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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

留学体験記 Uni-Marburg

2022年05月11日 | ドイツ留学相談室
ドイツ留学体験記

ここではドイツ留学(オーストリア、スイスのドイツ語圏を含む)をした獨協大学の学生の体験記を中心に紹介しています。体験記には、現地での手続き、授業の様子や寮生活、街の様子、これから留学する方々へのアドバイスなどが記されています。情報としては新しくありませんが、いつになっても決して色あせることない先輩達からの貴重なメッセージがたくさん綴られています。ご自身の留学に是非役立ててください。そして、あなた自身の留学体験をお寄せください。

このページでは、獨協大学のサーバー上で公開していた体験記のうち、著作者からこちらのサイトへの掲載に許諾を頂いた方の体験記のみ掲載しています。新たに体験記を掲載したい方(ドイツ語圏の大学で正規の授業の受講で留学した方であればどなたでも)、旧サイトに掲載されていた体験記をこちらでも掲載して構わないという方は、是非お知らせください。この記事下の「コメントを投稿する」から連絡ください。投稿されたコメントは公開せず、個別にお返事を差し上げます。

 マールブルク大学

WS 2015/16 bis SS 2016  高島友希乃さんからの体験記

大学や街の様子
大学都市として知られているマールブルクの中心地には、大学校舎が点在し、スーパーや酒場もたくさんあり、交通量が多く騒がしい場所も少なくありません。ガイドブックに載っているような木組みの家々、雑貨屋、レストランのある街並みはOberstadt(坂の上の旧市街)に集中しています。Schloss(マールブルク城)やSpiegelslustturm(ラプンツェルの塔のモデルと言われている塔)のある高台からのパノラマは見もので、中規模都市ながら刺激ある毎日を送れます。本数は少ないものの街中にバスが走っているので、不便を感じることはありません。学生証でヘッセン州内の電車に無料で乗れるのもポイントです。

授業について
履修科目は、ドイツ学・芸術学部ドイツ語学科の留学生用の「ドイツ語コースA2-B2」「文章読解」メディア学科の「移動とメディア」「建築メディア」の4科目を履修しました。それ以外は芸術学科と社会学部文化学科の授業を聴講しました。授業形式は、学生による発表、先生の講義とクラス全体のディスカッション、またはVorlesung(講義)です。評価は、口頭、筆記の試験、またはレポートで決まります。
予習用の資料がとても難しかったため、予習の代わりに、授業毎にシラバスで科目内容と流れを確認しました。授業中は聞き取れた単語をメモし、内容を把握することに努めました。授業後、改めて資料を読むと多少分かるようになっている部分もあるため、ノートと照らし合わせて復習に時間をかけました。最初は辞書を使いながら日本語でメモを取っていましたが、徐々にドイツ語でノートが取れるようになりました。内容自体に集中できるようになると授業が楽しくなり、後期にはノートに自分の意見を書き加えられるようになりました。完全に理解できた科目はなかったものの、研究分野の全体像を把握すること、さらに卒業論文の材料になるアイデアを集めることができました。

生活や寮について
寮は、街の中心地からバスで30分ほどのところにある、Wehrda地区の大学指定の個室の学生寮で、1フロア18人で台所、トイレ、シャワーを共同で使用しました。留学中は毎日、タンデム(言語交換)や学期前のオリエンテーションで知り合ったドイツ人、事前語学コースの留学生仲間、多国籍の寮の隣人たちと、おしゃべりや議論を楽しみました。放課後や週末はドイツ人のシェアハウスで夕食作りや市外の友達を訪問したり、映画鑑賞、アートイベントに参加したりして過ごしました。街では毎月、いろいろなイベントが開催されているので飽きることはありません。
ドイツの冬は暗くて気分も落ち込みましたが、12月には、留学の目的でもある卒業論文のテーマ「ドイツの広場の機能」の資料集めに18都市のWeihnachtsmarkt(クリスマスマーケット)を訪れ、Glühwein(ホットワイン)用のコップを30個程も集めて回り、気分を紛らわせました。4月に街中が色とりどりの景観を取り戻すと同時に、自分もKopf hoch(元気)になりました。

留学を終えて
私にはドイツ語C1レベルの達成、卒業論文の材料収集、新しい自分を発見、という3つの目標がありました。そのために授業中は必死にメモを取り、卒業論文のアイデアを一つでも多く入手し、新しい価値観に触れるよう努めました。その結果、留学終了時には、成績証明書、授業中のメモでいっぱいになったパソコンのファイル、アートイベントのパンフレットに加えて、ドイツ語力の向上、価値観の違いを越えて理解し合えた友人、新しい価値観とアイデア、それら全てを手に入れることができました。観察した事象と授業で得た知識とを連動させ、卒業論文を完成させるのが今後の課題です。

