あるコリア系日本人の徒然草

反日・嫌韓が言われて久しいですが、朝鮮民族として、また日本人として、ありのままの感情を吐露していこうと思います。

日本とドイツの戦後(謝罪と賠償) 其の弐

2005年03月08日 | メインのお話
昨日の「日本とドイツの戦後(謝罪と賠償) 其の壱」の続きです。今日は「ドイツの戦後賠償・補償」を中心にお話しようと思います。本題に入る前に、日本ドイツ以外の枢軸国(イタリア・フィンランド・ハンガリーなど)の戦後賠償について、簡潔に述べさせていただきます。(前回のお話はこちら

早期に休戦・降伏したヨーロッパ枢軸諸国(ドイツ以外)は、1947年のパリ講和条約によってその賠償額が決定されました。いずれも大戦中の直接の交戦相手国に対する損害賠償の支払いということになっており、ソ連を除く多くの連合国が賠償請求権を放棄しました。それでは、本題のドイツについてお話します。


(2) ドイツの戦後賠償・補償

ドイツの場合、日本を含む他の枢軸国と異なり、講和条約を締結していません。主な理由としては、日本と異なり東西に分断されたことが挙げられます。従って、日本のような明確な国家賠償を行うことが困難であり、戦後処理の形態として個人補償が中心になりました。ドイツの補償方法は非常に複雑で多岐にわたるため、まず国家賠償と個人補償とを分けて考えたいと思います。(かなり長くなりますが、我慢してお読み下さい)


<国家賠償>

日本の場合と同様、戦後(米英仏ソを中心とする)占領軍は、莫大な在外資産の没収、在内資産の接収などを行いました。ドイツは日本と異なり、(満州台湾朝鮮などの)植民地はそれほど持っていませんでしたが、広範囲にわたるドイツ固有の領土を喪失しました(主にポーランド・チェコスロバキアに吸収)。従って、在外資産の没収はやはり相当な金額にのぼるようです。また在内資産においては、ドイツは良質な石炭・鉄鋼の産出国であり、これらの鉱山の接収だけでも莫大なようです。もちろん、その他日本と同様に、機械・車両・生産設備などすべて接収されています。

1955年、西欧諸国と西ドイツとの間でロンドン債務協定が締結されます。この協定において、戦前戦後ドイツの負債借款の清算に関する取り決めが行われましたが、戦争に起因する賠償・請求権問題は、ドイツ統一後の講和条約において取り決められることとなりました。一方東ドイツにおいては、1953年、ソ連を中心とする東側陣営諸国が、東ドイツに対して賠償請求権を放棄しました。

さて年月を経て、1990年9月、東西ドイツと旧連合4ヶ国の間で「最終規定条約」、いわゆる「2プラス4条約」が締結されました。この条約において旧連合4ヶ国は、ドイツに対するすべての権利と責任を最終的に消滅しました。これによって、ドイツ政府は「賠償問題は決着済み」としていますが、異論を唱える人もいるようです。まず、この条約では賠償請求権について言及していないことが挙げられます。次に、たとえこの条約において賠償問題が決着済みだとしても、それは米英仏ソの旧連合4ヶ国のみに対してであって、その他オランダ・ギリシャなどとはまだ決着していないことが挙げられます。実際、現在においても見解は分かれているようで、最終決着はついていません。


<個人補償>

個人補償の方法は大まかに3種類に分類されますが、いずれもナチスドイツ第三帝国による被害者救済のものです。その3種類とは、a) 国内法による補償、b) 国際協定による補償(国家賠償ではない)、c) 民間企業による強制労働者に対する補償、です。東ドイツにおける個人補償については全く分からないので、ここでは西ドイツ・統一ドイツにおける個人補償を見ていこうと思います。

a) 国内法による補償

国内法の中で最大規模のものは「連邦補償法」であり、ナチス迫害犠牲者を対象として1953年に制定されました。当初は、ナチス迫害により生命、身体、健康、自由、所有物、財産、職業上経済上の不利益を被ったものに対する補償、と定義づけられていました。これとは別に1957年、「連邦返済法」が制定され、ナチスによって没収されたユダヤ人財産に関しては、別途返済ないし損害賠償を行うことが取り決められました。すなわち、ユダヤ人財産に関しては、他のドイツ人財産よりも優先的に返済・賠償が行われたようです。

時代を下って1980年代に入ると、連邦補償法の対象者が大幅に拡大され、それまでは対象になり得なかったジプシー、同性愛者、兵役忌避者、脱走兵、反社会分子などにも補償が行われるようになりました。また、一連の連邦政府による補償とは別に、各州においても独自の補償措置が取られているようです。(何を対象にしているのか、私には分かりません)

これら国内法には「居住地条項」が存在し、その対象者となり得る人民は、(1)法律制定時に西ドイツに居住している人、(2)ナチス時代に、法律制定時の西ドイツ領内に居住していた人、(3)ナチス時代に、第三帝国領内に居住しており、法律制定後西ドイツ領内に居住地を移した人、です。逆にいえば、ナチス時代に第三帝国領内に居住していても、その地域が戦後チェコやポーランドに割譲された地域であれば、対象者にならないということです。この場合には上の(3)に従って、法律制定後居住地を西ドイツ領内に移さなければいけません。もしくは、次に挙げる国際協定による補償対象者となります。もっともこの「居住地条項」にもかかわらず、(連邦補償法の場合)給付先の8割が外国人になっているようです。

b) 国際協定による補償

まず最初に挙げられるのが、1952年イスラエルとの間で締結されたルクセンブルク協定です。この協定において、イスラエルに居住するナチス迫害犠牲者にまず保証金が支給されました。また、他地域のユダヤ人に対しては、対ドイツ物的請求ユダヤ人会議を通じて補償が約束されました。この協定には、西ドイツ国内でも非常に反発が強かったようです。理由は、イスラエルに居住するユダヤ人に対する補償が優先され、イスラエルに対する国家賠償のような意味合いをもっていたからです。もちろん、戦争中はイスラエルという国家すらなかったのですから、国家賠償などあり得るはずもなく、「補償」という形式をとったと思われます。

この協定締結後、フランスを初めとする西側12ヶ国と、ナチスの不法行為に対する包括補償協定を締結します。この場合の不法行為とは、大枠において、上記の国内法の対象行為と同等のものだと考えられます(レジスタンス運動弾圧も含まれる)。また1970年代になると、ポーランド・チェコスロバキアなど東欧4ヶ国との間で、強制収容所での(主に)生体実験に対する補償協定を締結します。この補償協定の代わりに、西ドイツはこれら東欧4ヶ国に国家賠償請求を放棄させました。

さらに、この東欧諸国との協定により、(ドイツ国内の非常に強い反発にもかかわらず)ドイツ東側国境が正式に確定し、領土問題に終止符を打ちました。もっともこの旧ドイツ帝国領における財産請求をめぐって、現在いろいろな問題が生じているようです。(このことについては、次回お話します)

ドイツ統一後、東欧諸国の(強制収容所への)強制連行労働者のための財団が設立されました。これら財団による基金により、上記の補償協定の恩恵に預かれなかった強制連行労働者も、補償を受けられるようになります。またソ連崩壊後、独立したそれぞれの国々(ロシア・ウクライナなど)とも独自に補償協定を締結しています。

c) 民間企業による強制労働者に対する補償

この補償がもっとも理解しにくい部分です。戦時中、東欧諸国から民間人や戦争捕虜を別の地域に移送して、強制労働につかせました。この場合の雇用主は企業であり、上記の強制収容所とは全く異なります。ドイツ政府は、「強制連行労働はナチス迫害ではなく、戦争に伴う一般的現象である」との立場を取っています。そのため、少し前まで、「法的義務ではなく人道上の措置」として、各企業の自由意志に補償を任せていました。

ところが1999年米国カリフォルニア州にて、大戦中にドイツ・日本などの企業により強制労働させられたすべての人とその遺族が米国で裁判を起こせるとの州法を公布します。この州法に基づき、元強制労働者を中心に集団訴訟・一括訴訟が行われ、世界ユダヤ人会議を中心に不買運動が起こります(日本企業に対しても訴訟が行われています)。

このことに危機感を抱いたドイツ企業は政府とともに基金財団を設立し、「国家社会主義の犠牲者に対する政治的、道徳的責任」から、まだ生存している「強制労働者」に対して補償を行うことを決定しました。


以上で、ドイツの戦後賠償・補償の説明は終わりです。最後に付録として、軍人・軍属に対する補償として、援護法について見てみます。

<付録:援護法>

ドイツには、「戦争公務、平時の軍務、準軍事業務による損傷及び直接的戦争影響による民間人の損傷に対する援護をひとつの法律に一括したもの」として連邦援護法が存在します。対象者は、「ドイツ人及びドイツ民族に属するもの」の他、「その損傷とドイツ国防軍下の職務もしくはドイツの機関のための準軍事的業務との因果関係が存在し、かつそのものが居所または通常の滞在地を連邦領域に有する」外国人が適用となります。すなわち、外国人に対しては、上述した連邦補償法の「居住地条項」のようなものが、適用されています。

ここで援護法について簡単に記述したのは、旧日本軍所属の(植民地出身者で現在日本在住の)軍人・軍属に対する補償問題と絡むからです。この問題も含めて、次回以降「賠償・補償問題における日独比較論」でいろいろと考察してみたいと思います。

今日はここまで。それでは次回お楽しみに。

中国「反国家分裂法案」全容明らかに

2005年03月08日 | その他日々雑談
僕はあまり時事ネタは取り上げないのですが、台湾に関しては思い入れが強いので、今回この記事を取り上げさせてもらいます。(僕のBlogはむしろ韓国ウォッチャーが多いと思うのですが、台湾問題にも付き合ってください)

中華人民共和国の、台湾独立阻止と平和統一を目的にした「反国家分裂法案」の主な内容が、第10期全国人民代表大会(全人代)にて明らかになりました。この法案の最大の特徴は、最後の手段として「非平和的方式やその他の必要な措置を行使する必要がある」と明記されていることです。分かりやすく言えば、「中国統一のため、台湾に対して武力行使をする」ということです。海外メディアも軒並みトップ記事です。下にリンクを貼り付けておきます。

「台湾独立」には武力行使=非平和的方式で法的根拠-反国家分裂法案説明・全人代(時事通信)
「反国家分裂法」草案:「非平和的方法」は最終手段(人民網日本語版)
Beijing lays down law over Taiwan (CNN)
China unveils controversial law (BBC)
China gegen Taiwan "Blankoscheck für die Armee" (Sueddeutsche Zeitung)

このような時期にEUも、中国に対する武器輸出解禁は絶対にやめてほしいものです。台湾が共産党政府に弾圧され非民主主義体制になるのは、絶対に見たくありません。日本政府もEUに、もっと強く武器輸出禁止続行を要求すべきです。

日本とドイツの戦後(謝罪と賠償) 其の壱

2005年03月07日 | メインのお話
日本ドイツともに、戦後60年が経過しているにもかかわらず、なかなか簡単に戦後から決別させてもらえないようです。日本では保守派・革新派問わず、ドイツは戦後から決別できたと考えているようですが、私の見るところ、それほど日本と大差あるとは思えません。最初に、私自身の考え方をはっきりさせておきたいと思います。

)両国ともこれ以上謝罪を行う必要はない
)過去の戦争犯罪を恥と思い、戦前の継承国家として責任を感じる必要はあり
)両国とも賠償を行う必要はない
)個人補償に関しては(場合によって)考慮の余地あり(?)

