生来、お祭りが好きなのかも知れない。
先日、燕市分水の花魁道中を見物に行ってきた。
大した事はないだろうとタカをくくって行ったのだが何と分水太夫の艶やかさにヤラレてしまった!!
大正時代の仮装行列が発端だという花魁道中
うーんこんな田舎に(失礼)遊郭がある訳はない。日々の暮らしに誠実な人々の中に、それは無関係だ。でも花魁道中を企画し、存続させるなんて、分水の方々もたいしたものだ。
毎年花魁の募集があり、その中から5人が選ばれる。
全くの素人が短期間で花魁になるのだから、相当厳しいお稽古があるらしい(蜷川さんも真っ青!)
それに加えて30キロもある衣装、大きなカツラが頭に肩にのしかかる
それにたぶん、今までこんなに大勢の人達に見られた事がないだろう、そこから来る不安感。
歩きにくい履物で練り歩くのは相当の体力、気力が要る。リタイヤする太夫がいても無理はない。
しかし、その中で一人、毅然とした太夫がいた
瞬きもせず、しっかり前を見つめ姿勢も真っ直ぐで彼女の周りだけ遊郭の風が吹いているような太夫がいたのだ!
よっ!分水太夫!!
厚いお化粧の下には「私は花魁よ!」という意志がはっきりと見える。身体が柔らかいのか、歩き方が色っぽい。何メートルか歩くと演奏曲目が変わり、立ち止まって八の字歩きを披露するのだがこれが又セクシー「さっきまでお稽古してました」ではなく、「これが花魁よ、きれいでしょう!私を買えるものなら買ってみなさいよ!貴方の度胸買います!どうだー!」って身体で言ってる。驚いた事にうまくできた時は一人でうっすらと笑みをうかべるのだ。もう、私はすっかり彼女の虜になってしまった。素人さんですかね、この方!
私には大女優にしか見えず、気がついたら何度も見たくてオッカケてしまっていた。
彼女は花魁が何なのか、知っている。それを身体で表現している。素晴らしかった。
「女性」を武器にした凛とした強さ、美しさ。こんな人にチラとでも見つめられたらどんな男性も落ちてしまうんだろうな