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「美」を愛する人へのメッセージ

岩国市を中心に「いろ・色・パステル画」展を開催しています。また、「美」という大きなテーマに向かって発信していきます。

「演奏家・ダンサーを描く」

2011-07-09 08:56:28 | 「美術展」

「人物」を描くといっても、何かを追及している人はそこに自ずと違うものを感じとることができます。

 

何かをきわめていこうとする姿の中に、今まで感じることのできないものを発見できるのは確かです。

「アルパ」を演奏するこの方を描いたのがHさんで、そのモデルさんから受けた印象を描いているように思えました。

人生の中で「落ち着いた年代」として感じ取られているこのデッサンは、どことなく優雅さが漂っています。

どっしりとしたその風貌には、迷いのないモデルさんの気持ちが伝わってくるようです。

10代のダンサーを描いた時には、体の中からほとばしる「エネルギー」のようなものが感じられ、そして未来に対する大きな可能性のようなものが感じられました。

これはMさんの作品で、パステルの持つ繊細さとモデルの持つ素直さがとてもよく現われているように思えます。

同じ白のドレスを着ても、「ダンサー」と「演奏家」では体から発するものが違います。

「ダンサー」が「動的」ならば、「演奏家」は「内的」な面を我々に教えてくれ、その違いを如実に感じ取ることができます。

 

この作品もMさんの作品ですが、そうしたことが手に取るようにわかるものになっています。

 

「見て描く」ということは、その対象物からじかに何かを感じることができ、それを他者に伝える力がとても大きくなることを教えてくれます。

 

自分の感性で感じ、それを自分なりに表現することがいかに大事であるか、こうした作品を見るとわかると思います。

 

「目」と「心」で感じたことは、「絵画」の世界ではとても大事な要素になると思います。

 

自分の感性を信じ、それを追及してこそ「その人」の作品ができるのではないでしょうか。

 

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「朗読家のモデルを描く」

2011-07-07 06:59:36 | 「美術展」

「楽しい人物画」講座では、「朗読家」や「フリーのアナウンサー」として活躍中の人をモデルに描いたことがあります。

 

「民話」を朗読してもらった後に、みんなで絵を描いていきましたが、そこには「朗読家」の持つ独特な空気が流れていました。

「洋服」と「和服」の世界を描きましたが、Iさんは「和服」を下から見上げた視点で描いています。

 

また、この方は今「明暗」や「陰影」にとても興味があり、ふだん「マジック」等で陰影をつけています。

 

この作品も「人物」がマジックで描かれ、バックや顔という部分は「水墨」で描いています。

 

とてもおもしろい試みで、「白と黒」の世界だけで描きそこに「柔と剛」の力関係さえ見えてきます。

同じIさんの作品ですが、これは「パステル」だけで描かれ、しかも斜めの線だけを上手に処理している作品になっています。

 

この二つの作品が同じ人のものとは思われないようなところがあり、「自分にあった題材選び」を楽しんでいるようにも見えます。

Nさんは「パステル画」のベテランですが、この作品ではIさんと同じように「白と黒」の世界を追及していることがわかります。

 

「キャンソン紙」の持つ色に「白と黒」の「無彩色」が来ることにより、余分なものを捨てた効果がでています。

同じNさんの作品ですが、この作品では「パステル」の持つ色合いを十分に使って「優しい雰囲気」を画面一杯に作り出しています。

 

このように、同じモデルさんを描いても描く「手法や試み」が違えばそこに違う絵の持ち味が出てくることに気づくと思います。

 

「絵を描く」ということは、いろいろなことを自分で体感して行き、何かを感じとっていきながら自分のスタイルをつくる過程だということがわかります。

 

できたものが作品ではなく、そこに行く過程の中で感じる様々なことが実は「創作の喜び」につながるといっても過言ではありません。

 

できたものを見てもらうのも大きな喜びですが、それ以上に描く人にとっての喜びは、描くことへの「自分との葛藤」にあるのではないでしょうか。

 

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「楽しい人物画」作品展始まる!

2011-07-06 07:32:06 | 「美術展」

岩国市中央図書館の「展示室」で、「楽しい人物画」作品展の展示が始まりました。

 

「シンフォニア岩国」で行われている「楽しい人物画」講座で描いた作品を中心に、「人物画」だけで構成されています。

 

今回の展示は初めてで、「自分なりの見方・とらえ方」というテーマで行われています。

人の顔がそれぞれ違うように、「モデル」を通してその人の「見方・とらえ方」がこんなにも違うのかということがわかる展示会になっています。

会場には14人の参加者による25点の作品が展示され、「パステル」「鉛筆」「水彩」「水墨」等いろいろな手法でも描かれており、見る人に絵画の世界の「ジャンル」の違いも味わえるようになっています。

 

この展示会は7月5日(火)~10日(日)まで行われています。

 

また、7月9日(土)13:00~15:00まで2階の「講座室」で「かんたん似顔絵講座」が開かれます。

 

近くにお越しの折は、是非立ち寄ってみてください。

 

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「発見する喜び」

2011-06-09 18:18:25 | 「美術展」

今まで理解できなかったことがわかると、「人の喜び」はとても大きなものとなります。

 