これらの考え方に至る理由を述べるために、日本とドイツの戦後処理について、「謝罪と賠償」を中心に比較してみたいと思います。このお話はとても長くなるため、「日本の戦後賠償・補償」「ドイツの戦後賠償・補償」「日本の謝罪」「ドイツの謝罪」と数日に分けて書いていこうと思います。

(1) 日本の戦後賠償・補償

大まかな国家賠償・補償法については、1952年のサンフランシスコ講和条約に始まります。この講和条約により日本の賠償義務が承認され、賠償額などは日本に占領されたアジア諸国と日本との個別協定に委ねられます。それ以外の連合国は賠償請求権は放棄したものの、(主に中国における)在外資産の没収、(GHQ占領下の日本における)資産の接収、(オランダに対する)抑留者の個人補償などが行われました。

アジア諸国の個別協定についてですが、フィリピンとの1956年の賠償協定、インドネシアとの1958年の賠償協定などが典型的な例です。これらの協定によって、日本は賠償を支払い相手国は各種請求権(個人補償を含む)を放棄するという形で決着しています。

大韓民国については、これら東南アジア諸国と違い、日本の植民地(もしくは大日本帝国の一部)であったため、賠償協定ではなく経済協力協定を1965年に日韓基本条約とともに結びます。この協定によって、日本側が経済協力をするかわりに、韓国側は各種請求権(個人補償を含む)を放棄し、過去は「完全かつ最終的に解決」されました。

この条約・協定締結に至るまでは様々な紆余曲折があったようです。まず、日本側はあくまで経済協力形式にこだわり、韓国側は賠償形式にこだわりました。この認識の違いは、日韓併合を合法と見るか違法と見るか、との姿勢に現れています。ちなみに、海外においてはどちらの説も唱えられています。

私としては、当時の世界の帝国主義がいわゆる恐喝外交であったため、合法違法を現在において判断すること自体、無理があると思います。満州進攻の場合と異なり、日韓併合に関しては(例えロビー活動があろうと)国際連盟において非難されていません。ということは、少なくとも違法とは断言できない(言い換えれば、当時認められていた)と思います。

次にこの認識の違いから、当初日本側も(財産などの)請求権を韓国側に行使しようと考えていました。韓国側は認識の違いによりこの要求を一蹴し、交渉は決裂します。しかし、自由主義陣営の結束が大切だと考えたアメリカ合衆国の意向により、独立のお祝い金として日本側は請求権の行使をあきらめ、交渉が進むことになります。

日本側は当初、「韓国とは戦争しておらず日本の一部であった」との認識のもと、国家協力金ではなく、徴兵・徴用被害者などに対する個人補償を考えていたようです。しかし、軍事政権下の韓国側が経済発展を優先させたいとの意向のもと、一括して国家が受け取ることになりました。日本側は、将来韓国民から不満が出るのでは、と危惧したようです。

さらに韓国側は、「半島唯一の合法政府である」との認識のもと、北韓に対する協力金も要求しました。しかし北朝鮮との将来の国交回復を考えた日本側は、その要求を却下しました。もっとも北朝鮮とは現在も国交回復されておらず、このような具体的な(経済協力・請求権に関する)協定締結は、まだまだ先のことになりそうです。

このように見てくると、賠償・補償問題に関する限り、日韓の間ではすべて解決済みだと思われます。ではなぜ、先日のノ・ムヒョン韓国大統領の「謝罪・賠償」発言があったのでしょうか?また領土問題(竹島問題)についてあれほど強硬なんでしょうか?次回「ドイツの戦後賠償・補償」をお話した後、私に想像できる範囲で説明したいと思います(あくまで想像なので、あしからず)。

最後に中華人民共和国については、1972年の日中共同声明(条約ではない)にて、中国は賠償請求を放棄しました。ただし日本は(主に中国領内の)在外資産を没収されているため、実質上の賠償になっていると考えられています。また、その後のODA援助なども実質上の賠償と考えられています。

それにも関わらず、中国との間においても補償問題がくすぶっています。その理由のひとつとして、他のアジア諸国と異なり、中国とは確固たる条約・協定を結んでいないことが挙げられます。中国はれっきとした連合国の一員で戦勝国であり、他の戦勝国と同様、国家賠償を放棄する代わりに莫大な在外資産を手に入れました。しかしオランダに対しても見られるように、戦勝国に対しては接収資産と個人補償は別問題になり得るようです。(これを盾に最近、アメリカ・イギリスなどの捕虜が、本国からの補償とは別に日本に補償を要求する動きがあります)

以上のことから、戦争賠償・補償に関する明確な協定を、日中間で締結する必要があると思われます。その協定の中で、ODAに対する認識や個人補償の必要性の有無を話し合わなければ、今後も補償裁判は増える一方であり、いつまでも日中間で燻り続けると思います。

今日はここまでです。次回は、「ドイツの戦後賠償・補償」についてお話しした後に、日本の場合と比較してみる予定です。

追記(Mar. 9th):
中華民国(台湾)とは、1952年に日華平和条約を締結しています(日中共同声明にてこの条約は終了)。この条約はサンフランシスコ講和条約を原則としており、中華民国は賠償請求権を放棄しました。もっとも、(他の連合国と同様)接収資産・在外資産などが事実上の国家賠償となっており、それをもとに抑留者に対する補償を行ったようです。ちなみに、他の連合国の抑留者(イギリス人・オーストラリア人など)に関しても、同様の形式の補償がなされています(基本的にサンフランシスコ講和条約による)。

追記(Mar. 10th):
ソヴィエト社会主義共和国連邦とは、1956年に日ソ共同宣言を批准し、(国家・国民すべての)賠償請求権を相互に放棄しています。また、この共同宣言にて、シベリア抑留者などが解放されることになりました。

"Ally McBeal" 面白かったお話 その2

2005年03月04日 | 趣味・仕事など
コメントの返事書くのに疲れたー。ということで、またまた軽いお話を。軽い話と言えば、アリーに限ります。今日は前半編の続きで、Season 3について印象に残ってる話を書き出してみます。

1) Allyがガソリンスタンドの兄ちゃんと、思わず洗車場でエッチしてしまったシーン
2) この兄ちゃんには実は婚約者がいて、その調停最中にも事務所でエッチしてしまったシーン
3) JohnとRichardが、ナイスバディな姉ちゃんと泥んこレスリングするシーン
3) LingがRichardに指なめ、髪なでをしてあげるシーン
4) Johnが勘違いして、エッチする前にNelleにスパンキングするシーン
5) Johnがエレベーターにはさまれている時に、Nelleに捨てられるシーン
6) Billyが髪をブリーチするシーン
7) GeorgiaがAllyのパパとキスするシーン
8) AllyがBillyとついにキスしてしまうシーン
9) Billyが脳腫瘍で死んでしまうシーン

Season 3はかなりおもしろくて、まだまだありそうなんですが、とりあえずこんな感じでしょうかね。それにしても、エッチ関係ばっかりですね。次回はSeason 4について取り上げます。

コメントについて

2005年03月03日 | その他日々雑談
ここしばらく、僕のエントリに対して多くのコメントを頂いております。基本的にコメントを下さった方には、必ず僕の意見を返すようにしています。このスタイルはずっと維持していきたいと思っております。また、どんな意見でも冷静に書かれている限り、大歓迎です。長いコメントでも、僕は一向に差し支えません。ただ、コメントの返事が多い時は、新しいエントリを挙げることはできませんので、御了承を。

僕はしょっちゅう「論理的になれ」と言っているのですが、スタートレックに出てくるバルカン人みたいな気分です。バルカン人は、「感情的」な判断を下す地球人に対して、「それは論理的な帰結ではない」といつも指摘しています。テレビで見ていると、「なんちゅう面白みのない星人や」とつっこみを入れたくなるんですが、議論中の僕ってそんな感じなんかな?

うんざり。

2005年03月01日 | その他日々雑談
帰ってきたらノ・ムヒョン韓国大統領の「謝罪・賠償」発言が出ていた。三・一独立宣言にちなんでの韓国民へのパフォーマンスなのかもしれないが、いい加減うんざりである。これでますます日本国民の嫌韓度が強まるだろう。自分がそれに(アリのように)抵抗しているようで、強い脱力感にさいなまれる。ちなみに日本は韓国に対して「謝罪・賠償」はする必要が無い、というのが私のスタンスである。もっとも中国に対しては、場合によっては個人補償をする必要があるかもしれない、とは思っているが。今日はコメントへの返事だけで手一杯になりそうなので、この「謝罪」「賠償」「責任」「恥」という概念を、ドイツ・日本の戦後処理を比較しながら、明日か明後日にも述べていこうと思う。

それにしても、自分が無力の存在である。

コリアと友好を築く意義

2005年02月28日 | メインのお話
以前、「なぜ日本は朝鮮半島にこれほど恨まれるのか?」を書いたところ、いろいろなご意見を頂き、大変参考になりました。この中で私は、≪「異民族による征服」を味わった朝鮮民族への(謝罪・反省ではなく)シンパシーを、日本人のマナーとして感じればよいのではないか≫と書いたのですが、このシンパシーに対して予想以上の反発があったことに、一人のコリア系日本人として強い驚きを感じました。もっともその反発も、ほとんどの方が冷静にコメントを書いておられたのを見て、大変安心いたしました。また、中には私の意見に同調される方もいらっしゃって、嬉しく思いました。

私としてはごくごく単純に、「相手がその他の歴史事実を捻じ曲げようと、征服したことは事実なんだから、なぜそのことにシンパシー(同情・共感・哀れみといった意味)を感じられないのか?」という気持ちでした。それに対する「嫌韓度」の強い方々の意見は、「相手の歴史事実の歪曲度・謝罪要求・反日度があまりにひどく、もはや我々の限度を超えているため、シンパシーを感じることはできない」というものでした。私と嫌韓の人々の間にも、これだけの隔たりがあるわけですから、嫌韓日本人と反日韓国人が理解しあうのはまず無理なことのように思えます。