アドバイス
マールブルクはすぐに生活に溶け込める、学生生活に適した都市です。生活面での心配は要りません。留学の目的を見失わないでいること、新しいことを受け入れる力、ドイツ語にかじりついていく姿勢があれば、必ず結果はついてくるはずです。後は目いっぱい楽しんで、充実した素敵な留学生活を送ってください。

SS 2009 bis WS 2009/2010 (匿名希望)さんからの中間報告
 私は2009年の4月からドイツにあるマールブルク大学で交換留学生として音楽学とドイツ語学を勉強しています。

大学での勉強
 夏学期には、合計で5コマの授業を履修していました。音楽学ではコロキウム、オーケストラ音楽に関する講義、19世紀の音楽に関する授業、ドイツ語学ではドイツ語の発音に関するゼミ、また英語の語学講座に参加していました。自分の研究テーマ(モーツァルトの教会音楽およびミサ曲)に直接関係している授業はありませんでしたが、全体的な知識の底上げに役立ったと自負しています。

冬学期には、音楽学学部で自分の研究テーマに直結したゼミナールを開講してもらえるよう手はずを整えたので、積極的に参加しようと思います。フーガに関する授業も履修しようと考えています。ドイツ語学では、音声学の講義をとるつもりです。将来的な目標のために、英語の講座にも参加し力を伸ばしたいです。また、論文を執筆するためのドイツ語の講座も開講されるので、それも履修する予定です。

インターンシップ
 2009年の7月及び8月にドイツのバート・ヘルスフェルトという町で開催されたオペラ祭で(Bad Hersfelder Opernfestspiele)1ヶ月間インターンシップを行いました。マールブルク大学で師事している教授に相談したところ、このオペラ祭ですでにインターンシップをしたことのある学生を紹介してくださり、その学生のつてでこのオペラ祭でのインターンシップが実現しました。私が担当したのは、助監督、衣装係、小道具係の3つの分野でした。インターンシップ中には働き方の違いや人との触れ合い方の違いに戸惑うこともありました。しかし私は将来的にドイツの音楽業界で働きたいと考えているので、就職以前に本格的な職業環境で経験をつめたことはとても意義深いことだったと思います。

SS 2008 bis WS 2008/09 橋本泰奈さんからの体験記
留学を終えて:
私は一年間(Sommersemester 08, Wintersemester 08/09)マールブルクに滞在しました。前学期は、授業でハイペースなドイツ語についていけない、集中力がもたないなど、色々と苦戦しました。しかし今学期では授業での理解度や課題、そしてノートのとり方など、改善できた部分がたくさんありました。仲良くなったドイツ人学生とたまに授業内容を確認したり、試験勉強をしたことは、とても大きな助けとなりました。またどれほど必死に準備しても、試験の結果・成績はあまり良くなかったのですが、今学期では2つ口答試験で満点をもらうことができて本当に嬉しかったです。

今回の留学では、興味のある分野をドイツ語で理解して知識を深めること、またそれを通して卒業論文の題材を探すことが私の主な目標でした。一年間に受けた授業の単位習得ができたことだけではなく、学問にたいする興味・知識が一層深められたことで、この滞在はとても有意義で今後の目標にもつながるものとなりました。また大学のオーケストラにもオーディションを受けて、参加することができました。そこで新しい音楽仲間もでき、皆でマールブルクだけでなくベルリンへもコンサート旅行に行けたことは本当に良い思い出です。

ドイツから去ることや、知り合って一年後もう友達とお別れをするのは悲しく、とても残念に思います。しかし今回の留学で習得したものを、獨協大学でどのように活かして卒業論文などの課題に取り組むことができるのかは、またこれから楽しみでもあります。

事前準備・留学中についてのアドバイス:
長期留学とは、ドイツで長期滞在をするということだけではなく、こちらの大学における教育システムの中で留学をするということを意味していると思います。初めて留学をされる方にとっては、一年間を海外で生活ということを考えただけでも、期待や不安でいっぱいになるかもしれません。しかしまず大切なのは、留学を通して皆さんが何を目標にどういったことを経験して何を得たいのか、またそのためには何が必要なのかを、留学する前によく考えて明確にすることだと思います。

