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好奇心旺盛な長年の体験で、行って、見て、食べて、泊まった素敵な世界を、皆んなにちょっぴりお裾分け...

ブルターニュ紀行 19 < ドゥアルヌネーズ から ラ岬> 大ブルターニュ半島全体の南の最西端 へ

2021-03-15 00:03:33 | 素晴らしき世界/フランス/ブルターニュ
巻頭写真 : ドゥアルルネーズ『Musée du Port (港博物館)』

荒海と信仰とケルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を訪れよう
19


ブルターニュ全体の最西端
三つにわかれる半島の南側『Cap sizun  シズン岬』を
付け根の
『Douarnenez ドゥアルヌネーズ』から
かつて「この世の果て」と呼ばれていた
『Pointe du Raz ラ岬』
に向かいます

Photo by @GoogleMap

拡大して読めれば
一番上に切れかかって書かれているのが「カマレ」
その下に上から「クロゾン」と下に「モルガ」
数日前にご紹介しました

『ドゥアルヌネーズ』は湾の奥の白いところ
そのすぐ北には「サント・アンヌ・ラ・パリュー」
東の「Kerlaz」とあるすぐ東隣に「ロクロナン」があるのです

ちなみに西の先端の赤い印の位置が『ラ岬』です


「ドゥアルヌネーズ」
で一番のポイントは
何をさておき『Musée du Port 港博物館』という名の
船の博物館なのです



全部「本物の船」ばかりが
建屋の中と表の港とで山ほど見ることができ
港に係留してある船の大半は乗り込んで中も見学できる
という素晴らしい博物館なのだ



早速館内に入ってみよう
入り口は黄色いところ


中は主に地下が展示空間となっている


船大工の作業工程の説明を受けているグループがあった

『Caboteur portugais ポルトガルの沿岸交易船』

『Tatara Porogue de Lanyu 台湾蘭嶼島の木舟』

『Ghe Thûng Chàï ヴェトナムの竹ざる舟』





外へ出て「浮かんでる船」を見に行ってみよう








『Bateau-Phare 灯台船』

『Saint-Denys Remorqueur 牽引船 (タグボート)サン・ドゥニ丸』

『Nizwa Doni  (Dhow / Daou)  オマーンのダウ船ニズワ号』

航行中の『ニズワ』 Photo by @MuséeduPort

シンドバッドも載っていたオマーンの木造船『ダウ船』は
鉄釘は一切使わない
木釘とコールタール系の塗装とで造られる


『Dieu Protège 神の加護号』

この船は博物館の修復部で完全に復元された


Photo by @MuséeduPort



『Bateau douanier 税関船』

この船は
港の水位を一定に維持するための堰の位置に係留されていた



実際に乗船してみよう


三隻ほど並列で舫ってある奥の船から乗れるように
高い位置の桟橋から浮き桟橋に降りて行く

上に写真でお見せしたユニークな舟から
つい最近まで現役だった「イワシ底引き網船」やら「オマール海老捕獲船」やら
各種取り揃えてお待ちしております



先ほどのタグボート「サン・ドゥニ」の見学を終えたお婆ちゃまとお孫さん


博物館復元部で完全修復されたノルウエーの沿岸交易船『Anna-Rosa』で
湾内クルーズも行われています


復元工事中の『Anna-Rosa』





対岸の船の見学には横断橋を使います





対岸は静かな住宅地という風情です

さてさて
船の話ばかりではなんですから
「ブルターニュ」らしい話題にも触れましょう

静かな住宅地の方の地区に古いものが残っている


屋根を失った廃屋に情緒が


この家は絵に描いたような典型的なブルターニュの民家
長方形
短辺は両方とも切妻
その切妻に煙突が立つ
往々にアジサイが植えられている
できれば四隅の角は切石を積みでドア周りと窓枠も切石
北半分のブルターニュはこのままの色
これから訪れる南半分のブルターニュは白く塗る


東西に長く伸びる巨大な『ブルターニュ半島』の
北側は英仏海峡で北の荒海
南側は大西洋でずっと暖かい
この家はすでに一部が白く塗られているのが「中央」あたりだからとでも
言えるのいだろうか

礼拝堂も

『Chapelle Saint-Michel 聖ミカエル礼拝堂』



内陣部の天井

もう一つ

『Chapelle Saint-Jacques 聖ヤコブ礼拝堂』


古えの洗濯場


かつての製塩所の跡


※  ※

では一気に半島の最西端まで40km弱走って
いよいよ
『地の果て』
に行ってみよう

『Pointe du raz ラ岬』

中世においては地球は平らだった
そして
大西洋に臨む岬は地の果てだったのです
そこから先は果てしなく続く地獄の大海原しか存在していなかった

星の位置だけで航海していた時代で「世界」はヨーロッパだった
そしてその最果ての地が『ラ岬』だと思われていたのです

駐車場に車を駐めて
前方に見える灯台まで10分ほど歩く


両側の植物相は保護区域に指定されており
道を外れて草の上を歩くことは禁止されている
長い長い年月と人々の途絶えることのない情熱と莫大な予算の投入の結果



時期になるとこうなったり

こんなになったりするのです


15分歩くと
案内所とカフェレストランとお土産やさんのある平屋建てのモダンな建物があるが
円形の敷地をフライパン型に彫り込んでその内側に並んでいるので
岬に向かってくるときも岬から振り返っても
その施設は見えない


屋根の高さが周りの地面の高さくらい

その先に
灯台と通信施設の塔がある
軍が管理しているので塀の中には入れないが
別に入る必要もない


通り過ぎて5分ほどで聖母子像が立っている



『Notre)dame des Naufragés 遭難者の聖母』

マリアが抱くイエスが
海難者に手を差し伸べている
日本で言えばあたかも「観音像」とでもいうところか


今度は石畳の道をまた10分ほどで小さな小屋があり
それが人工物の最後

時間と共に人はどんどん増えてくる



既に岬にいるわけですが
ここまで来ても皆が期待する岬は見えない

やっと見えるところまでたどり着いて


もう少し先まで行って


右上の少し高くなっているところまでは
ほぼ全員が行くんです
そしてその先が


いよいよ
ここから300mほどの長さで
海面まで80m
海面からいきなり切り立った高山の尾根の様に続くのです


道はないけれど
人の歩いた後を辿って足場と手がかりを確認しながら
20階建のビルの屋上から逆巻く荒海が岩に砕ける様子を見ると
腰が砕けそうになる



写真の下の方にわずかに道のようなもにが見える
そして
先端まで無事に辿り着ければこの写真がお撮理になれます


いかがでしたか地の果てのご感想は
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