そのような嫌韓日本人の一人の方が、次のようなコメントを残しておられました。

「感情論を押し付けてくる反日韓国(朝鮮)人(在日を含む)に対し、シンパシーを抱きつつ、理論的に諭す努力をしてまで、彼らと理解しあったり友好を築くことに何の意味があるのか」

興味深いコメントであったので、私なりの考えをここで述べさせていただきます。


(1) 在日と友好を築く意義

まず、韓国人・北朝鮮人・在日について明確に分けて考える必要があります。在日に対しては現に日本に住んでおり、「在日とは、どういう外国人か? (歴史とからめて)」「在日とは、どういう外国人か? (国籍取得条件とからめて)」でも述べたように、本来なら国籍選択権を無条件に与えられた存在だと考えております。従って、お互いに共同体を形成しているものとして、理解・友好を築く必要があるのではないでしょうか。

もちろん、反日日本人(典型例が田嶋陽子さん)がいるように、反日在日(典型例がシン・スゴさん)も存在します。私はややリベラルの人間ですが、そのような方々が嫌いです。リベラルというのは、何も自分の国を嫌うことでもないし、そもそも彼女たちの発言が下品だからです。従って、そのような日本人・在日と別に個人レベルで友好を築く必要は全くありません。もっとも問題となる考え方は、個を見て全体を判断することです。シン・スゴさんを見て「在日は反日だ」と決め付けるのは、田嶋陽子さんを見て「日本人は反日だ」と決め付けるのと同じくらい、馬鹿げたことでしょう。

私は(帰化していない人も含め)在日の友達が結構いますが、(少なくとも三世は)ほとんどの方が今住んでいる日本のことを愛しています。帰化しない理由は何も反日だからではなく、かろうじて残っている朝鮮半島とのコネクション(国籍のこと)が、帰化によって完全に消えてしまうのを悲しく思うからでしょう。もちろん、こういったことも理解した上で私は帰化を勧めているのですが、そのことについては今まで何度も話してきたので、ここでは触れません。


(2) 韓国と友好を築く意義

さて、韓国人・北朝鮮人についてですが、「友好」の定義によって答えが変わってきます。「コリア系日本人からの視点」でも述べましたが、国家間における友好であれば、韓国は明確な日本の友好国であり、すでに友好関係は築かれています。逆に北朝鮮は非友好国なので、このようなことを話す土台にも立っていません。

国家間で韓国と友好関係を結ばなければいけない理由は、自由主義陣営に属するもの同士、安全保障の概念から陽の目を見るより明らかです。Classicalな冷戦は終わったとはいえ、極東においてはまだまだ冷戦が続いているのが現実です。ある意味、日本韓国ともに、反日・嫌韓など言っている暇はないでしょう。なぜなら、国家の安全保障の方が、そのような個人的感情に優先するからです。

民間レベルにおいては、いきり立った反日韓国人は無視すればいいと思います。しかし、少なくとも半数は反日でも親日でもないのですから、そのような人々と友好を結ぶことは不可能なことでないでしょう。その時に「朝鮮半島を征服した事実」について何らシンパシーを抱かず、むしろ嫌韓感情を前面に出して話しても、相手を反日に追いやるだけで何の得も無いでしょう。少なくとも、シンパシーを抱くことで相手がより親日になれば、それに勝る友好は無いわけで、ひいては隣国同士の同盟関係がより強固になると考えています。


(3) 北朝鮮と友好を築く意義

「コリア系日本人からの視点」でも述べましたが、現金正日北朝鮮政府と友好を結ぶ意義を、僕は認めていません。したがって、これについては割愛させていただきます。もっともこれに関しては、僕の個人的意見なので、あしからず。

上記のことで、皆さんにもいろいろと意見があろうと思われますので、その時はコメントを残してください。ただもし可能であるならば、コメントを頂く前に、本文中のリンクした話を(コメント欄における議論も)読んで頂けると、議論がより効率的になって望ましいと思われます。

"Ally McBeal" 面白かったお話 その1

2005年02月27日 | 趣味・仕事など
最近硬くて長い話ばかりだったので、今日は軽くて短いお話を。"Ally McBeal"の印象に残ってるシーンを書き出してみます。まずはSeason 1 & 2について。

1) Dancing Babyが初めてAllyの前に出てきたシーン
2) AllyとGeorgiaがキックボクシングで本気モードになって、両方ノックアウトしたシーン
3) GeorgiaとBillyがマンネリ解消のため、事務所のトイレでエッチし始めたシーン
4) Nelleが初めて髪をおろして、ゴージャスな金髪を御披露したシーン
5) Nelleがスチュワーデスの格好で事務所に登場したシーン
6) Georgiaが髪を切ってより綺麗になったシーン
7) Bally Whiteがゲストで出てきたシーン

こんな感じでしょうか。皆さんはどんなシーンが印象に残っているでしょうか?残りのSeasonについては、また次回。

コリア系日本人からの視点

2005年02月26日 | メインのお話
リクエストのコーナーにて、以下の質問に答えて欲しいとの要望がありました。

(1) 在日の人からの、韓国・北朝鮮観。また、在日観
(2) 現在の日本政府の対韓国・北朝鮮への姿勢についての意見
(3) 日本・韓国・北朝鮮以外で、どこの国が好きですか?
(4) 日本と韓国・北朝鮮の考え方の違いをふまえて、友好関係を結ぶことは可能だと思いますか?
(5) 本国(韓国・北朝鮮)の方と交流はありますか?あったとしたらカルチャーショックを感じたこと

一概に在日といっても、在日韓国人、在日朝鮮人、一世から三世(最近では四世も)、僕のような帰化した人間などさまざまおり、それぞれの価値観はばらばらだと思います。そこで、僕の意見に特化して答えていこうと思います。


(1) まず北朝鮮ですが、嫌いです。理由は、僕が軍事独裁・社会主義ともに嫌いだからです。韓国については、嫌いではないですが特に好きでもないです。嫌いでない理由は、民主主義国家であること、好きではない理由は、民族主義が強すぎて、その裏返しとして反日が愛国であるような勘違いをしていることです。ただし、自分のルーツである朝鮮民族として、強い愛着はあります。そういった意味で、朝鮮半島が(遠い)将来統一して、真の民主主義国家が成立することを、心から願っています。

在日に対してですが、少なくとも三世は日本国籍を取得して欲しいと思います。一世は生まれた場所が違うので、国籍を捨てるのにためらいがあるのは理解します。二世は、在日への制度的・社会的差別が色濃く残っていた時代に青春期を過ごしているため、意地になって日本国籍を取得しない人がいるのも理解できます。ただし三世は違います。僕は、このことを強く言いたいです。親のわだかまりを子供が引き継ぐな、と。以前、戦後の在日の国籍について、「在日とは、どういう外国人か? (歴史とからめて)」「在日とは、どういう外国人か? (国籍取得条件とからめて)」で詳しくお話したように、日本政府もできる限り早急に、国籍選択権を無条件に与えて欲しいと思っています。そうして日本国籍を選択する在日は、僕のように誇りを持ってコリア系日本人として生きていって欲しいと思います。

ちょっと話が在日観とずれましたが、現在の在日全般に対する僕の個人的感情は、一般の日本人の方よりもはるかに同胞意識が強いです。ちなみに僕のこの同胞意識は、韓国人・朝鮮人にはあまり感じません。つまり、在日に対しては韓国人・朝鮮人としてではなく、日本におけるマイノリティの「朝鮮民族」といった感情ですかね。だからこそ、朝鮮民族を愛すると同時に日本国を愛する僕としては、すべての同胞が早くコリア系日本人として生きていって欲しい、と思うわけです。ちなみに、僕の同胞意識の強い順は、

コリア系日本人もしくは在日コリアン=関西系日本人(関西人)≧その他の日本人全般>(日本語の話せる)日系外国人>(日本語の話せない)日系外国人≧(日本語の話せない)コリア系外国人全般

ですかね。これ以外にはたぶん同胞意識は感じないと思います。


(2) まず北朝鮮への対応について。明らかに間違っていると思っています。在日朝鮮人の方にとっては家族が人質同然であり、送金停止などに深い憂慮を示されるのは、とても理解できますし、本当に胸の痛むことです。それでも誤解を恐れずに言うならば、日本国としてはあの国の体制崩壊を目指すべきです。別にイデオロギー云々の話ではなく、あれだけ人民が奴隷のように搾取されており、人道的見地からも、あの体制を絶対的に破壊する必要があります。そうすれば、自然に人質は解放されます。もちろん、その崩壊の過程で一部の方は殺されるかもしれません。またとんでもない目に会うかもしれません。しかし今のままだと、もっと多くの方が不幸な目に会うと思います。日本人拉致家族の方がそれを望んでいるのも、同じ考えだからでしょう。

具体的には、経済制裁はあたりまえのこと、とにかくアメリカに日本の方から積極的に圧力をかけて(イラクでは貸しを作っているのだから)、日本人拉致はテロだという認識のもとに、大量破壊兵器保有を大義名分として安保理決議を掛けさせるべきだと思います。まあ、中国をいかにうまく抱き込むか、が焦点になると思いますが、それについてはここでは述べません。とにかく、北朝鮮の体制を破壊し、将来的に韓国と統一できるように(現在の韓国の国力では無理)、周辺国家が国連のもとでしばらく統治するのがいいのではないでしょうか。その際に日本の戦後処理をすればいい(それこそ韓国における経済協力方式でも何でもいいが)。そして(遠い)将来、真の民主主義国家としての統一コリアが(「高麗」という名前でもなんでもいいから)成立して欲しいものです。

韓国への対応ですが、現小泉政権は比較的うまくやっているのではないでしょうか?特に強気だとも弱腰だとも思わないです。周辺国家では、韓国は唯一の民主主義・自由主義国家ですから。もっとも現ノ・ムヒョン政権の政策は、僕自身全く支持していません。


(3) 自分の海外生活から、最も好きな国はドイツです。あと同じくらい好きなのはオーストラリアで、引退後はオーストラリアと決めています。アメリカは複雑です。極端な個人主義が僕には合わないです。ドイツの好きな理由は、戦争中日本の同盟国だったこと、戦後日本と同様素晴らしい経済復興を遂げたこと、朝鮮半島と同様分断の悲劇を知っていること、過去の歴史とのつきあいかたがうまいこと、自分がもっとも暮らしやすい外国であったこと、などが挙げられます。逆にドイツの嫌な点は、飯がまずいことです。

