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ドイツ留学 Q&A

2022年05月27日 | ドイツ留学相談室
ドイツ留学 Q&A


こちらのページの情報は、「ドイツ留学相談室」に寄せられたり、直接学生などから寄せられたりした質問への回答を一般化したものです。質問も回答も、その当時のものをそのまま掲載していますので、古い情報である点をご了承ください。リンクについては更新を行っています(2022.5)。

DSH


DSH-6
私は以前にDSHに合格しましたが、現在のようにDSH-2とかDSH-3といった評価はされていません。これでは有効なDSHとして認められず、DSHを受けなおさなければならないのでしょうか。
2005年のDSHの規定の変更で、従来の「合格か不合格」だけではなく、合格についてはDSH-1~DSH3までの3段階の評定が行われるようになりました。ただ、従来の「DSH合格」の証明書はDSH-2として認定されますので、殆どの大学・学部で入学許可は下りるはずです。
DSH-5(08.6.13更新)
DSHの受験回数は、例えば同時期に2つの大学に出願して、それぞれでDSHを受けても2回とカウントされてしまうのでしょうか。よく同時期に(州を変えて)多数のDSHを受けている話を聞きます。これは、違法となってしまうのでしょうか?
従来、「DSHは生涯を通じて原則として2回しか受けることができない。」ということになっていましたが、2004年に施行された新しいDSHの実施規定では、単に「DSHは繰り返し受験が可能である "Die DSH kann wiederholt werden"」と変更されました。これをどう解釈するかは現状では各大学に委ねられているところがあり、過去の受験回数を問わない大学と、従来通り繰り返しは1回のみとしている大学が並存しています。DSHの再々受験を認めていない大学については同時期に受験したDSHはそれぞれ1回とカウントされてしまうことも考えられます。具体的な対応については直接大学に問い合わせて下さい。
DSH-4(08.6.13更新)
DSHに2回落ちると、ドイツ留学の可能性は全くなくなってしまうのですか?
上記DSH-5の回答を参照してください。
DSH-3
ある大学で合格したDSHが、別の大学で必ずしも有効でないという話しを聞きました。本当ですか?
どこかの大学のDSHに合格すれば、それはドイツの全ての大学で有効というのが原則です。ただ、大学によっては他大学で行われているDSHの内容を調べ、試験の形式の大枠(「ドイツ留学ガイド」の「DSH」で述べているような)の基準を満たしていなかったり、レベルが低過ぎたりした場合、そうしたDSHに合格している者に対して追試験を行っている大学があります(マインツ大学など)。こうした大学のDSHはハイレベルということになりますが、信用できる大学ということもできます。

原則としてはDSH-2の評定値があればどこでも受け入れOKということにはなっていますが、各大学・学部で独自の受入基準を設けている場合があるので、評定値によっては学籍登録が認められない可能性はあります。個別のケースについては直接大学のAAAに問い合わせてください。

DSH-2(08.6.13更新)
「DSHは生涯2回までしか受けられない」ということですが、過去の受験記録はドイツの全ての大学共通のデータとして管理されているのでしょうか?
2004年に新しいDSHの実施規定が施行されたことを受けて過去のDSH受験回数を問わない大学が出てきたことで、過去の受験記録については把握が困難になってくることが予想されます。一方、DSHの再々受験を認めていない大学同士では逆に過去の受験記録を益々重視して、データを共有することも考えられます。この回答と併せて、上記DSH-5の回答も参照してください。
DSH-1
DSHに一度合格すれば、それは一生涯の大学入学ドイツ語能力証明として有効なのですか?
DSHはドイツの全ての大学が統一された基準に基づいて実施しています。従って、DSHの結果自体はどの大学でも生涯有効です。
しかしながら、各大学・学部で独自の受入基準を設けている場合があるので、DSH合格の評定値によっては学籍登録が認められない可能性はあります。
また、DSH以前の"PNdS"と呼ばれていたドイツ語試験についてはも原則としてDSHと同等とは言われていますが、個別に問い合わせた方がいいかも知れません。


受入れ条件


ZULASSUNG-9
ただいまアメリカの2年制カレッジに通っていて、卒業後ドイツに留学したいと考えています。日本の4年制大学に1年以上在籍か、短大卒業が現地の大学の入学資格になるようですが、アメリカの短大を卒業しても入学資格はありますか。
外国の教育システムで得た資格がドイツの大学への入学資格としてどのように認定されるか、
ということを調べる場合、当ホームページのリンクのサイトで紹介しているZAB(外国からのドイツの大学への入学資格を審査する公的機関)が提供している"anabin"というサイトを利用するのが良いと思います。

