ハンマースホイの無機質の色彩。
それは、寂しさとか悲しさを表しているのでは ない。
観る前は、「ハンマースホイはゴッホと同じ?」 と不安だった。
ゴッホの絵は怖い。(すごいけれど)
『刑務所の中庭』など、あの目にあったらどうなることか、と思う。
そこには、対象への彼のやすらぎがある。
音の無い世界。
孤独の心地よさ。
でも、イーダが配されると、画面の雰囲気が変わるのだ。
不自然な姿勢・家具のありえないバランス
彼の求めるバランスのとれた空間に入ってきた異質の 「もの」。
ハンマースホイは、イーダの存在に
イーダが自分にもたらす変化に
戸惑っているのだ。
< 画面が緊張する >
イーダの兄、
ピーダ・イルステズ が描いた絵。
ハンマースホイの絵から冷たさなど感じなかったはずなのに、
この絵をみると、ほっ と確かな暖かさを感じるのだ。
手紙を読む女性は その存在で物語を語り始める。
イーダの姿は、物語を語らない。
そしてそれが、ハンマースホイを孤高の画家にした。
< イーダは幸せだったのだろうか? >
(勝手な『憶測』です・・。)
生まれ育ちました。太陽の光に見放された暗くて長い冬から開放されたくてこの地にやってきたような人間からすると・・・。
厳しい孤独をとことんまで追求して芸術にまで高めたのがハンマースホイという人というのが私の勝手な解釈でした。
なるほどPotiさんの解釈は興味深いです。
ピーダ・イルステズの作品との対比がまた面白いですね。
potiさんのおかげで知ったハンマースホイ。
いろんなことを考えさせられて芸術の秋できました。
ありがとうございました!
私も京都で1年弱暮らしたことがありますが、それだけでも冬の光は初めての感覚だった。
「『謎』・『不思議』とか『観るものを拒む』という言葉がパンフレットにでているけれど、ほんとうにそうだろうか?私はそうは感じないのだけれど、」と、思ったのが始まりで、下書きのままずっと寝かしてありました。
でも作品の時代背景だってあるわけだし、批評家じゃないんだから、それぞれの感覚、何が好きか嫌いかでいきます。
だから、『憶測』です。
いろんな解釈がきけて楽しいです、ありがとう。