歴史関係の話はこれまた複雑な話なので、後日改めてお話しますが、ひとつだけ。革新派の人がよく言う「ドイツは日本と違って真摯な謝罪をしている」というのは、間違っています。また逆に保守派の人がよく言う「ドイツはナチにすべての責任を押し付けて、自らは潔白のような顔をしている」というのも、間違っています。ドイツは謝罪・賠償・責任・恥という概念を明確に分けて話しています。このあたりが日本の下手なところでしょうね。


(4) 友好関係というあいまいな言い方が少し問題ですが、少なくとも国家間においては、韓国は明確な日本の友好国です。つまり、すでに友好関係は築かれています。逆に北朝鮮は非友好国なので、このようなことを話す土台にも立っていません。民間においてということであれば、お互いの国において友好的な人もいれば非友好的な人もいるでしょう。もちろん、友好的な人を増やしたいとは思いますが、友好は押し付けられて育つものでもなく、僕は自然に構えていようと思います。

W杯共催や韓流に共感する人もいれば、逆に嫌悪感を抱く人もいるだろうし、それをお互いにどうのこうの言う方がおかしいと思います。朝鮮半島と日本列島の交流は、千年単位の歴史を持っているので、数十年単位の不幸な歴史でもってうんぬんする必要はないと思ってます。僕はもっと長いスパンで見ていこうと思ってます。僕がこのブログを始めた理由も、決して友好関係に役立ったら、と思っているわけではなく、間違った知識や感情に基づく「親近感や嫌悪感」がなくなり、皆が自然に構えれたらな、と思ったからです。


(5) 親戚で韓国の人がたくさんいるので(ちょっと前まで曾祖母がプサンで生きていた)、彼らが日本に遊びに来た時交流があります。特にカルチャーショックは無いですが、あえて言うなら、僕のようなコリア系日本人・在日と比べ、感情が豊かということぐらいですかね。特に僕が韓国語で日常会話ができると知ると、両親のいとこなど大喜びで僕を抱きしめてくれます。この感情が怒りのほうに行くと、すさまじいのかな、とも思ったりします。それが日本人の違和感につながるのかもしれませんね。

海外において仕事で接した韓国人に対しては、特に何も感じなかったです。冷静で知的なやつだったので、仕事上の討論も普通に激しくやりあいましたし、プライベートでも楽しくつきあいました。少なくとも同じアジア人ということで、ヨーロッパ人よりも親近感はわきます(米文化だし)。

カルチャーショックについてちょっと面白い話を。結婚式直前に、初めて両祖父母が僕の実家にそろった時のこと。僕の妻は普通の田舎出身の日本人なんですが、両祖父母が僕の結婚ということで感極まりまくって、皆がいっせいに韓国語で話し始めました。そして僕の妻を抱きしめまくるは、ほっぺにキスしまくるはで、すごかったです。僕と僕の父は韓国語ができるのですが、母は(コリア系にもかかわらず)全く理解できず、僕の妻もぽかんとしていました。何かとても喜んでくれている、というのはボディ・ランゲージで理解できたようですが。そのとき初めて、彼女は僕が朝鮮民族であることを肌で実感したようです。

The Political Compassの考察 (テストのバイアス)

2005年02月24日 | アンケート等
皆さんのコメントを見ていると、思ったよりも左寄りに点数(経済的社会的ともにマイナス点)がでていて、驚かれた方が多いように見受けられました。一方僕自身に関しては、Economic Left/Right: -2.50, Social Libertarian/Authoritarian: -2.46と予想と点数がほぼ一致していました(「自分の政治的傾向の数値化の結果」参照)。妻に関しても、ほぼ一致しています。それでは、このテストの特徴を考慮しながら、結果についての考察を述べたいと思います。(The Political Compassにおいて掲載されていたグラフを、上にまとめて引用しておきました。字が小さくて見づらいようでしたら、オリジナルの方をご覧ください。)

まず、このテストにおいての右派・左派というのは、あくまで市場経済について左右を述べているのであって、イデオロギーの左右ではありません。すなわち、横軸において右に行けば行くほど「自由主義経済万歳」に近づき、左に行けば行くほど「マルクス社会主義経済万歳」に近づきます。真ん中あたりは、社会民主主義でしょう。

自由主義経済万歳の典型例が、サッチャー元英首相やブッシュ米大統領です。分かりやすく言うと、福祉や医療など社会保障すら市場原理に任せ、政府の役割を出来る限り少なくしよう(小さな政府)というやつです。保護貿易も純粋な市場原理から外れるため、嫌がります。利点としては、すべての分野において競争原理が最大限に働くため、国家の高い経済成長が望めます。欠点は、福祉切り捨てなど、強者と弱者の差が広がり、貧富の差が増大します。ポイントで言えば、5点以上は明らかにこのカテゴリーに属すると思います。社会主義経済万歳については、あまり説明の必要はないと思います。

さて社会民主主義ですが、これには様々な程度があると思います。ヨーロッパの左派政権が目指すのも、この社会民主主義だと思われます。伝統的に彼らは福祉重視で「大きな政府」を作りますが、近年経済の競争力低下などから、かつてに比べずいぶん自由主義経済側にシフトしています。その結果ヨーロッパの左派政権は、大体真ん中から少し右に寄ったところに位置すると思います。また金融の自由化・郵便の自由化がなされていることも、大きいかもしれません。この典型例が、ドイツのシューレーダー首相、イギリスのブレア首相などです。ブレア首相はシューレーダー首相よりも右にシフトしていますが、これは英労働党がもはや英保守党とあまり変わらなくなってきているためでしょう。同様のことは米民主党にも当てはまります。ポイントで言えば、0~3点がこのカテゴリーでしょう。3~5点は、自由主義経済万歳とヨーロッパ型社会民主主義の境界だと思われます。

一方日本の場合ですが、近年小泉政権になってからは、かなり自由主義経済が根付くようになってきています。しかしそれでも伝統的な保護政策や、少なからぬ業界に見られる護送船団方式など、自由主義経済と相容れない一面を持っているように思われます。また、比較的社会保障が手厚いことや累進課税制度など、社会民主主義の要素を持ち合わせおり、結果としてヨーロッパの左派よりもさらに左に位置するように思われます。ポイントで言えば、-3~0点がこのカテゴリーでしょう。これよりも左は、もっと労働組合よりの政権かもしれません(韓国のノ・ムヒョン大統領など)。現小泉政権は、理想としては3点ぐらいになりたいのかもしれませんが、現実は(自民党の反対・国民の反対などにより)0点付近ではないでしょうか。こう考えると、僕も含め皆さんのEconomic Left/Rightがほぼこのカテゴリー内に収まっているのは、自然なことだと思います。

次に、縦軸の権威主義・リベラル度を見ていきたいと思います。この軸が、いわゆるイデオロギーの左右に近いのかもしれません。つまり権威主義度が高くなってポイントが上がれば上がるほど、まあ「右翼」ということになるんでしょう。ところが、確かに自分で右よりだと思われている方でも、このポイントがそれほど高く出ておらず、むしろリベラルに分類されているようです。これにはいろいろな理由が考えられますので、それを順に説明していきたいと思います。

(1) テストのすべての設問が、アメリカ人を基準にして作られていること。

特に5ページ目(宗教観)と6ページ目(セックス観)の答えにおいて、日本の権威主義の方でもリベラルに振れた可能性があります。日本における権威主義・リベラルの尺度に、こういった観点はあまりありません。仮にここで典型的なアメリカ人と日本人の答えを、僕のそれぞれの友達の経験から勝手に想像して書いてみます。

<典型的アメリカ人>
52)Disagree, 53)Agree, 54)Agree, 55)Disagree, 56)Agree, 57)Disagree, 58)Disagree, 59)Disagree, 60)Disagree, 61)Disagree, 62)Agree
<典型的日本人>
52)Disagree, 53)Disagree, 54)Disagree, 55)Disagree, 56)Disagree, 57)Disagree, 58)Agree, 59)Agree, 60)Agree, 61)Disagree, 62)Disagree
<僕:pontaka>
52)Strongly Disagree, 53)Disagree, 54)Disagree, 55)Disagree, 56)Disagree, 57)Disagree, 58)Disagree, 59)Agree, 60)Disagree, 61)Disagree, 62)Agree

51)までの答えが僕の答えと同じならば、<典型的アメリカ人>の場合、Economic Left/Right: -1.50, Social Libertarian/Authoritarian: -1.69 となります。一方<典型的日本人>の場合、Economic Left/Right: -2.50, Social Libertarian/Authoritarian: -3.18 となります。つまり、この宗教観とセックス観だけで、典型的アメリカ人は典型的日本人より、経済ポイントが1.0高く、社会ポイントが1.5高いわけです。ちなみに僕の場合、宗教観に関しては、宗教そのものをまやかしと考えているので、ここではポイントを落とし、セックス観に関しては、結婚後の不倫を一切認めず条例か何かで禁止すべきだ(離婚は問題ないし、結婚前のセックスも何ら問題ない)と考えているため、そこでは少しポイントを稼いだようです。

(2) 移民がらみの設問がない。

ヨーロッパなどの極右(ファシズム)政党の大きな特徴として、移民排斥が挙げられます。ところが、このテストにおいて移民がらみの設問は、37)の「第一世代の移民は新しい国に完全には溶け込めない」一つしかなく、それもかなり中途半端な設問になっています。これは、アメリカが建国以来(ネイティブアメリカン以外はすべて)移民の国であり、また国籍付与も生地主義を取っているため、移民排斥に関する設問を思いつかなかったのかも知れません。僕は次のような設問が必要だったと思います。

「移民の子孫に対しては、文化摩擦や治安維持の観点から、その永住国の国籍を無条件に与えるべきではない。」
「難民受け入れは治安が悪くなるため、できる限り拒否した方がよい。」

この2つの設問に「強く同意」すれば、かなりポイントが上がったかもしれません。逆にアメリカ人ではこの質問により、リベラル度がぐっと上がる(言い換えるとポイントがかなり下がる)でしょう。

(3) 「強く(Strongly)」を含む回答を、とっさに避けた。

一般的に日本人は、僕の海外生活の経験上、ほぼすべての外国人に比べ物事をはっきり主張しないです。唯一の例外が台湾人だったような気がしますが、韓国人・中国人・アメリカ人・ドイツ人・イギリス人すべて、日本人と比較すると強く主張します。こういった性質から、テストの回答において「強く(Strongly)」を避けた可能性があります。実際「強く(Strongly)」を選択すると、ポイントがぐっと変わります。