以下の手順でアメリカの場合を調べることができます。 同様の手順でアメリカ以外の国での入学資格を調べることもできます。

anabinのメインサイトにアクセスする。
②左のメニューから"Schulabschlüsse mit Hochschulzugang"を選択する。
③中ほどにある"Suchen"を選択し、入力欄にプルダウンリストから"USA"を選択する。

ここで表示される案内がアメリカからドイツの大学へ入学する際に必要な学業修了資格となります。この画面から更に詳細な情報が得られます。

ただし、ドイツの大学へ出願する場合、高校の卒業証明書も必要となります。日本の高校を卒業してアメリカに留学している場合、2カ国の教育制度を経たイレギュラーなケースとなりますので、志望先のドイツの大学に直接個別に、事前に確認することをお勧めします。また、ご質問にある「アメリカの短大」がコミュニティーカレッジ系列の場合は特に注意が必要です。

ZULASSUNG-8
日本の大学を卒業後大学院へ進学し、日本で修士を取った後にドイツへ長期留学を計画しています。将来は大学の教員を目指しておりますが、民間企業への就職も考えています。こうした場合はどのような方法で留学するのがベストでしょうか。
*まず必要なのは,ドイツ語能力の証明です。これは日本からであればTestDaFなり,Goethe-Institutの最低でもZMP以上の資格が必要です。(ZMPは,最近はあまり大学での勉学の語学資格として認められていないようですが,学部などによっても違うので,希望する大学に確認してください。)
ドイツ語力は,できるだけ日本で作り上げておくことが大事です。そうしないと留学しても多くの時間をドイツ語学習に割くことになってしまいます。

*修士を修了した段階で留学するとすれば,ドイツで学位を取るとすれば,DiplomかDoktorになります。同じ系統のコースを学ぶのであれば,日本で取得した授業の単位を認定してもらえますので,Diplomに関しては順調に勉強できれば4年は必要はないはずです。
Doktorについては,何年かかるかは一言ではいえません。というのも,日本なら博士課程に入学すれば自動的にDoktorandですが,ドイツでは教授との関係を築いて認められることではじめてDoktorandとなるという感じですし,教授の求める論文のレベルなどもあるからです。Doktorについては,4年が最短だと考えてください。

*留学に関しては,修士まで終わってから留学するという考え方もいいのですが,これはリスクも大きいのです。なので,修士の途中でとりあえず1年だけでも様子を見るようなかたちで(在学中の大学が提携している大学などに)留学してみる,その上で修士後に腰を据えて留学するのかを考えてみる,という考え方もあると思います。(提携している大学としたのは,語学力に多少の不足があっても,正規の学生登録を認めてくれる場合もあるからです。そうしないと単なる語学留学に終わる可能性も高いので。)

*大学教員を目指すのであれば,30歳は決して遅くはないのです。ただし,日本の先生ともマメに連絡を取るようにしたり,日本との関係(先生方,学会,etc)も大切にしてください。

ZULASSUNG-7
専門学校卒業ではドイツの大学への受け入れ資格は認められないのでしょうか。
ドイツの大学への入学資格は当ホームページの「ドイツ留学ガイド」の中の「大学入学資格」の項目で説明してある条件を満たしている場合、つまり:
・高卒でセンター試験を受けて大学の入学許可をもらった場合(細かい条件があります。HPを参照して下さい)
・大学に最低1年在籍していて一定の単位を修得している場合
・大学を卒業している場合
に限られます。専門学校卒業だけではドイツの大学への入学資格は認められません。

ZULASSUNG-6
日本の大学の学部を卒業していれば、ドイツの大学のMasterコース(修士課程)への入学資格はありますか。
(07.11.14更新)
ドイツの大学では従来のMagisterやDiplomという課程はBachelor(学士)-Master(修士)というインターナショナル・スタンダードへと移り替わりつつあります。マインツ大学を例に取れば2008/09年冬学期の段階で約70%の課程でBachelorが開設される予定です。

