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経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

今週のポイント

2024-03-11 07:26:03 | 株価
◇ 日米ともに足取りは重い = ダウ平均は先週365ドルの値下がり。終り値は3万9000ドルを割り込んだ。高値圏で利益確定売りが出たことが、値下がりの主な原因。水曜日にはパウエルFRB議長が議会で証言。「利下げはそう遠くないうちに始めるのが適切」と述べたが、株価は小幅な上昇にとどまった。また金曜日には予想を上回る雇用者の増加が発表されたが、株価は小幅に下げただけ。方向感に乏しくなっている。

日経平均は先週222円の値下がり。月曜日には4万円台乗せを達成したが、あとは確定売りに値を下げた。木曜日には492円とことし最大の下げ幅を記録している。円相場が一時146円台まで上昇したことを嫌気した。こうした上げも下げも、半導体関連が中心。たとえば日経平均が4万円台に乗せた月曜日も、全体の6割の銘柄は下落している。

ニューヨーク市場は高値もみ合いのなか、今週は12日に発表される消費者物価に注目が集まる。一方、東京市場は来週18-19日に開く日銀の政策決定会合に注目が集中。円高がさらに進むのかどうか。こうしたなか、TOPIX(東証株価指数)が先週まで6週間の連騰。中身をみると、低位株が買われている。この現象を株価が天井に達した証拠とみるのかどうか。

今週は11日に、10-12月期のGDP改定値。12日に、2月の企業物価、1-3月期の法人企業景気予測調査。15日に、1月の第3次産業活動指数。アメリカでは12日に、2月の消費者物価。14日に、2月の小売り売上高、生産者物価。15日に、2月の工業生産、3月のミシガン大学・消費者信頼感指数が発表される。

        ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

日経平均株価4万円 の風景

2024-03-05 07:05:27 | 株価
◇ バブルなのか、バブルでないのか = 「ついに」と言うべきか、それとも「やっと」と言うべきか。とにかく日経平均株価が4万円の大台に跳ね上がった。3万円台に乗せてから、ちょうど3年かかっている。だが、ことしの年初は3万3000円台、そこからは超特急で上り詰めた。2月22日には1989年12月に記録した史上最高値を更新、そこから7日間で4万円に到達したことになる。34年前には新高値のあとバブルが崩壊、株価は急落した。今回は大丈夫なのか。

東京市場では、バブルを警戒する声は聞こえてこない。34年前と比べてみると、東京証券取引所の時価総額は606兆円から943兆円に増大した。しかし上場企業の経常利益は、この間に38兆円から95兆円に増えている。つまり現在の株価は、見合った企業収益という裏付けを持っているというわけだ。その証拠に、予想PER(株価収益率)も当時は61.7倍だったのに対して、現在は16.5倍にとどまっている。

しかしニューヨーク市場に目を向けると、景色がちょっと違う。ウオール街では、一部の銘柄に資金が集中し過ぎていることが問題視され始めた。なにしろ時価総額でみると、上位10社だけで全体の3割を超える。その大半が半導体・IT銘柄だ。これは異常だというので、パフェット氏やソロス氏といった著名な投資家がIT株を売り始めた。要するに、半導体関連だけはバブルだという考え方なのだろう。

こういう見方からすれば東京市場でも、資金は半導体・IT銘柄に偏っている。日経平均は今年初から急上昇したが、それを上回って上昇したのは全体の約2割。そのほとんどが半導体関連だ。これをバブルとみるかどうかは、非常に難しい。またことしは国内の政局、アメリカの大統領選挙、ウクライナとガザの戦争、中国の景況など、重要な不安値要素が山積。これらを乗り越えて、日経平均はいつ5万円に到達するのだろうか。

      ≪5日の日経平均 = 下げ ー11.60円≫

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

今週のポイント

2024-03-04 07:25:50 | 株価
◇ 日経平均はついに4万円台へ = ダウ平均は先週44ドルの小幅な値下がり。高値圏で利益確定売りが続出したが、なんとかこなして終り値は3万9000ドル台を死守した形。相変わらず半導体関連には買いが入り、IT関連銘柄の多いナスダックが木曜日、2年3か月ぶりに最高値を更新した。一方、債券市場では長期金利が上昇。このため外国為替市場ではドルが買われ、円安が進んでいる。

日経平均は先週812円の値上がり。終り値は3万9911円で、とうとう4万円の大台に超接近した。5週連続の上昇で、この間の上げ幅は4160円に達している。こちらも確定売りが出たが、金曜日にはナスダックの最高値更新を材料に大きく上げた。やはり半導体関連が買いの中心。また日銀のマイナス金利解除を当て込んで、金融株も上昇している。