また、ネット上などで右翼・左翼と認定される方は、ただ単に「売り言葉に買い言葉」みたいな感情的な(よく言えば純粋な、悪く言えば幼稚な)発言が多いだけだと思われます。まさにこの「強く(Strongly)」同意もしくは反対しているのでしょう。ところが冷静にテストを受けるとそうでもなく、ポイントに影響したのかもしれません。

以上のような理由から、(社会的に)右だと思っていた方の(権威主義の)ポイントがあまり伸びなかったのでしょう。つまり、数人の方がおっしゃっているような「日本で右でも外国では左」というのは、当たらないと思います。もちろん全般的に、アメリカは日本よりも経済的に(顕著に)右であり、社会的に(やや)権威主義であることは、間違いないとは思いますが。あと、世界の著名な政治家に権威主義の高い人が多い理由は、権力欲が強くなければ政治家にならないこと、一神教の宗教を信じていること、などが挙げられると思います。

こういったことを踏まえて、逆に最も嫌な(嫌悪感を感じる)答えを並べてみるのは、大変興味深いと思います。なぜなら、現在の日本においては、右翼・左翼というより、反左翼・反右翼の人が多いと思うからです。僕の場合はEconomic Left/Right: 1.38, Social Libertarian/Authoritarian: 6.26(ヒトラー型)となり、強すぎる権威主義に嫌悪感を抱くようです(「自分の政治的傾向の数値化の結果」参照)。確かにその通りです。一方経済的左右に関しては、自分のスタンスは若干左ではあるが、強すぎる左右ともに同等に嫌悪感を抱くせいか、ほぼ相殺されているようです。筋金入りの反左翼の方の場合は、僕とは逆にむしろ強すぎるリベラル主義に嫌悪感を抱くのかもしれません。是非お試しあれ。

さらに発展させて、保守系メディアの産経新聞と革新系メディアの朝日新聞に対しても、僕の勝手な推測に基づいてテストを行った結果、比較的納得できる数値が得られました(「朝日新聞と産経新聞の比較」参照)。
朝日:Economic Left/Right: -3.38, Social Libertarian/Authoritarian: -5.03
産経:Economic Left/Right: 3.00, Social Libertarian/Authoritarian: 2.05
答えるに当たっては立場をはっきりさせるため、「強く(Strongly)」を含む回答が若干増えたかもしれません。上で挙げた3つの問題点のうち(1)(2)を考慮に入れると、Social Libertarian/Authoritarianのポイントは、もう少し上がると思います。ただマスコミの基本スタンスは権力の監視であるはずなので、保守系の産経新聞でもこんなものかなと思います。

ほのぼのとしたお話、募集中。

2005年02月24日 | 御質問・リクエスト等
けいさんから、「殺伐とした議論になりがちな日韓・日朝問題、在日問題。ここらでひとつ日本人と韓国人、在日の間のチョットおもしろい話、ほのぼのとした話、などを集めてみては?」という提案が御質問・リクエストなどのコーナーでありました。確かにまじめな話ばかりだと疲れるので、皆様の知っている面白い話などを投稿していただけたらなあ、と思います。

朝日新聞と産経新聞の比較 (政治的傾向の数値化より・後半)

2005年02月23日 | アンケート等
・・・前半の続き・・・

Page 4: 「より広い社会観について」

40) Our civil liberties are being excessively curbed in the name of counter-terrorism.
≪我々の市民的自由は、反テロリズムの名のもとにどんどん制限されている。≫
朝日"Agree" 産経"Disagree"
もうこれに関しては文句なしに、朝日は賛成、産経は反対だろう。

41) A significant advantage of a one-party state is that it avoids all the arguments that delay progress in a democratic political system.
≪一党独裁制の重要な利点は、民主主義システムにおいて見られる、進歩を遅らせる議論のすべてを避けられることである。≫
朝日"Disagree" 産経"Strongly Disagree"
両メディアともに反対だろうが、産経の方がイデオロギーを重視するのでより強く反対。

42) Although the electronic age makes official surveillance easier, only wrongdoers need to be worried.
≪電子時代は公的監視を容易にするが、犯罪者だけがそれを心配する必要がある。≫
朝日"Disagree" 産経"Strongly Agree"
人権派の朝日は反対、治安・安全保障を重視する産経は強く賛成。

43) The death penalty should be an option for the most serious crimes.
≪死刑は最も重大な犯罪のためのオプションであるべきだ。≫
朝日"Disagree" 産経"Strongly Agree"
人権派の朝日は反対。重罰による犯罪抑止力を唱える産経は強く賛成。

44) In a civilised society, one must always have people above to be obeyed and people below to be commanded.
≪文明社会では、常に上位の人には従い、下位の人には命令しなければならない。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
難しいところだが、平等主義の朝日は反対、組織・秩序重視型の産経は賛成か。

45) Abstract art that doesn't represent anything shouldn't be considered art at all.
≪何も表現していない抽象芸術は、全くもって芸術と考えるべきではない。≫
朝日"Strongly Disagree" 産経"Disagree"
これに関しては両方とも反対だろう。ただ街中のアートのような落書きをどう考えるかは、また別だが。

46) In criminal justice, punishment should be more important than rehabilitation.
≪刑事裁判においては、懲罰が更生よりも重要であるべきだ。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
理想主義の朝日は反対、現実主義の産経は賛成。

47) It is a waste of time to try to rehabilitate some criminals.
≪犯罪者の中には、更生させようとするだけ時間の無駄なものもいる。≫
朝日"Agree" 産経"Strongly Agree"
両方とも賛成だろう。産経の方がより強いか。

48) The businessman and the manufacturer are more important than the writer and the artist.
≪ビジネスマンや生産者は、作家や芸術家よりももっと重要である。≫
朝日"Disagree" 産経"Disagree"
新聞を書いている人間が、これを認めるはずがない。ただ現実には両方大事なので、強くは反対しない。

49) Mothers may have careers, but their first duty is to be homemakers.
≪母親はキャリアを持ってもよいが、一義的な義務は主婦であることだ。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
男女完全平等を唱える朝日は反対、家父長的な伝統的家庭を重んじる産経は賛成。

50) Multinational companies are unethically exploiting the plant genetic resources of developing countries.
≪多国籍企業は、発展途上国の植物性資源を非道徳的に搾取している。≫
朝日"Agree" 産経"Disagree"
石油系大企業などが嫌いな朝日は賛成、自由市場を重視する産経は反対。

51) Making peace with the establishment is an important aspect of maturity.
≪体制側と和解することは、成熟さの重大な一面である。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
市民運動を擁護する朝日は反対、批判することの多い産経は賛成。

Page 5: 「宗教観について」

52) Astrology accurately explains many things.
≪占星術は正確に多くのことを説明する。≫
朝日"Disagree" 産経"Disagree"
ナンシー・レーガンを思い出すが、両メディアともに基本的には反対だろう。

53) You cannot be moral without being religious.
≪宗教心なしには道徳的になれない。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
宗教色のない朝日は反対、日本の伝統的神仏融合をも広義の宗教心と捉えるならば、産経は比較的大事にしているので賛成。

54) Charity is better than social security as a means of helping the genuinely disadvantaged.
≪慈善事業は、真に損害をこうむった者を助ける手段として、社会補償よりもよい。≫
朝日"Disagree" 産経"Disagree"
これは両メディアともに、国が中心にやった方がいいと考えるだろう。

55) Some people are naturally unlucky.
≪人の中には生まれつき不運なものがいる。≫
朝日"Disagree" 産経"Disagree"
これも別にそんなことはない、と考えるだろう。

56) I would not wish to send my child to a school that did not instill religious values.
≪宗教的価値観のない学校には、子供を通わせたくない。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
朝日はとりあえず反対、産経に関しては、日本の伝統的神仏融合を教育上重視している節が見られるので、潜在的に賛成。

Page 6: 「セックス観について」

57) Sex outside marriage is usually immoral.
≪結婚以外のセックスは普通非道徳的である。≫
朝日"Disagree" 産経"Disagree"
愛があればいいと考えるのでは?

58) A same sex couple in a stable, loving relationship, should not be excluded from the possibility of child adoption.
≪ずっと愛し合っている同姓愛カップルは、養子を持つ可能性から除外すべきではない。≫
朝日"Agree" 産経"Disagree"
様々な権利の拡大を唱える朝日は賛成、極端な権利の拡大に異議を唱える産経は反対。

59) Pornography, depicting consenting adults, should be legal for the adult population.
≪承諾年齢に達している成人を描写しているポルノは、成人娯楽として合法であるべきだ。≫
朝日"Agree" 産経"Agree"
ポルノに反対を唱えるメディアはないでしょう。

60) What goes on in a private bedroom between consenting adults is no business of the state.
≪プライベートベッドルームで成人同士の間に起こっていることは、(米国の)州の関与することではない。≫
朝日"Strongly Agree" 産経"Agree"
両メディアとも、体制側が文句をいうものではない、と考えるのでは。ただ体制の関与を朝日の方がより嫌いそう。

61) No one can feel naturally homosexual.
≪生まれつきホモセクシュアルを感じる人はいない。≫
朝日"Disagree" 産経"Disagree"
これもまあ両方とも反対でしょう。

62) It's fine for society to be open about sex, but these days it's going too far.
≪社会がセックスに対してオープンになるのは結構だ、しかし最近行き過ぎている。≫
朝日"Agree" 産経"Strongly Agree"
大体の日本人は、行き過ぎと考えるのでは?ただ産経の方が強く主張しそう。


朝日:
Economic Left/Right: -3.38
Social Libertarian/Authoritarian: -5.03

産経:
Economic Left/Right: 3.00
Social Libertarian/Authoritarian: 2.05

この考察についても、明日。

朝日新聞と産経新聞の比較 (政治的傾向の数値化より・前半)

2005年02月23日 | アンケート等
さて、次はものすごく不遜ではありますが、革新系メディアの「朝日新聞」と保守系メディアの「産経新聞」について、The Political Compassを用いて想像しながら答えてみます。これはあくまで、僕のそれぞれの新聞に対するイメージですので、各々のシンパの方、悪しからず。「読売新聞」と「毎日新聞」については、その間と考えさせていただきます。今回も長くなるので、前半・後半に分けます。

Page 1: 「国家観と世界観について」

1) If economic globalisation is inevitable, it should primarily serve humanity rather than the interests of trans-national corporations.
≪もし経済の国際化が避けられないのなら、それは一義的に多国籍企業の利益よりも人道・博愛に役立てるべきだ。≫
朝日"Agree" 産経"Disagree"
人権派の朝日は賛成、人道・博愛に胡散臭さを感じる産経は反対。