ただ、Masterコースについてはまだこれからという状況で、当初の大学改革プランでは2010年にはBachelor-Masterへ完全移行するということでしたが、Masterまで整うにはさらに時間がかかりそうです。このような理由から現在はMasterへの受け入れ条件なども整っておらず、それぞれの大学の学部での判断に委ねられているようです。

ドイツの大学院レベルでの専攻を考える場合、まずは旧来からのMagisterのコースの上の学期への編入というのが今は現実的なようです。その際、これまで日本で修得した科目とか資格についての審査が行われます。この認定基準の審査はMasterコースが整っている場合でも行われます。つまり、日本でのBachelor資格がそのままドイツの大学のMaster受入れ資格にはならないということです。

日本の大学で取得した課程の内容がドイツの大学のMasterの内容に合わない場合、提出した成績が足りない場合、卒論を書いていない場合などはMasterへの受け入れが認められないことが考えられます。

ドイツの大学の修士課程にダイレクトで進みたい場合は、まずは目当ての大学にMasterコースが整っているかを調べ、個別にその受入条件をよく調べること、日本の大学で良い成績を取っておくこと、ドイツで進みたい課程の内容を良く調べて、それに合った科目をなるべく多く履修することが望ましいと思います。 場合によっては十分な量と内容の卒論を書いておくことも必要でしょう。

ZULASSUNG-5 (14.2.17更新)
日本の大学の通信課程で学んでいますが、通信課程の在学でもドイツの大学の受け入れ資格として認められますか。
外国の大学がドイツの大学と同等の教育機関であるかどうかの判断は、anabinのサイトにその大学が記載されているかどうかで決まります。anabinに記載されている大学であれば、通信課程か通学課程かの区別は問われません。

※2005年1月に同様の質問があり、ドイツの大学へ問い合わせたときは、「通信課程は、そのまま大学入学資格として認定されることは難しいと考えた方がいい」という回答がありましたが、今回改めて質問を出して上記の回答が得られました。

ZULASSUNG-4
ドイツの大学への入学資格を得るために、日本の大学を受験して合格通知書を取得しようと思うのですが、ドイツの大学で専攻したい分野の学部を受験しなければなりませんか?
ドイツの大学の入学資格として必要なのは「日本の大学の合格証明」であって、学部に関しては問われていません。つまり、例えばドイツ文学、医学、心理学・・・ 学びたいものが何であっても、日本の大学で受験する学部は、それに該当する学部である必要はありません。

但し、ドイツ語試験(DSH)以外に入学のために試験(Eignungsprüfung)を実施している学部、例えば、音楽、美術、体育等を専攻したい場合は、原則として日本の大学の該当する学部に合格していることが求められます。

ZULASSUNG-3 (2006.1.16更新)
高校を卒業して日本の大学に行かずにドイツへ行きたいのですが。日本の大学に合格していなくても、まずはドイツの大学併設のドイツ語コースに行くことはできますか?
「ドイツ留学ガイド」で高校卒業+(センター試験の合格証明或いは1年間の大学での学業証明)と説明してあるドイツの大学への入学条件は、併設のドイツ語コースの場合も同様に適用されます。従って、日本の大学に合格せずにドイツの大学併設のドイツ語コースへ行く道は残念ながらありません。

また、本来ドイツでの大学入学資格を満たしてい外国人が、その資格を取得するためにあるStudienkollegでも、出願条件として「大学の合格証明 または/および 大学での1~2年での学業証明」とあります。
この条件は「いくつかの国については」という但し書きが付いていますが、この「いくつかの国」に日本が含まれたケースが過去にあります。ドイツの大学に留学したい場合、たとえその準備のためのStudienkollegやDSHコースに入るに際しても、大学への直接の出願資格を満たしていなければ難しいようです。

【Studienkollegについて】
Studienkollegではドイツの大学で必要なドイツ語力をつけるためのドイツ語の授業の他に、大学で専攻したい分野によって(人文系、理系、社会学系、医学、スポーツ)数学、物理、文学、歴史等の授業も行われ、卒業試験でもドイツ語にこれらの科目が加わります。これらの授業はドイツ語で行われるため、この学校への入学条件として初級終了程度(独検でいえば3級程度)のドイツ語力が問われます。
Studienkollegはドイツの大学同様授業料は無料です。更に詳しくはこちらのホームページStudienkollegs in Deutschlandを参照してください。