そして現地に来たならば、身のまわりの環境をどのように活かすことができるのか、留学前の考えをさらに発展させることがとても大切になってきます。例えばDSH合格を目指している方であれば、ただ目標をDSH取得だけに設定するのではなく、具体的にDSH準備コースを通してどのような語学能力を身につけたいのか、DSHを留学終了後どう活かしたいのかという先の目標を持つことができれば、きっと目標(資格)以上のものも得られるはずです。ですから、夏休み・冬休みを利用してインターンシップやアルバイトをすることは、語学力を違った面から活かしながら伸ばすことができる機会として良いのではと思います。そうすれば、様々なチャレンジが後につながる一年間を過ごせるのではないでしょうか。

また留学先での単位修得を目指している方にたいしては、よく留学体験記で「専門知識」の必要・重要性が指摘されています。しかし獨協大学とドイツ各大学のカリキュラムの違いや、獨協大学入学からドイツ留学までの二・三年という短期間からしても、専門知識を事前に身につけることは難しいと個人的に感じます。前に述べたように、留学とはドイツの大学システムの中で就学ことでもあり、そこで必要とされる専門知識とは、あくまで大学が開設している学科・講義の範囲内で要求される知識を意味しているのではないかと思います。ですから、留学先大学の各学科のHPやVorlesungsverzeichnis(シラバス)を熟読して、各学科が何をコンセプトに、どのような講義・ゼミを行っているのかを調べることは留学の前提条件だと思います。

そして各講義・ゼミにおいて、どのような予備知識が求められ、どのようなことを目的とした授業なのか、また自分はそこで何を学びたいのかを明確にするべきでしょう。私自身も感じた「知識不足」は、例えば各講義の参考文献を(ドイツ語で)読んでおくことで少しは解消できたのではないかと思います。なぜならば、理解することができなくても、少なからず専門用語や学術的表現を知ることがでるので、実際の授業で教授が何をいっているのかさっぱり?ということが避けられるかもしれないからです。

結局のところ、専門知識とは短期間に身につけられるものではないと思うので、まずは授業の参考文献や専門辞典(Fachlexikon, -wörterbuch)を用いて、ある分野・テーマに特有な概念や語彙、表現・解釈方法などを学ぶことは良い事前準備であり、留学中においても大変重要なことだと感じます。

橋本泰奈さんからの中間報告
町の位置と印象:
マールブルクは、フランクフルトから電車で約1時間のところに位置していて、比較的便利で住み心地の良い町です。

町の印象は、中世の雰囲気を残す居城や教会、町並みによって特徴付けられていています。また町にはLahn(ラーン)という川が流れ、公園や森などもあります。便利なだけではなく、身近に自然もあるというところが個人的に気に入ったところでした。

寮:
町の中心地から寮(Christian Wolf Haus)までは、バスで約20分~30分かかり、休日や夏休み期間は本数が少なくなるため不便に感じることはありました。

寮内の設備は、コインランドリー、TVルーム、バー、管理室、タバコ・お菓子の販売機など、思ったよりも充実しています。また管理室では、ベットシーツの交換や寮に関するその他の用件を済ませることもできます。寮の部屋には、生活に必要な最低限の広さや家具が設けられていて、キッチンやトイレ・シャワーは共同使用です。

語学コース:
4月から新学期が始まったのですが、私は2月末から3月末までの大学準備のための語学コース(Studienvorbereitender Sprachkurs)を受講するために、1ヶ月早めに渡独しました。このコースの受講者としては、ヨーロッパ各国からの短期・長期留学生が多く、日本から来られた他大学の方もいました。授業開始前にクラス分け試験があり、各クラス10~15人編成でした。


町の風景


寮・Christian Wolf Haus

私のクラスの授業は、読み書き・聞き取り・会話能力を総合的に伸ばすことを目的として、主に文法の復習と発表やインタビューを通した会話練習をしました。語学準備だけではなく、大学生活や講義についての説明、履修科目のアドバイスなどもあった点が良かったです。


エリザベート教会

大学生活:
語学コースで大学に関する説明があったにも関わらず、最初の学期は大学のシステムや授業形態などがいまいち把握できないまま始まりました。そして講義がはじまり、はじめて獨協大学とマールブルク大学の違いや自分の語学レベルが明確にみえてきて、改めていろんなことを学びました。

