ひつじのさんぽ

気の向くままゆっくりのんびり。出会ったひと・もの・ことを書きとめてみます。by ポポ

小さなおともだち

2010-12-23 17:33:59 | 小さなおはなし

ひさしぶりな友だちに会って。
彼女の8歳の娘さんも一緒に来て。

しばらくおしゃべりした後に、さあそろそろ、と
駅まで歩いていたとき。

娘ちゃんはさりげなく私の手をとって
「これ、春まで貸してあげてもいいよ」って。

これ、というのは娘ちゃんがもってきた小さなぬいぐるみ。
ピンクのふわふわしたなにかのキャラクターで、
胸に赤のハートがついていて、かおはニカッと笑っていて。
ハートを押すと「きゃはは、けらけら~っ」と楽しそうに笑う。

おしゃべりしていたときも何回か私の耳にあてて
笑い声を聞かせてくれてた。

「これ、すきだなぁ~ たのしいなぁ~」って言ってたのだ。

そうしたら、「貸してあげる」って。
ぱっと、手渡してくれて。

おしゃべりの内容から、私が元気ないんだって察してくれたのか。
お気に入りなのに、いいのかしら…と戸惑ってる私に
友だちも「借りときなよ」って。


「でもね、春までよ。春になったらすぐ返してね」
そういって手を振りながら改札を通っていった。

ありがとう、ちいさなお友だち。
けらけら笑って、春まで過ごすね。





であい

2010-12-18 11:35:07 | ことば日記

であいって とつぜんだよね。
とつぜんだから であいなのかな。

まったくしらなかったひととのであい。
いままでしっていたひととの あらたなであい。


人生が地図だとしたら、
無数の人たちが地図の上を歩いていて

あるとき 道が交差して こんにちわ。

すっごいはなれたところを歩いていた人と
めぐりめぐって あるとき ばったり、とか。

となりの道をてくてくずっとあるいていた人と
あるとき 壁が途切れて あら、どうも、とか。


そんな かんじなのかもしれないよねぇ。


いちょう吹雪

2010-12-04 19:10:08 | 小さなおはなし

12月になりました。

昨日はものすごい、雨風。
朝も8時になるというのに空は真っ暗。
雨が激しすぎて、白いカーテンがたなびいているみたいに
覆いつくしていて。

仕事に行かないといけないけど、とても外に出る気にはなれない。
でも、行かないと。

しかたない、と思って家を出ると、あれ?雨が弱まっている。
駅まで歩く10分ちょっとの間にみるみる空が明るくなって、

足元の水たまりに、何か輝くものがちらちらと写る。

もしや…と見上げるそらに、うっすらと虹がかかる。

「ありがとう」

だれに届けるわけでもないけど、そんなふうにつぶやいて駅へ急ぐ。


午後はまた、すごい風で。

仕事場の窓から見える銀杏並木の金色に染まった銀杏の葉が、
耐え切れなくて舞っていく。

道路一面に、よこなぐりの銀杏吹雪。
金色の葉が、キラキラキラキラと舞っていく。
しばし、見とれる。


ありがとう、今年も。
あたたかい金色を見せてくれて。

ありがとう。