ドイツの大学での留学準備のためにも役立ちそうなStudienkollegですが、Studienkollegへの入学条件が日本人にとってはドイツの大学への出願資格と場合によっては同じになってしまっている現状では、「大学への直接の出願条件を満たしている」という理由で出願自体が認められないというケースも出てくるかも知れません。

ZULASSUNG-2
ドイツの大学へ留学するためには「センター試験で合格していることが条件」とありますが、これは合格証明書があればいいのでしょうか。それとも入学手続きまでして在籍を証明しなければいけませんか。
センター試験の合格証明書があればドイツの大学で有効です。入学手続きをする必要はありません。

合格証明書の有効期間は各大学の判断により決められますが、通常1年程度の場合が多いようです。各大学が決めた有効期間を過ぎた証明書しか提出できない場合でも、その後継続してドイツ留学の準備をしていたことを証明する書類(語学学校の在籍証明等)を提出することで認めてくれる大学もありますので、「期限切れ」とされた場合でもあきらめずに詳しく事情を説明してみましょう。

ZULASSUNG-1
DAAD発行の"Studium in Deutschland"という冊子を読んでいたら、「自国の大学に2学期以上在籍していた場合はドイツの大学の学部への入学許可が出る」と書いてありました。こちらのサイトでは「センター試験を受けて合格するか、1年以上大学に在学していること」が受け入れ条件と書いてありますが、1年以上在学していなくても、センター試験に合格するだけど本当に大丈夫ですか?
DAAD発行の冊子"Studium in Deutschland"では全世界に向けた一般的な情報を提供しています。しかし入学許可条件は国によって事情が異なることが多く、実際には国ごとのかなり詳しい基準があり、日本には該当しない記述も多く含まれます。

日本の場合はセンター試験の合格証明があれば、日本の大学での在学暦がなくてもドイツの大学の受け入れ基準を満たします。但し、短期大学の場合は卒業していることが問われます。


Numerus clausus(入学定員制限)


NC-4
日本でどのぐらいの成績を取っていればNC-Fachに入ることができるのでしょうか。
これは大学によって、またそれぞれのNC-Fachによって、そして学期によって事情が大きく異なります。各大学のホームページでNCの情報が載っているはずですのでそれを確認して下さい。

調べる方法は、NC-Grenzeといって過去にそのNC-Fachにパスした外国人志願者の最低ラインを参照することです。ホームページでは過去3学期分ぐらいのNC-Grenzeが出ているはずなので、その合格最低ラインを参照することである程度の合否の見当をつけることができます。

ドイツの成績は良い方から1~4までが合格扱いです。日本の大学の成績証明書には通常単位が取れた科目しか載っていないので、A,B,C(「優」「良」「可」) の3段階評価であれば、これを1~4までの数値に換算した値で参照できます。仮に「不可」の科目が証明書に載っていたら、これを5とか6として計算に入れなければなりません。日本で取得した「良」の評価がドイツで正確にいくつになるかは、各大学で換算方法が違うので、各大学に問い合わせて下さい。

NC-3
NC-Fachへ入るには出願時の成績に待ち期間等の事情が加味されるということですが、具体的にどのような条件が対象となりますか?
NC-2のQ&Aで「成績に待ち期間等の事情が加味される」と説明したのはドイツ人やEU圏内の志願者、それに他国のドイツ人学校などでAbiturを持っている志願者のみが対象で、それ以外の志願者は原則として成績が唯一の判断材料となります。つまり1年待ったとか2年待ったとかいうことで、NC-Fachへ入る優先権が得られるということはありません。従って成績のいい者から、5~10%の各大学の外国人枠に入れることになります。

成績は出願書類の1つである日本の大学の成績証明書の内容が大きな判断材料になりますので、日本の大学でいい成績を取るように努力してください。

大学によっては国籍のバランスを取るために、国籍を入学許可の判断基準として考慮されることもあります。

NC-2
NC-Fachに入学するにはどうしたらいいのでしょうか?
Abiturをもったドイツ人やEU圏からの全国版のNC-Fachへの志願者は、個別に大学に志願するのではなくZVS(Zentralstelle für die Vergabe von Studienplätzen)という入学者配分センターへ志願し、ZVSが入学許可を決定します。大学の選択は原則としてZVSに一任する形になりますが、志願者が大学を特定することもできます。しかし、入学許可を得る可能性が狭まることにもなります。ZVSは志願者のAbiturの成績に、これまでの待ち期間やその他の理由(兵役や社会奉仕の期間中であるか、親の介護をしなければならないか等)の事情を加味したデータを基に入学許可者を決めます。