私が履修した科目分野は、大きく分けて社会学・歴史・美術史です。授業の形態や内容は、私が想像していたものとは大きく違いました。例えば、授業の担当教職員がプリントを配布するということがほとんどなかったので、授業の内容はノートに書き留めるか、記憶しない限り復習や試験調べはできません。また教授が試験や成績に大切な点を説明されても、すべてをドイツ語で理解できていない、書くペースが追いつかないなど、はじめは色々と苦戦しました。ゼミでは他の生徒と一緒にディスカッションをする機会も多く、自分の語学能力だけではなく基本的な知識も十分でないことを実感させられました。その傍ら、ゼミにおける授業の流れは私にとって興味深いものでした。

まず扱っているテーマについて生徒それぞれが考させられ、そのあと皆でディスカッションする、そして浮かび上がった疑問・質問について教授が解説しながら、重要なポイントを理解していくというものでした。ディスカッションでは、同調的な意見だけではなく否定的な意見、またたくさんの質問が飛び交い、とても刺激的でこちらの生徒の授業にたいする積極的な姿勢にも驚きました。

まとめ:
学期中は余裕がなくなるくらい忙しい時期もありましたが、夏休みに入り前学期を振り返れば、こちらの大学で学んだことすべてはとても興味深く、貴重な時間を過ごすことができたと思います。来学期では、前学期に苦戦した点を改善して、関心のある分野をもっと深くじっくりと学ぶことを目標に、引き続き充実した留学生活を送れればと思います。

WS 2007/08 bis SS 2008  M.M.さんからの体験記
3年の秋学期から、ドイツ・マールブルク大学に留学しています。 今回は後半の夏学期を中心に報告します。

*授業
前期と同様、ホームページからVorlesungsverzeichnisを参照し、興味のある授業を選んで受講しました。授業は主に歴史系の講義を履修・聴講しました。授業は、歴史の講義を2つ、文学の講義をひとつ履修、ほかに数講義を聴講しました。

Deutsche Geschichte seit 1800 (Teil 1)
Fruhchristriches Rom
Deutsche Literatur im 18. Jahrhundert

一番大変だったのは、冬学期で履修していたゼミナールの論文作成です。(授業は1月で終了でしたが、論文締め切りは4月末でした。)冬学期中に行った口頭発表を元に論文を作成しましたが、始めて書く長い論文、しかもドイツ語ということで、まともな形になってきたのは4月に入ってのことです。とにかく回りのドイツ人に幾度となく推敲をお願いして、学術的な文章を作っていきました。最終的に完成し、後日評価をいただいたときは、本当にうれしかったです。

講義の理解は、全学期よりはいくらかましになっていたかと思いますが、それでも専門用語にはなかなかついていけず、特に文学の講義は概論的内容であるはずなのに、非常に難解でした。またどの講義も板書が少なく、教授の仰る内容を各自ノートにメモするしかありません。期末試験も論述が多いので、これができないとなかなか単位取得は厳しいです。ディクテーション能力を強化しておくと、幾分か楽だと思います。

*最後に
幸運なことに、自分が専門的にやりたいと思っている授業を履修することができたので、大変な気持ちよりも、知識欲を満たす楽しみがまさった一年間でした。

留学を考えている方、まず挑戦してみてください。そして留学したら、興味のある授業をたくさん受講してください。せっかくドイツに留学するのですから、語学の学習以上の物を目指したほうが後に身になるものも多いと思います。(もちろん目標は皆さんあると思いますが、最終的に語学学習で終わってしまう留学生の方が多いと感じましたので。)もちろんはじめは講義もまったくわからないかもしれませんが、一年後に振り返ったときにいろいろと挑戦していたほうが悔いがないはずです。

また、授業以外のさまざまなことにも挑戦してください。10ヶ月間、どのように過ごすかはその人次第です。

M.M.さんからの中間報告
3年の秋学期から、ドイツ・マールブルク大学に留学しています。 マールブルクは規模が小さく、大学生活にはとても適した街だと思います。フランクフルトにも電車で一時間程度で出かけられるので、生活面での不便は余りありません。

*学期開始前
学期開始前に、まずオリエンテーションとドイツ語準備コースに参加しました。 諸手続きの方法についてはこのオリエンテーションで説明してもらえ、保険や銀行口座開設はオリエンテーションの時間に行えたので、とても楽でした。住民登録表などもサポートの大学生がグループごとに面倒を見てくれて、一緒に記入してもらえます。

語学コースはまずクラス分けテストを受け、その後一ヶ月間受けることになります。 大学の生活を始めるのに必要な情報をここでたくさん得ることができました。また、多くの留学生とも知り合いました。

オリエンテーションも語学コースも任意参加ですが、参加する価値はありました。ちなみにオリエンテーションは、学期開始直前にも一度行われるので、語学コースに参加しなくても参加ができます。