2) I'd always support my country, whether it was right or wrong.
≪私は常に自分の国を支持します、たとえそれが正しかろうと間違っていようと。≫
朝日"Disagree" 産経"Disagree"
両メディアとも自分のスタンスと政府が異なったら、支持しないだろう。ただ戦争のような極端な状況では分からない。

3) No one chooses his or her country of birth, so it's foolish to be proud of it.
≪誰も自分の生まれた国を選べない、だから自分の国を誇りに思うのは馬鹿げたことだ。≫
朝日"Agree" 産経"Strongly Disagree"
愛国心の強調を嫌う朝日は賛成、愛国心を強調する産経は強く反対。

4) Our race has many superior qualities, compared with other races.
≪我々の人種は他の人種と比較すると、多くの優れた点を持っている。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
世界市民という概念を好む朝日は反対、民族主義が見られる産経は賛成。

5) The enemy of my enemy is my friend.
≪敵の敵は友だ。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
人権主義の朝日は敵味方を作るのを嫌うので反対、産経は安全保障が得意なので賛成。

6) Military action that defies international law is sometimes justified.
≪国際法を無視した軍事行動は、時には正当化される。≫
朝日"Strongly Disagree" 産経"Agree"
これは朝日には絶対に許せないだろう。産経はアメリカの軍事行動万歳のところがあるので賛成。

7) There is now a worrying fusion of information and entertainment.
≪今日、情報と娯楽の間で、問題となる融合が見られる。≫ 【注:ここでいう情報(information)とはニュースなどのことだと思われます】
朝日"Agree" 産経"Agree"
これがテレ朝・フジテレビだと、自分を否定しかねないので反対というだろうが、今回は両方とも新聞なので賛成かな。

Page 2: 「経済観について」

8) People are ultimately divided more by class than by nationality.
≪人間は、究極的には国籍ではなく(社会)階級によって分類される。≫
朝日"Agree" 産経"Disagree"
朝日は国と言う概念があまり好きではないので賛成、産経は国という枠組みを重要視するから反対。

9) Controlling inflation is more important than controlling unemployment.
≪インフレ対策のほうが失業問題対策よりも重要だ。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
朝日は社会民主主義を好むので失業問題を優先、ゆえに反対、産経は国家の経済力の方を優先するのでインフレ対策を優先、ゆえに賛成。

10) Because corporations cannot be trusted to voluntarily protect the environment, they require regulation.
≪企業が自発的に環境を守るとは信用できないので、何らかの規制が必要だ。≫
朝日"Strongly Agree" 産経"Disagree"
大企業と対立したがる朝日は強く賛成、アメリカのことを大好きな産経は反対。

11) From each according to his ability, to each according to his need is a fundamentally good idea.
≪「能力に応じて」から「必要に応じて」という考えは、基本的には良い考えだ。≫ 【注:「能力に応じて」から「必要に応じて」(From each according to his ability, to each according to his need)は、マルクス主義のスローガンで、資本主義からの脱皮すなわち公平な富の分配を謳ったものです】
朝日"Disagree" 産経"Strongly Disagree"
さすがに朝日でも、今の御時世マルクス主義には反対だろう。共産主義を蛇蠍のごとく嫌う産経は大反対。

12) It's a sad reflection on our society that something as basic as drinking water is now a bottled, branded consumer product.
≪飲み水のような基本的なものまでが、瓶詰でブランド会社の製品になっているのは、我々の社会の悲しい現実の一面だ。≫
朝日"Disagree" 産経"Disagree"
両方ともあまりこだわらないのでは。

13) Land shouldn't be a commodity to be bought and sold.
≪土地というのは、勝ったり売ったりする商品であるべきではない。≫
朝日"Disagree" 産経"Disagree"
両方ともバブル経済は避けたいが、土地売買そのものには反対でないだろう

14) It is regrettable that many personal fortunes are made by people who simply manipulate money and contribute nothing to their society.
≪多くの個人資産が、単なるマネーゲームをしたり社会に何の貢献もしていない人々によって作られているのは、残念なことだ。≫
朝日"Agree" 産経"Disagree"
人道主義の朝日はこういったことを嫌うだろう。産経はよく分からないが、こういったことも含めて、強い景気を生み出すアメリカ型自由市場経済を支持しているのではないかと思うので、反対。昨今のライブドア騒ぎに産経が反対しているのは、既得権益が奪われるのが嫌なだけだと思うので、この質問とは何ら関係ないと考えた。

15) Protectionism is sometimes necessary in trade.
≪保護政策は、時には貿易において必要である。≫
朝日"Agree" 産経"Disagree"
弱者の立場にたとうとする朝日は賛成、アメリカ型自由市場経済を支持する産経は反対。

16) The only social responsibility of a company should be to deliver a profit to its shareholders.
≪企業の唯一の社会的責任は、企業主たちへの利益の分配のみであるべきだ。≫
朝日"Strongly Disagree" 産経"Disagree"
朝日はすさまじく嫌うだろう。産経も基本的には反対だろう。

17) The rich are too highly taxed.
≪金持ちは、税金を高く課税されすぎている。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
累進課税を支持する朝日は反対、直接税よりも間接税の方を支持する産経は賛成。

18) Those with the ability to pay should have the right to higher standards of medical care .
≪お金を払う能力のある人は、より高い水準の医療ケアを受ける権利を持つべきだ。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
平等主義を唱える朝日は反対、すべてにおいて市場経済を強く支持する産経は賛成。

19) Governments should penalise businesses that mislead the public.
≪公衆をミスリードするビジネスには、政府がペナルティを与えるべきだ。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
政府の口出しを嫌う朝日は反対、産経は、こういったことに政府の関与を認めるべきと考えているのではないか。

20) A genuine free market requires restrictions on the ability of predator multinationals to create monopolies.
≪真の自由市場の確立には、略奪的な多国籍企業が独占状態を作り出せないようにすることが必要である。≫
朝日"Strongly Agree" 産経"Strongly Agree"
一企業の独占を非常に嫌う朝日は、強く賛成。ハゲタカファンドなどの外資を非常に嫌う産経も強く賛成。

21) The freer the market, the freer the people.
≪市場が自由になればなるほど、人民も自由になる。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
人民の自由と市場の自由にあまり相関関係を認めない朝日は反対、市場経済万歳の産経は賛成。

Page 3: 「社会観について」

22) Abortion, when the woman's life is not threatened, should always be illegal.
≪女性の命が脅かされていなければ、中絶は常に不法であるべきだ。≫
朝日"Disagree" 産経"Disagree"
これに関しては、レイプでの妊娠が考えられるので、両方とも反対だろう。

23) All authority should be questioned.
≪すべての権威に対して疑問を持つべきだ。≫
朝日"Agree" 産経"Disagree"
朝日はとりあえず常に公権力を批判しているので、賛成。産経は、権威によっては全く疑問を抱いていない場合があるように見えるので、反対。

24) An eye for an eye and a tooth for a tooth.
≪目には目を、歯には歯を。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
人権派の朝日は反対、安全保障重視の産経は賛成。

25) Taxpayers should not be expected to prop up any theatres or museums that cannot survive on a commercial basis.
≪商業的にサバイバルできない劇場や美術館を納税者が支えていくのを、期待すべきでない。≫
朝日"Disagree" 産経"Disagree"
両方とも伝統芸能など重視しているので、反対だろう。

26) Schools should not make classroom attendance compulsory.
≪学校は授業の出席を強制すべきでない。≫
朝日"Agree" 産経"Strongly Disagree"
強制を一般に嫌う朝日は賛成、学校教育の見直しを唱えている産経は当然大反対。

27) All people have their rights, but it is better for all of us that different sorts of people should keep to their own kind.
≪すべての人はそれぞれの権利を持っている、しかしその権利は、人によって異なっている方が、我々皆にとってよりよい。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
個々の権利は同じで、その適用法が違うと考える朝日は反対、権利において区別は必要と考える産経は賛成。

28) Good parents sometimes have to spank their children.
≪よい両親は時には子供を叩かなければいけない。≫ 【注:spankは殴るのではなく、おしりなどをぴしゃりと叩くことです】
朝日"Disagree" 産経"Agree"
進歩派を自認する朝日は反対、家父長的教育を重視する産経は賛成。

29) It's natural for children to keep some secrets from their parents.
≪子供たちが親に秘密をいくつか持つことは、自然なことだ。≫
朝日"Agree" 産経"Agree"
まあ、これはそのままじゃないか。

30) Marijuana should be legalised.
≪マリファナは合法化されるべきだ。≫
朝日"Disagree" 産経"Strongly Disagree"
おそらく日本のメディアはすべて反対だろう。印象として産経の方がより厳しい態度かも。

31) The prime function of schooling should be to equip the future generation to find jobs.
≪学校教育の第一の機能は、次の世代が仕事を見つけられるようにすることであるべきだ≫
朝日"Disagree" 産経"Disgree"
これも両メディアともに、学校教育の一義的な役割は人格形成だと考えているのではないか。

32) People with serious inheritable disabilities should not be allowed to reproduce.
≪重大な遺伝的欠陥を持つ人々は、子孫を持つことを許されるべきではない。≫
朝日"Strongly Disagree" 産経"Disgree"
これも基本的には両方とも反対だろう。ただ人権派の朝日の方が強く反対か。

33) The most important thing for children to learn is to accept discipline.
≪子供たちが学ぶべき最も重要なことは、躾を受け入れることである。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
進歩派を自認する朝日は反対、規律・躾を重視する産経は賛成。

34) There are no savage and civilised peoples; there are only different cultures.
≪野蛮な国民や文明化された国民がいるのではない、ただあるのは異なった文化のみである。≫ 【注:peoplesと複数形を用いているので、国民と訳している】
朝日"Agree" 産経"Disagree"
世界主義の朝日は賛成、民度という尺度を持っている産経は反対。

35) Those who are able to work, and refuse the opportunity, should not expect society's support.
≪働くことができチャンスを断っている人々は、社会のサポートを期待すべきではない。≫
朝日"Disagree" 産経"Strongly Agree"
福祉重視の朝日は反対か、若者のフリーター化に激しく異議を唱えている産経は強く賛成だろう。

36) When you are troubled, it's better not to think about it, but to keep busy with more cheerful things.
≪トラブルに見舞われた時、それについて考えず、もっと元気になるような事で気を紛らわした方がよい。≫
朝日"Disagree" 産経"Disagree"
両メディアともにそんなに楽観的ではないだろう。