日本人など、上記地域以外からの志願者には別の措置が取られます。ドイツの大学では多くの国からの留学生を奨励していますので、外国人枠としてNC-Fächerの学科に5~10%の外国人枠を設けています。上記の地域以外からの志願者は全国版NC-Fachであっても個別大学版NC-Fachであっても、それぞれの大学に通常と同じように出願することになります。

NC-Fachへの出願条件として「DSHに既に合格していること」を前提条件としているような大学もあります(ケルン大学)。NC-Fachに出願する場合は出願先の大学のホームページ等で詳しい情報収集に努めてください。

NC-1
Numerus claususとは何ですか?
ドイツの大学には日本のような入試がなく、「ドイツ留学ガイド」で説明している大学入試資格(Abiturかそれと同等の資格)を持っている者は原則として誰でも希望大学の希望学科に入ることができます。しかし、定員以上に希望者がある場合には定員オーバーが起こり、全員の入学ができなくなります。この場合に取られる措置がNumerus clausus(ヌメルス・クラウズス)‐入学定員制限です。こうした制限がかかっている学科を略してNC-Fachと呼んでいます。

NC-Fachにはドイツ全国どの大学に行きたい場合でも入学制限がかかる全国版のものと、特定の大学だけで入学制限がかかっている個別大学版があり、どのような科目がNC-Fachかは毎学期変わります。NC-Fachの最新情報はZVSのホームページを参照してください。


大学併設のドイツ語コース


SPRACHKURS-1
大学併設のドイツ語コースで「ドイツ留学ガイド」に紹介されているような、DSHを目的とせずもっと広い受講者を対象としたような一般的なコースはどのように探せばいいですか? 申込み方法は?
DAAD発行の冊子"Deutsch als Fremdsprache an den Hochschulen und Studienkollegs in Deutschland Die Sprachlehrangebote"には大学併設の全てのドイツ語コースが載っています。ここで紹介されているコースのうち、大学には通常置かれていないGrundstufeのコースを提供しているようなコースは、より広い受講者を対象にしていることが予想されます。こうした大学に資料請求をしてみてください。

申込み方法はあくまで大学への入学という形をとるので、正規の留学の場合同様の願書や証明書を期限までに(1月15日/7月15日)送らなければなりません。

「留学ガイド」にドイツの大学の有料のドイツ語コースを紹介してあります。こちらもご参照ください。


ドイツの大学一般


UNI-4
将来ドイツで日本語教師として働くには、ドイツの大学で何を専攻する必要がありますか。
ドイツの語学学校や市民大学で日本語を教える場合は、特に大学で特定の学科を専攻していることは求められません。日本語が良くできればいいわけですが、良い条件で働くには日本語の能力の他に、日本語教育の能力が証明できた方が望ましいでしょう。

大学で教える場合は、第2外国語など専門外の日本語として教える場合は上記の条件と変わりませんが、日本学科における日本語を教えるような場合は、「外国語としての日本語」"Japanisch als Fremdsprache" や、教育学を専攻している必要があります。

日本語教師の場合はいくつもの講座や授業を同時に受け持たない限り収入としてはあまり多くは望めません。副収入としてはそれなりの稼ぎにはなっても、これで生活して行くことは厳しいのが現状です。

語学学校で専任の契約を結んだする際には、ドイツ語力が役に立つでしょう。

UNI-3
ドイツの大学の医学部に留学した場合、国家試験を受けて卒業しても医師免許がもらえず、 日本に帰国しても国家試験を受けることができないと聞いたのですが本当なのでしょうか。
外国人がドイツの大学の医学部を国家試験を経て卒業することはドイツ人同様に可能ですが、 ドイツでの開業免許を取得する道は原則として外国人には開かれていません。

ドイツの医学部を卒業して日本の国家試験の受験資格が得られるかどうかについてですが、 国家試験受験資格認定としては医師国家試験の受験資格が認定される場合と医師国家試験予備試験の 受験資格が認定される場合があり、厚生労働省によるとドイツの大学の医学部を卒業した場合は 上記試験のいずれかの資格は殆ど認められているそうです。
どういう場合に上記の試験のどちらの受験資格が認定されるかなど、個別の質問等については直接厚生労働省にお問い合せください。