*寮
寮はマールブルク市内にいくつか点在し、私はそのうちのChristian Wolff Hausに滞在しています。私の部屋は2人でキッチンとバスルームを共同使用するいわゆるWG(Wohnungsgemeinschaft)です。Christian Wolff Hausには普通寮とWG式の両方があります。 はじめこの部屋に入ったときは、同居人が共同生活を行う事に問題がある人で、引越しばかりを考えていました。しかし他の寮は満室で一般のWGを探してもなかなか見つからず、一時期は自分の部屋に帰るのが嫌で仕方がありませんでした。しかし寮にある学生バーで他の人たちと知り合い、励ましてもらいました。10月に隣人が引っ越していってからは、新しい同居人と上手くやっています。

*授業
授業は、ホームページから見れるVorlesungsverzeichnisで、興味のある授業を選んで受講しました。事前に登録が必要な授業もあるので、早めにプランを立てたほうがいいと思います。授業は主に歴史系の講義を履修・聴講しました。授業は、歴史の講義を3つ、ゼミをひとつ履修しました。そのほかに、留学生向けの授業2つに参加しました。

Auf dem Weg zur Globalisierung 1945-2000
Der lange Weg zum 20. Juli 1944
Das Imperium Romanum von Augustus bis Diocletian
Geschichte Japans im 20. Jahrhundert
Deutsche Sprache und Literatur im 20. Jahrhundert
Wissenschaftliches Schreiben in deutscher Sprache

ドイツ語の語学コースについてはドイツ語学科で留学生用に授業として開講されているものの他に、Sprachzentrumで行われ、有料で受講できるものがあります。私は取りたかったコースが定員割れで開講されず、利用しませんでした。

ある程度知識のある分野についての授業をとったので、授業のないようは大体理解できたと思います。それでも、100%には程遠く、特に自分の意見を言ったり、記述試験をするのは非常に難しく感じました。

2ゼメスター目は、より多くの内容が理解できるようにしたいです。

WS 2006/07 bis SS 2007  C.W.さんからの体験記
今回、ここでは夏学期の授業について報告します。

 私は、夏学期にProseminar(Einfürung in die Sprachgeschichte des Deutschen) を1つと、ドイツ言語学のVorlesung(Grammatische Relation, Semantik, Pragmaliguistik)を3つ、また歴史学のVorlesung(Die Entwicklung von Wirtschaft und Globalisierung: Globalisierung-Backlash vom Ersten zum Zweiten Weltkrieg)を1つ、更に論文を書くための上級ドイツ語コース(Wissenschaftliche Texte verstehen und schreiben, Bereich Sozial- und Wirtschaftswissenschaften & Jura)の計6つの授業を履修、聴講していました。

 授業の形式は、基本的に学生と先生が共に考えながら進めていくという感じでした。そのために学生は、授業前に与えられたスクリプトや課題、参考書などに目を通しておくことが必要です。

これは決して日本の大学のように宿題という形で出されたものではありませんが、学生が進んで授業に参加していくという姿勢に、私はとても刺激を受けました。

 私もなるべく全てのスクリプトを読むように心がけましたが、一つの授業で扱う量が非常に多く、全てをこなすことはなかなかできませんでした。そんな時は、授業後に復習という形で友達に内容を確認したり、分からない部分を説明してもらったりしていました。

この毎回の授業のスクリプトを読みこなすというのが、私にとって一番大変だったように思います。なぜなら、専門用語ばかりなうえに、初めて習うものも多かったからです。

自分の知識不足に気付かされ、悔しい思いもしましたが、苦労して頑張った甲斐はあったのではないかと思います。最後にレポートや試験の結果として、いくつか評価をいただけたときは、本当に嬉しかったです。

留学生活をどのように過ごすか、またそこで与えられた環境をどう生かすかは本当に自分次第だと思います。私はこの留学生活で、勉強はもちろんですが、そこで出会った人々や様々な貴重な機会を通し、多くのことを学びました。それは、決して日本では経験することはできなかったと思います。

このような素晴らしい機会をくださり、留学中にも支えてくださった先生方、また何か問題があるといつも助けてくれた家族や友達には本当に感謝しています。

C.W.さんからの中間報告
私は2006年の秋学期からマールブルク大学に交換留学しています。 マールブルクは小さな古い町でドイツでは大学町として知られています。町を歩けば友達に会う頻度はとても高く、学生にとっては過ごしやすい規模なのではないかと思います。また、他の大学は分かりませんが外国からの学生の数が多いので、とても開けた雰囲気の大学だと思います。