37) First-generation immigrants can never be fully integrated within their new country.
≪第一世代の移民は、新しい国に完全には溶け込めない。≫
朝日"Agree" 産経"Agree"
日本は移民に慣れていないので、移民をどうするかというスタンスは違っても、この設問には賛成するだろう。

38) What's good for the most successful corporations is always, ultimately, good for all of us.
≪最も成功している企業にとってよいことは、必ずまた究極的に、我々皆にとってよいことである。≫
朝日"Disagree" 産経"Agree"
大企業と対立してきた朝日は反対、基本的に市場主義に立っている産経は賛成。

39) No broadcasting institution, however independent its content, should receive public funding.
≪どんな放送局も、その内容がどれほど独立していようと、公共資金を受け取るべきではない。≫
朝日"Agree" 産経"Disgree"
今のNHKを問われているようだ(イギリスではBBCだろう)。朝日は文句なしに賛成だろう。産経は公正性が保たれる限り、公共資金に関してはあまり異議を唱えないのでは。

・・・後半に続く・・・

自分の政治的傾向の数値化の結果(後半)

2005年02月23日 | アンケート等
・・・前半の続き・・・

Page 4: 「より広い社会観について」

40) Our civil liberties are being excessively curbed in the name of counter-terrorism.
≪我々の市民的自由は、反テロリズムの名のもとにどんどん制限されている。≫
"Disagree"
アメリカの愛国法を見ていると、そうかもしれないが、日本ではピンとこないので、とりあえず反対。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

41) A significant advantage of a one-party state is that it avoids all the arguments that delay progress in a democratic political system.
≪一党独裁制の重要な利点は、民主主義システムにおいて見られる、進歩を遅らせる議論のすべてを避けられることである。≫
"Strongly Disagree"
一党独裁では批判されることが無いため、まったくもって利点はない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

42) Although the electronic age makes official surveillance easier, only wrongdoers need to be worried.
≪電子時代は公的監視を容易にするが、犯罪者だけがそれを心配する必要がある。≫
"Agree"
増加する犯罪防止のためには、公的監視はしょうがないかな、とも思うので賛成だが、体制側がミスを犯す可能性もあるので、強く賛成はしない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

43) The death penalty should be an option for the most serious crimes.
≪死刑は最も重大な犯罪のためのオプションであるべきだ。≫
"Disagree"
個人的に、死刑はあまりに容易な(軽い)ペナルティだと思う。むしろ終身刑で一生考え抜いて死を迎えて欲しい。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

44) In a civilised society, one must always have people above to be obeyed and people below to be commanded.
≪文明社会では、常に上位の人には従い、下位の人には命令しなければならない。≫
"Disagree"
ある程度の上下関係が無ければ組織は成り立たないが、上位の人間が必ずしも正しいとは限らない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

45) Abstract art that doesn't represent anything shouldn't be considered art at all.
≪何も表現していない抽象芸術は、全くもって芸術と考えるべきではない。≫
"Strongly disagree"
芸術は理解するものではなく、感じるものである。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

46) In criminal justice, punishment should be more important than rehabilitation.
≪刑事裁判においては、懲罰が更生よりも重要であるべきだ。≫
"Disagree"
本来的には、懲罰は抑止力に使うものであり、更生を中心に考えなければならないだろう。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

47) It is a waste of time to try to rehabilitate some criminals.
≪犯罪者の中には、更生させようとするだけ時間の無駄なものもいる。≫
"Agree"
残念ながら、昨今の状況を鑑みるにその通りだろう。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

48) The businessman and the manufacturer are more important than the writer and the artist.
≪ビジネスマンや生産者は、作家や芸術家よりももっと重要である。≫
"Disagree"
前者は物質世界に重要で、後者は精神世界に重要である。どちらが無くても人間は生きていけまい。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

49) Mothers may have careers, but their first duty is to be homemakers.
≪母親はキャリアを持ってもよいが、一義的な義務は主婦であることだ。≫
"Disagree"
これでは、男性至上主義者の意見だろう。主婦をやりたい女性はそうすればいいし、キャリアを選びたい女性はそうすればいいだろう。どちらかきめるものではない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

50) Multinational companies are unethically exploiting the plant genetic resources of developing countries.
≪多国籍企業は、発展途上国の植物性資源を非道徳的に搾取している。≫
"Disagree"
レッテル張りは嫌いなので、同意しかねる。ただ石油系企業を見ていると、一部はそうかなとも思う。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

51) Making peace with the establishment is an important aspect of maturity.
≪体制側と和解することは、成熟さの重大な一面である。≫
"Disagree"
何でも突っかかるのは確かに成熟していないかもしれないが、体制が間違っていると信念を持って思う時は戦うべきだ。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

Page 5: 「宗教観について」

52) Astrology accurately explains many things.
≪占星術は正確に多くのことを説明する。≫
"Strongly disagree"
こんなまやかしは、大嫌いだ。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

53) You cannot be moral without being religious.
≪宗教心なしには道徳的になれない。≫
"Disagree"
宗教が何らかの道徳心に役立っているのは認めるが、それなしでも道徳的でいることはできる。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

54) Charity is better than social security as a means of helping the genuinely disadvantaged.
≪慈善事業は、真に損害をこうむった者を助ける手段として、社会補償よりもよい。≫
"Disagree"
慈善事業には何らかの宣伝や節税といった目的のある場合があるので、社会保障としてやったほうがいい。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

55) Some people are naturally unlucky.
≪人の中には生まれつき不運なものがいる。≫
"Disagree"
生まれた時に不運でも、一生を見れば運というのは人によってほとんど変わらないものだと思う(単に確立の問題)。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

56) I would not wish to send my child to a school that did not instill religious values.
≪宗教的価値観のない学校には、子供を通わせたくない。≫
"Disagree"
宗教に何の重きもおいていないので。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

Page 6: 「セックス観について」

57) Sex outside marriage is usually immoral.
≪結婚以外のセックスは普通非道徳的である。≫
"Disagree"
行き過ぎた不倫の場合は非道徳的だろうが、別に構わない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

58) A same sex couple in a stable, loving relationship, should not be excluded from the possibility of child adoption.
≪ずっと愛し合っている同姓愛カップルは、養子を持つ可能性から除外すべきではない。≫
"Disagree"
同姓愛は無条件に受け入れるが、本来生まれるはずの無い子供を持つことは受け入れられない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

59) Pornography, depicting consenting adults, should be legal for the adult population.
≪承諾年齢に達している成人を描写しているポルノは、成人娯楽として合法であるべきだ。≫
"Agree"
強く賛成、と言いたいところだが(笑)、まあそれは気が引けるので、賛成。幼児ポルノとか出ない限り、何の問題も無い。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

60) What goes on in a private bedroom between consenting adults is no business of the state.
≪プライベートベッドルームで成人同士の間に起こっていることは、(米国の)州の関与することではない。≫
"Disagree"
個人的に不倫を(男女にかかわらず)全く認めていないため、各自治体レベルで条例と言う形で規制すべき(未成年への淫行条例のように)。不倫の前に話し合って離婚すべきだ。もっとも規制をかけすぎるのは大問題。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

61) No one can feel naturally homosexual.
≪生まれつきホモセクシュアルを感じる人はいない。≫
"Disagree"
遺伝的にホモセクシュアルになる人もいるので。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

62) It's fine for society to be open about sex, but these days it's going too far.
≪社会がセックスに対してオープンになるのは結構だ、しかし最近行き過ぎている。≫
"Agree"
結婚していなければ、セックスにオープンになることは問題ないと思ってるが、最近不倫を普通に考えたり、結婚を真摯に考えていない人が多すぎる。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">


**********設問終了**********



さて、結果です。

Your political compass
Economic Left/Right: -2.50
Social Libertarian/Authoritarian: -2.46

社会的にややリベラル、経済的にやや左より、ということでしょう。自分の考えていたスタンスそのものでした。

僕の最も嫌な(嫌悪感を感じる)答を並べると
Economic Left/Right: 1.38
Social Libertarian/Authoritarian: 6.26

僕が最も嫌悪感を感じるのは、全体主義ということですね。

ちなみに僕の妻の場合は
Economic Left/Right: -2.00
Social Libertarian/Authoritarian: -2.00

でした。まあ、夫婦で価値観を共有できているということで、良かったです。

最後に皆様へのお願いなんですが、できる範囲でよいので各設問の答えを自分のBlogに記入していただけないでしょうか?そうすると、各人の違いをより比較しやすくなると思うのですが。最も嫌いな回答を並べた場合の結果も、試してみてはどうでしょうか。あと、設問に再度回答することで、結果が微妙に異なるかもしれないので、それも記述していただけたら幸いです。

それでは、このテストや結果に対する僕の考察は、また明日。

追伸:旗旗:自分の政治的位置を知る(3)のコメント欄にも何人かが結果を公表しています。

自分の政治的傾向の数値化の結果(前半)

2005年02月23日 | アンケート等
The Political Compassを用いて自分の政治的傾向を数値化した結果について、以下に示します。各設問に対する僕の回答とその理由、また同時に、最も嫌悪感を抱くであろう回答も示しています。最後に、自分の回答における政治的傾向と、最も嫌悪感を抱く回答を並べた場合の政治的傾向を、両方とも表記しました。では、御覧下さい(長いので前半・後半に分割します)。



**********設問開始**********


Page 1: 「国家観と世界観について」

1) If economic globalisation is inevitable, it should primarily serve humanity rather than the interests of trans-national corporations.
≪もし経済の国際化が避けられないのなら、それは一義的に多国籍企業の利益よりも人道・博愛に役立てるべきだ。≫
"Agree"
基本的に賛成だが、これはあくまで理想論なので、強くは賛成しない。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

2) I'd always support my country, whether it was right or wrong.
≪私は常に自分の国を支持します、たとえそれが正しかろうと間違っていようと。≫
"Disagree"
間違っていると思ったら、支持しない。ただ戦争のような極端な状況では分からない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

3) No one chooses his or her country of birth, so it's foolish to be proud of it.
≪誰も自分の生まれた国を選べない、だから自分の国を誇りに思うのは馬鹿げたことだ。≫
"Strongly Disagree"
生まれた国に愛着を持ち、自然に誇りを持つのは、当然だと考える。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

4) Our race has many superior qualities, compared with other races.
≪我々の人種は他の人種と比較すると、多くの優れた点を持っている。≫
"Disagree"
人種全体と個人は全く違うので、人種として資質を判断するのは賛成できない。ただ何らかの傾向・バイアスはあるかもしれないので、強くは反対しない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

5) The enemy of my enemy is my friend.
≪敵の敵は友だ。≫
"Disagree"
敵の敵は、一時的な戦略上のパートナーになるかもしれないが、所詮一時的。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