3月入り。FRBが今月、利下げしないことはほぼ確定。したがってニューヨーク市場の関心は金融政策から離れ、実体経済へと傾く。物価や雇用関連の動向に、左右されやすくなるだろう。一方、日銀が今月の会合でマイナス金利政策を修正することはほぼ確実。だがゼロ金利政策には執着する公算が大きい。その場合、市場はどう反応するか。金利や株価の動きに注目が集まる。

今週は4日に、10-12月期の法人企業統計。5日に、2月の東京都区部・消費者物価。8日に、1月の家計調査、景気動向指数、2月の景気ウオッチャー調査。アメリカでは5日に、2月のISM非製造業景況指数。7日に、1月の貿易統計。8日に、2月の雇用統計。また中国が7日に、2月の貿易統計。9日に、2月の消費者物価と生産者物価を発表する。

        ≪4日の日経平均は? 予想 =上げ≫

続伸か? 反落か? : 株価の行くえ (下)

2024-03-01 07:44:34 | 株価
◇ 東京市場は自信満々だが・・・  = 「日経平均4万円は確実、その後の上昇も当たり前」--東京市場では、こんな強気がまかり通っている。じっさい予想される高値の水準について、大和証券は4万3000円、JPモルガン証券は4万2000円に上方修正した。こんな強気を生み出した大きな原因の一つが、史上最高値を付けた34年前との株価の比較。アメリカは14倍、英独仏などは3-5倍。これに対して日本は元に戻っただけ。つまり1倍でしかない。だから伸びしろは、きわめて大きい。

もう1つ、市場に安心感を与えているのは企業業績の回復。この30年間、GDPや給与は伸び悩んだが、企業の利益だけは増大した。その結果、上場企業のPER(株価収益率)は34年前が60倍以上だったのに対し、いまは16倍台にとどまっている。つまり現在の株価は企業業績を反映したもので、バブルの兆候はないというわけだ。この分析は、おそらく正しい。

だが少し掘り下げて考えてみると、心配な点も少なくない。その1つは、買いが半導体関連銘柄に集中し過ぎていること。たとえば日経平均は年初から急騰したが、プライム上場企業のうち日経平均を上回って上げたのは全体の2割に過ぎない。したがって、半導体関連だけはバブル状態なのかもしれない。そこが反落に転じると、どうなるだろうか。

また企業の増益は、円安と値上げによるところが大きい。日銀の政策修正で円高になったら。消費者の買い疲れで、値上げがしにくくなったら。それでも大幅な利益を出し続けられる企業は、どのくらいあるのだろう。そして東京市場の株価が上昇し続ける最大の条件は、やはりニューヨーク市場の動向。ニューヨークがこければ、東京もこける。

        ≪29日の日経平均 = 下げ -41.84円≫

        ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

続伸か? 反落か? : 株価の行くえ (上)

2024-02-29 07:36:34 | 株価
◇ 絶好調NY市場のアキレス腱 = 日米欧の株式市場が、そろって史上最高値を更新中。その動きを主導したのは、やはりニューヨーク市場だった。いまウオール街は“怖いものなし”の状態。というのも景気がいいことを示す指標が出れば、素直に喜ぶ。景気が悪い指標が出たら、FRBによる利下げが早まると歓迎する。ダウ平均は4万ドルに向けて、まっしぐらだ。しかし、そんな絶好調のニューヨーク市場にも死角はある。

ニューヨークの株価を押し上げた原動力は、半導体だ。その象徴は、驚異的な決算を発表したエヌビディア。株価が急騰した結果、市場では「投機的に過ぎる。バブルだ」という評価が強まっている。仮にエヌビディアの株価が急落したら、どうなるだろう。周辺の半導体関連銘柄も、一斉に売られるに違いない。つまり上昇時と同様に、エヌビディアが株価反落の先導役になる危険性もありうるわけだ。

景気の先行きについても、不安がないわけではない。たとえば金利の上昇で、クレジット・カード債務の返済率が急落している。アメリカはクレジット社会だから、その影響はかなり大きい。そのせいもあってか、1月の小売り売上高は前月比0.8%の減少。消費支出が失速する予兆ではないかという観測も広がった。仮に本当に景気が後退したら、市場も「利下げが近い」と言って喜んではいられないだろう。

もう1つ、一部の地方銀行に経営不安の影が差してきたことも心配だ。これも金利の上昇で、不良債権が顕在化してきたためである。いまの勢いからみると、ダウ平均が4万ドルを達成する可能性は十分にありそうだ。だが、その後は数々の死角を避けながら、さらに高みを目指して行けるのか。現段階では、残念ながらまだ予測不能である。

                    (続きは明日)    

        ≪28日の日経平均 = 下げ -31.49円≫

        ≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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