交換留学生のための語学コースについて
まず9月に留学生のための語学コースに参加しました。 申込みのあとにクラス分けテストがあります。私は試験がよくできてしまったために一番難しいクラスに入ってしまいましたが、9月の時点では私にとってはこのクラスは難しかったのではないかと思います。というのも、他の学生は皆すでに大学の授業についていけるほどの語学力を持っていたからです。 しかし、周りの皆は私が分からないときには丁寧に教えてくれ、友達もたくさんできたのでこの語学コースに参加した意味は大いにあったと思っています。 更に、授業では主に大学の勉強に必要なHausarbeitの書き方やReferatの練習などを行い、何が必要なのかと言うことは最低限知ることができたと思います。また、授業登録などの仕方もすべて教えてもらえるのでゼメスター前の準備はしっかりできます。

DSH準備コースについて
私は10月から合計で3ヵ月間、DSH準備コースに通っていました。 このコースは他の語学コースに比べると授業料は高いですが、その分もちろん質も良いと言えます。コースに入る前にレベル分け試験があり、直接DSH準備コースに入れれば一番早くDSHを受けることができます。 私がこのコースに参加した理由は色々ありますが、自分が始める前に思っていたほど楽なものではありませんでした。 まず、このコースは月曜から金曜まで毎日あり、ほぼ毎日大量の宿題がでます。更に週に一回Tutoriumもあるので、大学のゼミにも参加していた私にとっては本当に毎日きつかったです。しかし、このコースでは学問に必要なドイツ語を少しでも学べたというのは確かですし、私の場合はとても良い先生に恵まれ、無事に合格することができたので参加してよかったと思っています。

大学の授業について
 上記でも述べたように、DSH準備コースのために大学の授業はゼミに一つ参加することしかできませんでした。 このゼミはドイツ言語学に関するもので、人数は全部で25人くらいでしたが外国人留学生は私一人でした。もちろん全部は分かりませんが、基本的に先生はとてもはっきりと分かりやすく話していました。しかし学生の発言は速く聞き取るのは難しかったです。 後期からはもっと大学の授業に集中したいと思います。

中学校での授業について
 大学には関係ないのですが、マールブルクの近くにある中学校でJapantagという企画をお手伝いすることになり、書道の授業をする機会に恵まれました。中学生は地理の授業で日本についてすでに学んでいて、生徒達は当日とても中学生とは思えないほど素晴らしいグループ発表をしました。 ドイツの中学校の様子を見る機会などめったにないことなのでとても貴重な体験をさせてもらえたと思います。書道の授業をするのは難しかったのですが、生徒が真剣に私達の話を聞き、また授業風景の写真がマールブルクの新聞に載った時はとても嬉しかったです。  

SS 2006 bis WS 2006/07  中村真咲さんからの体験記
私はここでは学業に関してのみ報告します。

 履修したい科目を選ぶために、学科ごとにシラバスが売られているので(一冊1.50ユーロ前後)まずそれを購入し、出席する科目を選びました(それを買わなくても大学のホームページにもシラバスは出ています)。

夏学期も冬学期もProseminar(Einführung in die Linguistik des Deutschen / Einführung in die historische Sprachwissenschaft)を1つ、Vorlesung及びLektüre(Einführung in die Sprechwissenschaft / Logisch-pragmaische Propädeutik / Areale Sprache / Syntax / Grundbegriffe der Praktischen Philosophie)を3つ、計4科目を履修・聴講していました。

 内容については、予習を要求する科目が多く、事前に教授が用意している資料を大学のホームページから印刷したり、指定された文献をコピーして読んだり、学科付属の図書館にてSemesterapparatというファイルから必要な資料を印刷したりしました。

ドイツ語の講義について行くのは難しく、特に前半においては予習と今までの知識そして復習することでやっとこギリギリついて行けるという状態でした。

 大学生としての生活は、前半は勉強の土台作りが大半でした。シラバスを手に入れることから始まり、どの科目をどれだけ履修するのか、どのように履修登録するのか、履修している科目で扱われている教材や文献をどのように手に入れるのか、図書館はどうやって利用できるのか、印刷・コピーはどうするのかなどなど、次から次へと問題が出てくるといった具合で、落ち着いて演習や講義に参加できるようになるには1ヶ月以上かかりました。