6) Military action that defies international law is sometimes justified.
≪国際法を無視した軍事行動は、時には正当化される。≫
"Disagree"
避けられないことはあるかもしれないが、正当化はされない。ただ国際法にも欠陥があるので、強く反対はしない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

7) There is now a worrying fusion of information and entertainment.
≪今日、情報と娯楽の間で、問題となる融合が見られる。≫ 【注:ここでいう情報(information)とはニュースなどのことだと思われます】
"Agree"
情報を煽って面白おかしく(ねじまげて)伝える姿勢には、問題を感じる。ただ全く中立の娯楽性の無い情報というのも、基本的にはありえないので、強く賛成はしない。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

Page 2: 「経済観について」

8) People are ultimately divided more by class than by nationality.
≪人間は、究極的には国籍ではなく(社会)階級によって分類される。≫
"Disagree"
国によって価値観が異なるので、国籍の方が重要。しかし価値観の共有できる国同士では、階級も大事なので、強くは反対しない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

9) Controlling inflation is more important than controlling unemployment.
≪インフレ対策のほうが失業問題対策よりも重要だ。≫
"Disagree"
どう考えても、失業対策が最優先。治安にも多大な影響を及ぼす。ただインフレ対策も重要。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

10) Because corporations cannot be trusted to voluntarily protect the environment, they require regulation.
≪企業が自発的に環境を守るとは信用できないので、何らかの規制が必要だ。≫
"Agree"
企業の本来の欲求は利益の追求であり、環境とは相反することが多いので、規制は絶対に必要。しかし環境を守ることもビジネスにもなるので、強く賛成ではない。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

11) From each according to his ability, to each according to his need is a fundamentally good idea.
≪「能力に応じて」から「必要に応じて」という考えは、基本的には良い考えだ。≫ 【注:「能力に応じて」から「必要に応じて」(From each according to his ability, to each according to his need)は、マルクス主義のスローガンで、資本主義からの脱皮すなわち公平な富の分配を謳ったものです】
"Disagree"
マルクス主義はしょせん理想論。人間の欲求というものを抑圧した非人間的な考えだと思うので、反対。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

12) It's a sad reflection on our society that something as basic as drinking water is now a bottled, branded consumer product.
≪飲み水のような基本的なものまでが、瓶詰でブランド会社の製品になっているのは、我々の社会の悲しい現実の一面だ。≫
"Disagree"
ただでおいしい水が飲めるのに越したことは無いが、まあいいんじゃない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

13) Land shouldn't be a commodity to be bought and sold.
≪土地というのは、勝ったり売ったりする商品であるべきではない。≫
"Disagree"
土地は無限ではないので、金銭的価値が付随するのは当然。しかし土地売買での金儲けは好きではないので、強く反対はしない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

14) It is regrettable that many personal fortunes are made by people who simply manipulate money and contribute nothing to their society.
≪多くの個人資産が、単なるマネーゲームをしたり社会に何の貢献もしていない人々によって作られているのは、残念なことだ。≫
"Agree"
マネーゲームは嫌いだし、社会貢献しない企業も吐き気がするので、賛成だが、自由経済においてはしょうがないとも思うので、強く賛成はしない。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

15) Protectionism is sometimes necessary in trade.
≪保護政策は、時には貿易において必要である。≫
"Agree"
保護貿易は好ましくはないが、それぞれの国によって強い産業・弱い産業があり、弱いものを強くしていく過程においては、適度なレベルの保護政策は必要。もっとも行き過ぎた保護政策は反対。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

16) The only social responsibility of a company should be to deliver a profit to its shareholders.
≪企業の唯一の社会的責任は、企業主たちへの利益の分配のみであるべきだ。≫
"Strongly Disagree"
これでは帝国主義時代の資本主義であり、非常に原始的な資本主義である。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

17) The rich are too highly taxed.
≪金持ちは、税金を高く課税されすぎている。≫
"Disagree"
国によって違うが、自分から見るとそんなに課税されているとは思わないので、反対。しかし相続税は高すぎると思う。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

18) Those with the ability to pay should have the right to higher standards of medical care .
≪お金を払う能力のある人は、より高い水準の医療ケアを受ける権利を持つべきだ。≫
"Disagree"
医療サービスは、基本的には資産に関係なく平等に行うべきと考えるので、反対。もっとも入院時の個室とかそういうレベルの差別化はありなので、強く反対はしない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

19) Governments should penalise businesses that mislead the public.
≪公衆をミスリードするビジネスには、政府がペナルティを与えるべきだ。≫
"Disagree"
違法なビジネスでなければ、政府が口出しすることではない。公衆が批判すればよい。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

20) A genuine free market requires restrictions on the ability of predator multinationals to create monopolies.
≪真の自由市場の確立には、略奪的な多国籍企業が独占状態を作り出せないようにすることが必要である。≫
"Strongly Agree"
全くもってそのとおり。企業の一社独占はろくなことが無い(マイクロソフト然り)。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

21) The freer the market, the freer the people.
≪市場が自由になればなるほど、人民も自由になる。≫
"Disagree"
統制経済よりは市場経済のほうが良いだろうが、市場の自由化と人民の自由化はあまり関係ないかと。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

Page 3: 「社会観について」

22) Abortion, when the woman's life is not threatened, should always be illegal.
≪女性の命が脅かされていなければ、中絶は常に不法であるべきだ。≫
"Disagree"
レイプされて妊娠した場合は、中絶は認めるべき。もっとも基本的に中絶には反対。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

23) All authority should be questioned.
≪すべての権威に対して疑問を持つべきだ。≫
"Agree"
あまりひねくれるのもどうかとは思うが、基本的にすべての権威には批判精神を持つべき。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

24) An eye for an eye and a tooth for a tooth.
≪目には目を、歯には歯を。≫
"Disagree"
この精神の行き着く先は、イスラエルとパレスチナを見ていると分かる。ただ実行に移す前だと、それなりの抑止力になるのかもしれないが。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

25) Taxpayers should not be expected to prop up any theatres or museums that cannot survive on a commercial basis.
≪商業的にサバイバルできない劇場や美術館を納税者が支えていくのを、期待すべきでない。≫
"Disagree"
本当に素晴らしい伝統芸能など、商業ベースに乗らなくとも、国が補助すべき。ただ業界側にもある程度の経営努力は必要かもしれない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

26) Schools should not make classroom attendance compulsory.
≪学校は授業の出席を強制すべきでない。≫
"Disagree"
学校は基本的に強制力が伴うもの。ただ、学校側も魅力的でない授業をして、出席を強制してもらいたくはない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

27) All people have their rights, but it is better for all of us that different sorts of people should keep to their own kind.
≪すべての人はそれぞれの権利を持っている、しかしその権利は、人によって異なっている方が、我々皆にとってよりよい。≫
"Agree"
国民と外国人の間など、権利が異なっているのは当然のことだ。ただ、この考えが行き過ぎて差別につながるのは問題のため、強く賛成はしない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

28) Good parents sometimes have to spank their children.
≪よい両親は時には子供を叩かなければいけない。≫ 【注:spankは殴るのではなく、おしりなどをぴしゃりと叩くことです】
"Agree"
言っても分からない時は、愛情のムチは必要と思う。ただ行き過ぎると虐待になるので、強くは賛成しない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

29) It's natural for children to keep some secrets from their parents.
≪子供たちが親に秘密をいくつか持つことは、自然なことだ。≫
"Agree"
親子とはいえ他人。プライバシーは尊重すべき。しかし他人とはいえ親子。最終的には共有すべきだろう。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

30) Marijuana should be legalised.
≪マリファナは合法化されるべきだ。≫
"Agree"
タバコ・アルコールの方が医学的に見て、害が圧倒的に多い。ただあくまで薬物である。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

31) The prime function of schooling should be to equip the future generation to find jobs.
≪学校教育の第一の機能は、次の世代が仕事を見つけられるようにすることであるべきだ≫
"Disagree"
将来の就職に関しては、一応学校の役割の一つかもしれないが、一義的な役割は人格形成だと考える。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

32) People with serious inheritable disabilities should not be allowed to reproduce.
≪重大な遺伝的欠陥を持つ人々は、子孫を持つことを許されるべきではない。≫
"Strongly Disagree"
この設問には吐き気がする。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

33) The most important thing for children to learn is to accept discipline.
≪子供たちが学ぶべき最も重要なことは、躾を受け入れることである。≫
"Disagree"
ある程度の躾は受け入れる必要があるだろうが、最も重要なのは柔軟な思考を身に付けることだろう。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

34) There are no savage and civilised peoples; there are only different cultures.
≪野蛮な国民や文明化された国民がいるのではない、ただあるのは異なった文化のみである。≫ 【注:peoplesと複数形を用いているので、国民と訳している】
"Agree"
国民・民族をひとくくりにしてレッテルを貼るのは嫌いだ。もっともバイアスはあるだろうから、強くは賛成しない。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

35) Those who are able to work, and refuse the opportunity, should not expect society's support.
≪働くことができチャンスを断っている人々は、社会のサポートを期待すべきではない。≫
"Agree"
基本的にはそのとおりだと思うが、行き過ぎると夢もへったくりもない人間ばかりになるので、強くは賛成しない。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

36) When you are troubled, it's better not to think about it, but to keep busy with more cheerful things.
≪トラブルに見舞われた時、それについて考えず、もっと元気になるような事で気を紛らわした方がよい。≫
"Disagree"
これではただの現実逃避。トラブルの時は、まずなぜトラブルになったのかを考えなければ、進歩が無い。もっとも考えすぎるのは、鬱になるのでやめた方がいい。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

37) First-generation immigrants can never be fully integrated within their new country.
≪第一世代の移民は、新しい国に完全には溶け込めない。≫
"Agree"
基本的にそういうことが多いだろうが、中には完全に溶け込む人もいるだろうから、強くは賛成しない。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

38) What's good for the most successful corporations is always, ultimately, good for all of us.
≪最も成功している企業にとってよいことは、必ずまた究極的に、我々皆にとってよいことである。≫
"Disagree"
んなわけがない。むしろ逆行する方が多いだろう。ただ業種によっては合致することもあるかもしれないが。
<最も嫌な答は"Strongly Agree">

39) No broadcasting institution, however independent its content, should receive public funding.
≪どんな放送局も、その内容がどれほど独立していようと、公共資金を受け取るべきではない。≫
"Agree"
非常に理想的なので賛成だが、公共資金なしで私的企業の資金を受け取っても、当然その意向が反映されるわけなので、これがいいとも言えない。
<最も嫌な答は"Strongly Disagree">

・・・後半に続く・・・