の上げ幅は1400ドルあまりと落ち着いた動き。ニューヨーク市場は花盛りだが、大騒ぎはない。

日経平均は先週611円の値上がり。終り値は3万9099円となり、とうとう34年2か月ぶりに史上最高値を更新した。ニューヨーク市場に引きずられて半導体関連銘柄が急騰、これが全体の株価を押し上げる原動力となっている。年初来の上げ幅は5639円、上昇率は17%に達した。ただTOPIXは、まだ最高値を8%ほど下回っている。

ニューヨーク市場は「怖いものなし」の雰囲気。景気にプラスの指標が出れば、素直に喜ぶ。マイナスの指標が出れば、利下げの公算が大きくなると考えるからだ。ダウは4万ドルを目指すだろう。一方、日経平均もまだPER(株価収益率)が16倍強にとどまっている。34年前のバブル期には60-70倍にも達していた。ここが最大の相違点だ。東京市場も花盛りだが、当時と違って花見の宴は見当たらない。

今週は26日に、1月の企業向けサービス価格。27日に、1月の消費者物価。29日に、1月の商業動態統計、鉱工業生産。1日に、1月の労働力調査、2月の消費動向調査、新車販売台数。アメリカでは26日に、1月の新築住宅販売。27日に、12月のFHFA住宅価格指数、2月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。28日に、10-12月期のGDP改定値。1日に、2月のISM製造業景況指数。また中国が29日に、2月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

        ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ≫   

株高の起爆剤は MAG7

2024-02-20 07:49:52 | 株価
◇ その時価総額は日英加の総合計に匹敵 = ニューヨーク市場の株価が史上最高値を更新し続けている。ダウ平均は4万ドルを狙う勢いだし、銘柄数が最も多いSP500指数も5000を超えた。その起爆剤となっているのが、MAG7と呼ばれる大手IT7社。時価総額は昨年72%も増加、現在は12兆ドル(約1700兆円)にも達した。この金額は、日本・イギリス・カナダの株式市場に上場する全銘柄の時価総額に匹敵する。

つい最近までニューヨーク市場を席捲していたのは、GAFAMと呼ばれる大手IT5社だった。グーグル・アップル・フェースブック・アマゾン・マイクロソフトの5社である。そこへテスラとエヌピディアが加わったのがMAG7、意味はMAGNIFICENT(壮大な)7社。なにしろエヌピディアだけでも、その時価総額はトヨタの5倍。この壮大な7社がFRBの金融引き締めにもかかわらず、業績を伸ばし株価を上げてきた。そしてMAG7の株価が上がると、周辺の半導体関連銘柄も上昇。株価全体を大きく押し上げる効果を挙げている。

MAG7の影響は、東京市場にも波及している。TOPIX(東証株価指数)の昨年初からの上昇率は30%程度。このうち半導体関連10銘柄だけを取り出すと、上昇率は70%ときわめて高い。「ニューヨークでIT関連銘柄が高騰したのを受けて、東京市場でも半導体関連銘柄が先導して株価は上昇」--こんな解説記事には、何度もお目にかかった。

しかし株価が急上昇しているだけに、PER(株価収益率)も上昇した。SP500全体のPERが21倍なのに対して、MAG7のPERは33倍に上昇している。また7社に人気が集中する一極集中の現状は、不健全だという批判も強まってきた。さる有名投資家がMAG7を売り出したという話も伝わっている。もしMAG7の株価が急落し始めたら、現在の株価天国は消滅するに違いない。この際はMAG7の株価に注目!
 
        ≪20日の日経平均 = 下げ -106.77円≫

        ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

今週のポイント

2024-02-19 07:47:11 | 株価
◇ 日経平均は史上最高値の更新へ = ダウ平均は先週44ドルの小幅な値下がり。月曜日にはまた史上最高値を更新したが、その後は上下動しながら下げた。先々週は18ドルの値上がりだったから、2週連続できわめて小幅な値動きにとどまっている。これは1月の消費者物価が予想以上に上昇、小売り売上高は予想以上に伸び悩むなど、景気にとってはプラスとマイナスの材料が同時に飛び出したこと。それに最高値の更新が続き、さすがに利益確定売りが出やすくなったためだろう。

日経平均は先週1590円の大幅な値上がり。3週間の連騰で、この間の上げ幅は2700円を超えた。終り値は3万8487円、1989年12月に記録した史上最高値にあと429円まで近づいた。ニューヨーク市場の流れを受けて半導体・IT関連株、円安で輸出関連株、インバウンドの回復で内需株が買われている。中国からの資金流入も、全体を押し上げた。

ニューヨーク市場は、新しい材料待ち。大きくは動けない。一方、日経平均はここまできたら、何が何でも最高値の更新へ向かうだろう。企業の3月決算予想は上方修正が続出しているから、さらに4万円の大台まで狙いに行くのか。それとも最高値を更新したあとは、一休みとなるのか。半導体・IT企業の景況と円相場の動きが、カギを握っているように思われる。

今週は19日に、12月の機械受注。21日に、1月の貿易統計と訪日外国人客数。アメリカでは22日に、1月の中古住宅販売、2月のISM製造業景況指数が発表される。

         ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

今週のポイント

2024-02-12 07:26:47 | 株価
◇ 潮目が変わってきたNY市場 = ダウ平均は先週17ドルの小幅な値上がり。それでも5週連続の上昇で、木曜日には3万8726ドルの史上最高値を付けた。SP500も5000の大台に乗せている。巨大IT5社が10-12月期の決算でそろって増益に。また1月の雇用統計で非農雇用者の増加数が35万3000人と、事前予測の2倍に達した。こうした景気の予想外な堅調ぶりに、市場は‟軟着陸”への期待を高めている。ただ最高値を更新し続けているために、利益確定売りも目立って多くなった。

日経平均は先週739円の値上がり。終り値は3万6897円だったが、一時は3万7000円台に乗せた。ただ値を上げた最大の要因は、内田日銀副総裁の木曜日の講演。マイナス金利を解除したあとも「金融緩和を継続する」という発言で、日経平均は743円も上げ、円相場は149円台に下落した。市場は3-4月のマイナス金利離脱と年末0.25%の金利水準を予想していたが、これを打ち消した形。ただ、なぜ急いで打ち消す必要があったかはよく判らない。

ニューヨーク市場では、景気にとってのマイナス要因も現れ始めた。たとえば雇用情勢が強すぎて、3-4月の利下げが困難になったこと。またIT業界を中心に人員削減が始まったこと、さらにNYCB(ニューヨーク・コミュニテイー・バンコープ)など地銀の経営不振が表面化したことなど。どうも潮目が変わってきたように思われる。

今週は13日に、1月の企業物価。15日に、10-12月期のGDP速報。16日に、12月の第3次産業活動指数。アメリカでは13日に、1月の消費者物価。15日に、1月の小売り売上高、工業生産、2月のNAHB住宅市場指数。16日に、1月の生産者物価、住宅着工戸数、2月のミシガン大学・消費者信頼感指数が発表される。

        ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
 

Zenback

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