初めの頃は頼れる人が周りにいなかったということもあり、どんな些細なことでも必死にならざるを得ず、しかし必死なときには「火事場の馬鹿力」のようなものが出るらしく、その都度その都度なんとかなっていました。口さえあればなんとかなるようです。大学に関しては(私が所属していたドイツ学科しかわかりませんが)、教授がとても親身になって学生に接してくれるので勉強したい学生にとってはとても勉強しやすいところであると感じました。

留学の仕方は人それぞれではありますが、それでも勉学においてはドイツの大学は1学期目の学生からすでに専門領域に入っていますから、留学を考えている人、特に勉強がしたいと思っている人は専門に関する知識を日本で少しでも付けておくと吸収できるものがそれなりに多くなると思います。

 「一年では何もできない」と焦りつつ始まった私の交換留学の10ヶ月半は本当に短く、「やはり何もできなかったのではないか」という疑問と共に終わりました。それでも少し経った今思い返してみると内容の濃かった10ヶ月半であったようです。

中村真咲さんからの中間報告
【1】大学
1.オリエンテーション
学期が始まる前に2回、留学生のためのオリエンテーションがあります。1回目は学期開始1ヶ月半前くらいで、同時に留学生のための事前語学講座があります。2回目のオリエンテーションは学期開始2週間前くらいにあります。
オリエンテーションではドイツに滞在するための書類記入や大学入学登録の仕方など、事細かに指導してもらえます。その他にも催し物もあります。

2.学業
学科ごとにシラバスが売られているので(一冊1.80ユーロ)、それを購入し、出席する科目を選びました。それを買わなくても大学のホームページにもシラバスは出ています。 講義開始から初めの1ヶ月ほどは6科目に出席していました。しかし自分の集中したい科目が疎かになりそうでしたし、自分のドイツ語力とも相談して、最終的に4科目になりました。そのうち1科目のみ学期末に試験を受けました。
ここの大学ではドイツ語科に所属している留学生向けに学科内でドイツ語講座も開講されています。
以下は私が出席していた科目です。

・Einführung in die Linguistik des Deutschen 1 (Proseminar)→期末試験
この科目は週にいくつか開講されているので、私が出席していた時限には多くて30人くらいの学生がいました。
先生はゆっくりはっきり、学生がわかるまで何度でも説明してくれる方でしたし、学生からの質問も多く、そのため予定通りに全てが終わりませんでした。それでも私には丁度良い速度でしたし、先生は質問大歓迎でしたから、とても良い雰囲気でした。私以外にも数人留学生らしき学生がいました。
予習が前提となっており各項目でいくつか文献が指定されていました。指定されていた文献は大学図書館及び学科付属の大学図書館で見つけることができました。
初日の時間内に履修登録があり、以降毎回出席簿の自分の欄に自分でサインをする形で出席が取られました。
期末試験は筆記試験のみ、90分でした。

・Einführung in die Sprechwissenschaft (Vorlesung)
講義開始から数回は座る場所がないほど学生が出席していました。
パワーポイントを使った講義でしたので、講義に飽きてしまうということがありませんでした。また、パワーポイントを大学のホームページからダウンロードできるので、それを持って挑めばメモも取りやすく便利でした。

・Logisch-pragmatische Propadeutik (Vorlesung)
この講義ではひたすら先生が話をしていました。私にはほとんど理解できませんでしたが、ほとんどが本の内容を丸々説明しているものでしたので、ちゃんと指定された本を読んでいれば半分は理解できたかもしれません。

・Logisch-pragmatische Propadeutik (Lekture)
上記の講義で扱っている本を読み込むという講読の時間でした。出席者はその日によってまちまちで、多いときには10人強、少ないときには4人でした。この講読担当の方の話す速度はラジオなみで、一体何を話しているのか全くわかりませんでした。予習しておくとかろうじて何が話されているのか分かりましたが、それ以上の説明をされるともうついて行けませんでした。
扱われていた本は多くの学生がすでに購入していたので本屋さんに行っても品切れ状態でした。そのため何度か本屋さんへ足を運び入荷しているかどうか確認していました。本を手に入れたのは講読が始まって2、3週間経ってからでした。

3.図書館、本屋
マールブルクの図書館は大学図書館と学科付属の大学図書館があります。 大学図書館の書物はほとんど自由に手に取ることができません。コンピュータを通して予約したり閲覧申し込みをしたりします。一方、学科付属の大学図書館は本棚から自由に書物を抜き出して読むことができます。
日本の図書館と異なり、閲覧室へ行くには鞄・上着は置いていかなければなりません。また、私物の書物を持ち込む際には「privat」という札をもらい、すでに借りている書物を持ち込む場合には専用の用紙に必要事項を記入しなければなりません。
講義で扱われている文献は大学の図書館はもちろん、大学近くの本屋さんでも手に入れることができます。

