ひつじのさんぽ

気の向くままゆっくりのんびり。出会ったひと・もの・ことを書きとめてみます。by ポポ

母の誕生日

2011-02-20 15:57:32 | 小さなおはなし

母の誕生日。

お祝いをしたら、「ありがとう」と言われた。

こちらこそ、ありがとう。
お祝いさせてくれて、ありがとう。


私は歳だけ重ねて大人になったけれど、
いつまでもお母さんのこどもだから。


元気で、長生きしてね。

お父さんもあちらから笑って見守ってくれていると思うよ。



日記帳

2011-01-29 13:28:56 | 小さなおはなし
1月さんもあと3日でおしまいです。

今年も、日記帳を買いました。
毎年、新しくて真っ白なページをパラパラとめくりながら

「ここに何を記していくのかなぁ」と思うのです。


ドキドキとわくわく。
期待と不安。

ちょっとした絶望と、脱力。


ただひとつ思うのは、
素敵なことばを、できるだけたくさん書きとめていきたいということ。


自分を支えてくれるような。
生きていく糧になるような。
だれかに届けたくなるような。

自分の中から湧き上がってくるような。


そんなことばたちに、この1年もたくさん出会えますように。




ちなみに、私の日記帳はここ数年「ほぼ日手帳」です。
すっかり、とっても、お気に入りです。

小さなおともだち

2010-12-23 17:33:59 | 小さなおはなし

ひさしぶりな友だちに会って。
彼女の8歳の娘さんも一緒に来て。

しばらくおしゃべりした後に、さあそろそろ、と
駅まで歩いていたとき。

娘ちゃんはさりげなく私の手をとって
「これ、春まで貸してあげてもいいよ」って。

これ、というのは娘ちゃんがもってきた小さなぬいぐるみ。
ピンクのふわふわしたなにかのキャラクターで、
胸に赤のハートがついていて、かおはニカッと笑っていて。
ハートを押すと「きゃはは、けらけら~っ」と楽しそうに笑う。

おしゃべりしていたときも何回か私の耳にあてて
笑い声を聞かせてくれてた。

「これ、すきだなぁ~ たのしいなぁ~」って言ってたのだ。

そうしたら、「貸してあげる」って。
ぱっと、手渡してくれて。

おしゃべりの内容から、私が元気ないんだって察してくれたのか。
お気に入りなのに、いいのかしら…と戸惑ってる私に
友だちも「借りときなよ」って。


「でもね、春までよ。春になったらすぐ返してね」
そういって手を振りながら改札を通っていった。

ありがとう、ちいさなお友だち。
けらけら笑って、春まで過ごすね。





いちょう吹雪

2010-12-04 19:10:08 | 小さなおはなし

12月になりました。

昨日はものすごい、雨風。
朝も8時になるというのに空は真っ暗。
雨が激しすぎて、白いカーテンがたなびいているみたいに
覆いつくしていて。

仕事に行かないといけないけど、とても外に出る気にはなれない。
でも、行かないと。

しかたない、と思って家を出ると、あれ?雨が弱まっている。
駅まで歩く10分ちょっとの間にみるみる空が明るくなって、

足元の水たまりに、何か輝くものがちらちらと写る。

もしや…と見上げるそらに、うっすらと虹がかかる。

「ありがとう」

だれに届けるわけでもないけど、そんなふうにつぶやいて駅へ急ぐ。


午後はまた、すごい風で。

仕事場の窓から見える銀杏並木の金色に染まった銀杏の葉が、
耐え切れなくて舞っていく。

道路一面に、よこなぐりの銀杏吹雪。
金色の葉が、キラキラキラキラと舞っていく。
しばし、見とれる。


ありがとう、今年も。
あたたかい金色を見せてくれて。

ありがとう。




頭の上から…

2010-09-18 11:00:54 | 小さなおはなし

朝の満員電車の中で…

タイミングよく、座ることができてほっと一息。
ipodで好きな音楽聴きながらぼんやりしていました。

次の駅で、どやどやと人々が乗り込んできて、
斜め前に立った男性が、よいこらしょっと網棚に皮のがっちりした鞄を
乗せようとしていました。

が、うまくいかず。

ここまで読んでみなさんご想像のとおり、落ちてきたわけです。
私の頭の上に。ドリフのコントみたいに、どーんと。

新聞紙もいっしょに、ばさばさ~っと。
あわてる男性。
思わず受け取ろうと手を伸ばす私。

「すいません、すいません、大丈夫ですか?」
「いえいえ、大丈夫です」

鞄を拾い上げて、なんとか網棚に。
私は知らん顔してまた音楽を聴きながら眼を閉じて。

でも、おかしくて、おかしくて、
今の状況を周りから見ていた映像を自分で再生してみると、おかしくて。
笑いをこらえるのに必死でした。


降りる駅について席を立つと、思いがけずかばんを降らせた男性が
「すみませんでした」とまた謝ってくれました。

わたしはもう気にしていなかったのに謝ってくれてうれしかったです。
それよりも、むっとしがちな自分が「わらえちゃった」ことがうれしかったな。

今日もいい一日になりそうだ、と思った朝の出来事でした。