UNI-2
ドイツの大学ランキングはどうすればわかりますか。
「ドイツの大学はランキングとかレベルの差というものは存在しない」というのがドイツの大学の建て前となっています。一般的にも日本やアメリカのように、「どこそこの大学は名門」といった認識は薄いのが事実で、基本的にどこの大学でも同等のレベルの教育を受け、研究することができると言って差し支えないと思います。

ただ、いくつかの大学の特定の学科に人気が集まることはあり、そうした人気学科をランキング付けした週刊誌などが出ています。雑誌シュテルンがCHE(Zentrum für Hochschul- entwicklung)と協同して各大学の学部毎の教育・研究条件がどの程度充実していて、学生にどのように評価されているか、といったことをまとめた参照価値のある検索サイトもあります(←リンク切れ/2022.5確認)。

UNI-1
卒業論文を書かずに日本の大学を卒業した場合、ドイツ語圏の大学院に進む場合に影響がありますか。
ドイツの大学には「大学院」という概念がありません。一般的にドイツの大学で最初に取得できる学位は日本で言えば修士に当たるものですので、日本で4年制大学を卒業してドイツの大学に編入すると、学位取得までに更に最低3年、場合によっては4~5年かかります。修士にあたるマギスターとかディプロームを取得した後、ドクターコースに進めます。

日本の大学を卒業することによってある程度単位(厳密に言うとドイツの大学は単位制ではないので、科目認定ということになりますが)を認定してもらえますが、いずれにしてもドイツでの「修士」取得のための単位として一部が認められるだけの話で、修士を取得するためには当然新たな論文を書く必要があります。ですので日本で卒論を書いていようがなかろうが、修士取得までの道のりにそれ程の違いはありません。そもそも日本の大学で書く20~30ページ程度の卒論はドイツの大学ではゼミ論1つ程度の価値にしかなりません。

卒論をドイツ語で書いておくことはドイツでの勉強の準備、という意味においては価値は高いでしょう。


その他の質問


SONST-5
私は将来保育士になりたいと思っています。ドイツで保育士の免許を取ることは可能ですか。どうすれば、そういう大学を探せますか。
ドイツでは大学を出て就く仕事と、職業学校を出て就く仕事が明確に分かれています。 保育士の場合、後者の職業学校を出て就く職種となります。

保育士になるためには、まず1年間幼稚園での実習を行い、それに引き続き高等職業専門学校(Fachschule)で保育士のことや、一般教養について勉強します(通常3年、最短2年)。それからさらに別の幼稚園で最終的な認定のための実習を1年おこない、 試験に合格して初めて保育士になれます。つまりドイツ人が保育士になるためには通常足掛け5年を要することになります。

外国人に対する制限については「保育士養成・認定規程」には記されていませんが、現状がどうであるかは不明です。詳細はドイツの各州の教育省(Kultusmisterium)、Fachschule、Berufskolleg等にお問い合わせ下さい。

SONST-5
まずはドイツの語学学校に通って、ドイツ語のレベルアップを考えています。語学学校のコースは通常2~3カ月単位ですが、こうしたコースの許可証でビザを取得することはできますか。
2000年よりドイツへ入国するためのビザは不要になりました。ただし3ヶ月以上ドイツに滞在する場合は、ドイツの外国人局(Ausländeramt)で滞在許可申請をする必要があります。
語学学校に通う目的での長期滞在許可を申請するには、週20時間以上の授業時間が確保されているコースの受講証明書の提出が必要です。受講期間は更新しながら延長して行くことが多いと思いますが、受講期間を延長するという前提で、まずは今持っている受講許可証で長期の滞在許可を申請することは可能です。詳しくはドイツ大使館領事部へ直接お問い合わせ下さい。(03-5791-7753)

SONST-4
ドイツへ留学する際にできれば奨学金を借りたいのですが、どんなものがあるのでしょうか?
ドイツ留学で奨学金をもらうのは、なかなか狭い道とお考えください。
ドイツの大学には大学独自の奨学金というものが殆どありません。授業料が無料であるため、他の国への留学と比べれば経済的にはかなり楽であるという状況が、大学レベルでの奨学金制度が発達しない一因かもしれません。