4.パソコン、印刷、コピー
大学にはパソコン室がいくつかあります。そこではインターネットも使えます。
パソコンから印刷することももちろんできますが、その際にはコピーカードが必要になります。
コピー機もありますが、これもコピーカードが必要です。
コピーカードに5ユーロ入れておくと100枚印刷可能です。
5.食堂
食堂の利用にはU-Keyというものが必要です。これにお金を入れて支払います。
食堂の下にはBistroという食堂のようなカフェのような場所があり、ここではU-Keyでも現金でも支払いができます。
食堂は開いている時間が長くはありませんが、Bistroは朝の8時15分から20時まで開いています。

6.タンデム
マールブルクの大学では日本学科、Japanzentrumがあり、日本語を学ぶ学生がいます。そのため、タンデムパートナーを探す学生がいます。学期始めに日本学科のStammtischがあるようで、そこへ行けば日本学科の学生と知り合いになれるようです。
日本学科ではない学生でも日本語を勉強していることがあります。私には2人のタンデムパートナーがいますが、彼らは2人とも日本学科の学生ではありません。私は日本人留学生に紹介してもらい彼らとタンデムをしています。
日本学科の学生からの情報によると、ここの大学の日本学科は5~6年以内になくなるようです。昨年の9月から日本学科で学んでいる学生で最後と聞きました。彼らが卒業するのと同時になくなるのだそうです。

7.その他:前半を振り返って
私は2回目のオリエンテーションの時にマールブルクへやって来ました。講義前の事前の語学講座には参加しませんでしたから、大学が始まってから学期の半ばまで、いきなり大学の講義や演習に参加してしまったけれど大丈夫だろうか、とドイツ語が理解できない自分に情けなくなるのと同時に焦りもしました。学科内で開講されていたドイツ語講座を取れば良かったと一時は後悔もしましたが、ここまで来たら何が何でもやるしかないと思い、集中する科目を定めました。1科目だけではありましたが「これに集中してやる!」と思ったら少しだけ気も楽になって少しだけ焦りもおさまりました。

【2】生活
1.街
マールブルクは人口約7万7千人、石畳と坂道の多い小さな学生の街です。
街の中心にデパートでもアパートでもないのにエレベーターが存在します。
土曜日にはMarktplatzでMarktがあります。
Messeplatzにはサーカスや移動遊園地がやって来ます。
生活に必要な物は全て揃っていますから困ることはありません。スーパーマーケットは土曜日も開いていますし、20時まで営業しているところもありますから問題はありません。
大学で貰える学生証でマールブルクから抜け出すことができます。マールブルクに飽きてしまった人はフランクフルトに足を伸ばして買い物をしたり、ヘッセン州内の観光をしたりもできます。

2.学生寮
マールブルクには何ヶ所かに学生寮があります。場所によって部屋の広さ、寮の造り、部屋代が異なります。
私は街の中心地からバスで30分ほど離れた学生寮にいます。169ユーロ/月です。洗濯機は各棟に2つほど、1回の使用に1.50ユーロ必要です。各階18人、台所・シャワー・トイレが共同です。台所に自分専用の棚があるので、ここに食料品やら調理器具やらをしまっておくことができます。
平日は毎日台所・シャワー室・トイレを掃除してくれる人が来ます。部屋で何か故障があれば修理に駆けつけてくれる人もいます。月に1、2回、シーツ・枕カバー・布団カバーを取り替えることもできます。
食器や調理器具は前に住んでいた人が置いていった物や誰かのであっても自由に使っても良い場合がありますが、基本的には自分で調達して使用しています。
寮の住み心地の善し悪しは同じ階に住む人たちによって決まってくると思います。私の場合はとても運が良く、台所を頻繁に利用する人たちがとても仲が良いので、快適に過ごすことができています。帰ってくるとホッとします。

3.その他:前半を振り返って
 寮での生活に関しては、同じ階に住む人を見かけたらとにかく手当たり次第にわからないことを聞きました。台所では何が使えるのか、どこで何が安く手に入るのか、シーツの交換はどうすればいいのか等々。そして台所をできるだけ頻繁に使うようにしていました。1、2ヶ月が過ぎる頃には同じ階に住む人たちと挨拶以外にも会話ができるようになりました。台所で誰かに会って少しでも言葉を交わせるととても安心できます。ですから、人が程よく多い寮での生活は私には合っています。

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