特に「美術」の世界では、この「わかる」ということが、とても難しいものがあるのではないでしょうか。

 

しかし、一定の法則で描いていくとある程度「描ける喜び」のようなものに出会うことができます。

それが「キミ子方式」と呼ばれる描き方で、「絵の苦手な方」等にとても人気があるように見えます。

 

その展覧会が、今「シンフォニア岩国」の企画展示室で行われています。

「点」や「線」「面」といったものを通して、「色の三原色」と「白」だけで描いていくわけですが、この手法は「色の発見」という手がかりを教えてくれます。

 

「形」を正確に取るのはかなり時間がかかり、途中で挫折する人が多い中、「色」については色を並べていっていくと「色の変化」に気づく場面がでてきます。

 

この「気づく」という行為が、やがて「わかる」という行為に変わり、絵を描くことが楽しくなるのではないかと推測されます。

 

「自分なり」の色を作り、それを並べていくことにより、今まで経験しなかった「色合い」の出現に作者は「創作の喜び」を感じることができるのではないでしょうか。

そうしたことを繰り返すうちに、こうした作品が生まれ、「自分で納得のいく作品」に仕上がっていくように思えます。

 

ましてやその題材が、自分のかわいがっている「ペット」となるとまた話は違ってきます。

この「マイカップ」でもわかるように、自分の気に入っているものを描くのは抵抗が少なくなります。

 

この「マイカップ」の作品群を見ていると、描いた人の「笑顔」のようになものが伝わり、あたかもそこに作者がいるように感じられます。

かなり絵を描いている人の作品だと思いますが、「オリジナル性」を感じさせるものがあり、「芸術」の領域まで行っている作品になっています。

 

この方も自分の「こだわり」があり、それが自分流に描ける段階まで来ています。

 

ここまで来ると、描くのが楽しくなり次は何を描こうかと「題材さがし」のおもしろさにも目が行くのではないでしょうか。

 

何かをきっかけに「人」は描き方を理解し、自分で開発できるようになります。

 

「絵が苦手だ」という先入観のある方は、こうした方式をやってみると思いあけないところで、その「きっかけ」を見つけることができます。

 

この展覧会は12日(日)まで開催しています。

 

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「岩国絵画クラブ」展・・大作から

2011-06-02 07:17:27 | 「美術展」

今、岩国市にある「シンフォニア岩国」で「岩国絵画クラブ」展を開催しています。

 

約80点の作品が会場に並べられ、日頃の会員の皆さんの絵画に対する真摯な努力が会場を覆いつくしています。

毎年、「能の世界」を描いているこの方は、堂々とした演技者の姿勢に魅せられ、正面から描いている作品が多いように思えます。

 

「能面」で隠された表情の世界を、私たちはイメージでとらえるしかありません。

 

しかし、「きらびやかないでたち」とは裏腹に、能面の下では演技者のたゆまない「演技のみがき」に対しての視点に、この方のねらいがあるのではないかと想像します。

 

一つ一つを丁寧に描写しているその姿は、どこか「能の世界」へ通じるところがあるように思えてなりません。

 

丁寧に描かれている作品だけに、こちらに伝わる迫力が大きなものとなっているように思えます。

この方はいつも「廃船」を描く方ですが、今年は視点を変え「置き去りにされた自転車」を描いています。

 

「廃船」にしても、この「捨てられた自転車」にしても、作者の目は「滅び行くもの」への視点になっています。

 

そうしたものを表現しながら「見る人」に「どのように感じるか」、疑問符を投げかけているような感じがします。

 

かなり「哲学」めいた題材を好んで描かれるこの方は、常に「時間とともに朽ちていくもの」を我々に「メッセージ」として投げかけているように思えてなリません。

以前描かれた作品がこの「廃船」で、同じようなテーマを追求しているように見えますが、そこに微妙な「心の変化」があるようにも見えます。

とても華やかな作品になっているこの方も、以前は「朽ちた時計」のようなものを描いていましたが、最近ではこうした「明るい世界」を描くようになりました。

 

何かの「きっかけ」があり、それから「画風」がからりと変わることはよくあることで、その「心境の変化」がとても顕著にでている作品になっています。

 

「外国」に行った思い出でしょうか、そこにはとても「開放的な雰囲気」が出ていて、我々が持つ「憧れの世界」がとてもよく出ているように思えます。

私は、この作品がとても気になりその理由を考えましたが、私なりに気づいたことは「平和な日常」という感覚です。

 

どこにでもある景観ですが、そのなかに漂う空気のようなものが、とてもあたたかく平和的に見えるのはどうしてでしょうか。

 

何気ない「日常の生活」の中のひとコマが、とても「幸せ」を含んでいて、この方の精神的な落ち着きを感じざるを得ません。

 

船の上で作業しているところも「日常の姿」であり、そこには特別なものは決して見れません。

 

しかし、「心」がとても落ち着いてくるのは、逆にそうした「無駄な力」を抜いて描いているからかも知れません。

 

絵を見ていると、その作者の視点が自分なりにイメージでき、とても楽しいものになります。

 

この展覧会は5日(日)まで行われています。

 

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