ただ、各大学レベルではなく、様々な公的&非営利機関・団体が奨学金制度を実施し、ドイツの高等教育・研究機関での研究活動をサポートしています。その代表的な団体がDAAD(ドイツ学術交流会)です。対象者は日本の大学の当該年度卒業予定者か卒業生、或いは大学院生で、かなり高度なドイツ語レベルと、研究計画書等の提出により研究目的が問われます。

フンボルト財団など、その他の団体による奨学金はどれも殆どが大学院レベルでの長期の留学予定者を対象としたものです。ドイツで本格的な研究活動をお考えでしたら、これらの奨学金の給付条件などを調べてみる価値はあると思います。これら他の団体の奨学金もDAADのHPから照会できます。

SONST-3
ドイツ留学中にアルバイトはできますか?
EU圏以外からの外国人学生は年間フルタイムで90日、ハーフタイムで180日までアルバイトをすることが認められています。従って下記SONST-2であげたぐらいの貯金は留学前に用意しておかなければなりません。

上記の枠以外で就労許可(Arbeitserlaubnis)をもらわずにアルバイトをしている留学生も実際には多いようですが、これは厳密に言えば違法扱いとなります。

SONST-2
ドイツの大学に留学するにはどのぐらいの費用がかかりますか?
ドイツの大学はこれまで授業料が無料だったので、他の国に留学するのよりも経済的に楽でしたが、2006年冬学期より州によって1セメスターにつき最高500ユーロの授業料がかかってくるため、年間で1000ユーロの負担増となります。実際に現地でかかる費用(授業料を含まない)の内訳は、最近留学から帰った学生達からの報告で以下のような結果になっています。

① Semesterbeitrag/Sozialbeitrag
学期毎に大学に払う施設管理費のようなもの。ここには市内・近郊交通など普段の行動範囲ならこれ1枚で殆ど間に合う半年間無料パス代なども含まれ、半年でおよそ100ユーロ。
② 家賃
学生寮や民間のWGといった安めの宿泊施設を利用して、1ヵ月約150~250ユーロ。
③ 保険料
学生に義務付けられている保険料が1ヵ月約58ユーロ。
④ 食費
学食などを利用して、1ヵ月約100~200ユーロ。
⑤ 図書、文具等
1ヵ月約10~30ユーロ。
⑥ 衣服、電話代、交際費、娯楽費等その他の費用
1ヵ月約50~120ユーロ。

生活スタイルや地域によって差が出ますが、授業料導入前までは全ての費用を合わせて1ヵ月平均でおよそ450~550ユーロで生活できていました。年間にすると5400~6600ユーロということになりますが、授業料が導入される州の大学ではこれに年間授業料1000ユーロが加わってきます。どの州で授業料がかかるかは、「ドイツ留学ガイド」の「授業料導入をめぐって」を参照して下さい。
ドイツへ留学するためには事前に月額585ユーロ(2006年11月現在)の預金残高証明が必要です。

SONST-1
オーストリアやスイスの大学へ留学する場合もドイツと同様の手続きでできますか。
(10.1.15更新)
同じドイツ語圏であるオーストリアの大学へオーストリアの歴史や芸術などを学ぶために留学することは大いに考えられることです。オーストリアの大学も原則として留学生に門戸を広く開いていますが、以下のようなドイツ留学よりも難しい事情があります。

1.オーストリアの大学にはドイツの大学のAAAのような留学生を専門にケアするようなセクションがない場合が多い。
2.出願書類として英文の証明書ではなくドイツ語の証明書を求められるなど、手続きが煩雑。

このような理由から、オーストリアへ留学する場合は、より慎重で周到な準備が必要になってきます。オーストリア大使館が、オーストリアへの留学についての情報で提供していますので、まずはこちらをよく読んで下さい。

なお、2002年にEU域外等からの外国人学生に対して導入された授業料(年1450ユーロ)は2009年に法改正が行われ年約730ユーロに減額され、オーストリアの大学への留学は経済的な負担は少なくて済むようになりました。上記ホームページでオーストリア留学の概要をつかんだら、次は個々の大学に問い合わせて早めに留学準備を進めてください。

スイスのドイツ語圏の大学への留学は事情が更に複雑です。詳しくは三修社発行の「ドイツ留学事典」(生田眞人著)を参照ください。

なお、オーストリアやスイスの大学で行っている夏期ドイツ語講習などはドイツでの講習と同様に簡単に参加することができます。

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