1月17日(水)シャルル・デュトワ指揮 NHK交響楽団
《1月Bプロ》 サントリーホール
【曲目】
1.ラヴェル/優雅で感傷的なワルツ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_heart.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_warai.gif)
2.ラヴェル/左手のためのピアノ協奏曲二長調![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_warai.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
Pf:ジャン・フィリップ・コラール
3.チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調Op.74「悲愴」
9ヶ月振りに登場のデュトワが前半に聴かせてくれたラヴェルはどちらも極上もの。「優雅で感傷的なワルツ」が始まった瞬間に、もう優雅でつややかで高貴なオーケストラの響きと語り口に魅了されてしまった。余分な力が一切かかっておらず、軟らかな動きから発せられる音がこれほど良く響くということを実感。透明感があっておいしい養分がいっぱい入ったような響き!「ワルツ」というこの曲の題名を第1曲や終曲以外でも全曲を通して自然に感じさせてくれるムーヴマン、そしてやはり全曲を通して貫かれている凛とした美しい出で立ち。この音楽を最も理想的な姿で聴かせてもらったような充実感を味わった。
続く左手のためのコンチェルトは同じラヴェルでも前の曲とは随分毛色が違うが、華やかさと暗い緊迫感が共存するこの「濃い音楽」をデュトワ/N響は、熱のこもった気迫を気高い高級感で包み、奥行きのあるサウンドで濃厚に表出。そして主役のジャン・フィリップ・コラールの素晴らしいピアノ!強靭なタッチが冴え渡り、縦横無尽に駆け巡る音たちをがっちりとつかんでコントロールし、曲の輪郭を力強く柔軟に描いて行く。磨かれたシルバーの光沢を想わせるようなコラールのピアノの音色が、硬質な全体像に陰影と深みを与える。こうしたデュトワ/N響とコラールががっちりと組んだパワフルで情熱的で高貴な演奏は孤高の魅力を備えていた。
後半の「悲愴」はオケの各パートがたっぷり歌い、踊り、炸裂するのを耳と目で楽しんだ。N響の楽員は演奏にエネルギーを投入していて生演奏の醍醐味が伝わってきたが、それが1つのオーケストラの音として襲いかかってくるような迫力を体験するまでには行かなかった。それにフォルティッシモの強強も、エスプレッシーヴォの熱演も明るすぎる気がした。3楽章~4楽章へ休みなしでアタッカでつなげたことが、この一瞬の隙を狙ったかように入った「パラパラ」という拍手の興醒め効果を反って強調することになってしまった。第4楽章では焦げ付くほどの熱い演奏で気分を盛り上げたが、それがだんだんと静まって無へと消えて行く様子にもやはりもっと深刻さが欲しい。最後の静寂の場面でうしろのおやじの派手なイビキが侵入してオケのパートのように鳴っていたのにあまり腹が立たなかったのは、やっぱり心が演奏に没入していなかった証拠かも知れない。
今日配られたN響機関紙「フィルハーモニー1月号」に今年9月の指揮者が発表された。ずっと「未定」となっていたので大物がくるのでは?と期待していたのだが、ナ・ナント!プレヴィンの名が
今からワクワクする!今度はなんとしても体調を整えて来日を実現して欲しい!!!
《1月Bプロ》 サントリーホール
【曲目】
1.ラヴェル/優雅で感傷的なワルツ
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2.ラヴェル/左手のためのピアノ協奏曲二長調
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Pf:ジャン・フィリップ・コラール
3.チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調Op.74「悲愴」
9ヶ月振りに登場のデュトワが前半に聴かせてくれたラヴェルはどちらも極上もの。「優雅で感傷的なワルツ」が始まった瞬間に、もう優雅でつややかで高貴なオーケストラの響きと語り口に魅了されてしまった。余分な力が一切かかっておらず、軟らかな動きから発せられる音がこれほど良く響くということを実感。透明感があっておいしい養分がいっぱい入ったような響き!「ワルツ」というこの曲の題名を第1曲や終曲以外でも全曲を通して自然に感じさせてくれるムーヴマン、そしてやはり全曲を通して貫かれている凛とした美しい出で立ち。この音楽を最も理想的な姿で聴かせてもらったような充実感を味わった。
続く左手のためのコンチェルトは同じラヴェルでも前の曲とは随分毛色が違うが、華やかさと暗い緊迫感が共存するこの「濃い音楽」をデュトワ/N響は、熱のこもった気迫を気高い高級感で包み、奥行きのあるサウンドで濃厚に表出。そして主役のジャン・フィリップ・コラールの素晴らしいピアノ!強靭なタッチが冴え渡り、縦横無尽に駆け巡る音たちをがっちりとつかんでコントロールし、曲の輪郭を力強く柔軟に描いて行く。磨かれたシルバーの光沢を想わせるようなコラールのピアノの音色が、硬質な全体像に陰影と深みを与える。こうしたデュトワ/N響とコラールががっちりと組んだパワフルで情熱的で高貴な演奏は孤高の魅力を備えていた。
後半の「悲愴」はオケの各パートがたっぷり歌い、踊り、炸裂するのを耳と目で楽しんだ。N響の楽員は演奏にエネルギーを投入していて生演奏の醍醐味が伝わってきたが、それが1つのオーケストラの音として襲いかかってくるような迫力を体験するまでには行かなかった。それにフォルティッシモの強強も、エスプレッシーヴォの熱演も明るすぎる気がした。3楽章~4楽章へ休みなしでアタッカでつなげたことが、この一瞬の隙を狙ったかように入った「パラパラ」という拍手の興醒め効果を反って強調することになってしまった。第4楽章では焦げ付くほどの熱い演奏で気分を盛り上げたが、それがだんだんと静まって無へと消えて行く様子にもやはりもっと深刻さが欲しい。最後の静寂の場面でうしろのおやじの派手なイビキが侵入してオケのパートのように鳴っていたのにあまり腹が立たなかったのは、やっぱり心が演奏に没入していなかった証拠かも知れない。
今日配られたN響機関紙「フィルハーモニー1月号」に今年9月の指揮者が発表された。ずっと「未定」となっていたので大物がくるのでは?と期待していたのだが、ナ・ナント!プレヴィンの名が
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