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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

蓼科山登山 ~「野わけ」からのお出掛け(遠征編1)~

2007年09月27日 | 山&ハイキング
2007年8月19日(日)

八ヶ岳連峰の北端に少し離れて佇む形の良い独立峰 蓼科山(2530m)。その整った形から「諏訪富士」とも呼ばれ、日本百名山の一つでもある。八ヶ岳のどの峰の頂からも蓼科山は良く望むことができる。山好きのpocknにとってはいつも気になる存在だった。

これまで野わけからみんなでいろいろとハイキングに出かけたが、御泉水自然園とか、車山とか、高見石とか… 行く先々で蓼科山の姿を眺め、「下の子がもう少し大きくなったら是非みんなで登りたい」と思っていた。

その息子も結構体力がついてきて、10キロ程度のハイキングコースなんかも歩けるようになったので、今回の野わけ滞在中のまず1番のイベントとして蓼科山登山を計画した。

家族の体力などを考えて、標高差も歩く距離も一番短い大河原峠からのコースを選んだ。野わけから大河原峠までは車で2時間弱。

国道から大河原峠へ向かう道は登りが続く。4年前、やはり大河原峠からみんなで(下の子はpocknの背負子に乗って)双子池を訪ねたときは、大河原峠までの道がひどいガタガタでかなり苦労したのだが、別荘地の整備が進んでいるためか、道は見違えるようにきれいに舗装されていて、ガタガタ道は殆どなかった。あ~、でも開発はあまり進まないでもらいたいんだけれど…

大河原峠の標高は既に2090メートル。天気は上々で眺めもいいし空気は寒いほどにひんやりしている。峠の小屋の前から右へ伸びる登山道が蓼科山へ登る道だ。登山靴に履き替え(子供達はズックだけど…)、大きなザックを背負って11時に出発した。

しばらくなだらかな笹原を行くと樹林帯の山道へと入る。急がずゆっくりと一歩ずつ足を進めて行く。しょっちゅう立ち止まる息子をさっさと歩かせるためにうまい冗談を言ったり、キャンディーを与えたりしてダマシダマシ登らせる。すれ違う下山者達はそんな息子を見ると「頑張ってるな」とか「すごいねぇ」とか声を掛けてくれる。


そんな声にも励まされながら何とか登って行くと、ようやく登りが緩やかになり、更にしばらく行くと樹間から蓼科山の丸い山頂部分が青空をバックに聳えているのが望めるようになった。「まだ遠いなぁ…」

息子の「まだ?」という問いにぬか喜びをさせないために「まだまだまだまだまだ」とか答え、聞かれるたびに「まだ」を少しずつ減らして行く。道が平坦になれば山頂への最後の登りの取り付き手前の将軍平は近いはずなのになかなか着かない。「まだまだまだ」ぐらいになった頃、ようやく将軍平に到着した。12時30分を回っている。コースタイムより30分以上余分にかかっているが、まあこんなものか…

将軍平にある小屋の前で、いろんなグッヅが並べて売られていた。小物に目がない娘はそんな山関係のグッヅでもチェックを欠かそうとしないが、まずは山頂!ということですぐにまた出発。「帰りに絶対寄ってよ」と言われていたが…

将軍平からは大きな石がごろごろした樹林の中の急坂だ。別ルートから登ってきた人達も合流して人通りも多い。ガイドで読んでいて浮石の多いガレ場みたいな道をイメージしていたが、石はしっかりかみ合っていて足場は磐石。ただ大きな石が重なった斜面を大またで登って行くので子供にはかなりハードだ。しかし息子はなかなかの根性でペースも速い。すれ違う人達からはますます大きなエールがかかる。時々「きゅうけい…」と言って立ち止まるが、またすぐに登り始める。

急峻な登りが緩やかになり、さらに岩がゴロゴロした道をもう一息進んだところで山頂ヒュッテに到着。そこから三角点のある山頂は目の前だ。30分のコースタイムのところ、40分ほどで山頂に到着!少し遅れて登ってきた奥さんと娘を待って、4人同時に山頂の岩を「せーのッ」で踏んだ。「ラクショウだった!」と得意げに言う息子、海では情けないと思ったが、山ではなかなかの頼もしさを感じた。



蓼科山の山頂はゴロゴロした石に覆われた広いスリバチ状。火山の名残りを感じる。蓼科山山頂からは360度の眺望が望めた。まず主峰赤岳を頂点として、穏やかな北八ヶ岳の峰々へ至る八ヶ岳連峰の雄大な眺めが目に飛び込んで来た。スリバチ状の山頂の中央にある神社を通って反対側まで行くと、そこからは白樺湖や車山、蓼科湖などの立科方面の眺めが手に取るように見える。

カップラーメンが…

お昼はオニギリとカップラーメン。沸かしたお湯を日清のミニカップヌードルに注ぎ3分待って一口食べる。「うまい!」

「そうだ、みんなでランチの風景をセルフタイマーで撮ろう」と、食べかけのカップヌードルを岩に置いてカメラのセット。その時… 「あぁぁぁっ。。」 
娘がおれのカップヌードルを倒してしまった。。。 慌ててカップを戻したが、哀れ、汁は半分以上こぼれ、麺も具も岩の上に… 「そ・そんなぁ。。。。」 

麺と具は必死でカップへ戻したが、汁なしのカップヌードルになってしまった。この前の鏡平でのカップヌードル事件の記憶が戻ってきた。「おれはカップヌードルには縁がないのかも… トホホ。。。

ラーメンショックから気を取り直して子供達と一緒にスケッチタイム。やっぱり八ヶ岳連峰方面が一番絵になる。


絵を描くというと電車の絵しか描かない息子も山の絵(八ヶ岳)を描いた。かなりこの蓼科山登山は心に響いたらしい。娘は「うまく描けない!」とふくれッ面で描いていたが、淡い色合いは悪くない。


2時間近く山頂で過ごしてもう3時過ぎ。午後は大気の状態が不安定になるという予報も出ていたし、そろそろ下山しなければ… そう言えば雲がだいぶ増えてきた。山頂の神社でみんなで安全下山を祈願した。


下山する前に、前から一度食べてみたかった「山小屋のかき氷」を山頂ヒュッテで食べていたら、すぐ近くで「ゴロゴロ」と雷が鳴った。空を見ると大きな黒い雲が近づいて来た。「こりゃあいかん! 雨が降り出す前にここの岩場の道は降りてしまわなければ…」とあわてて下山を開始後いくらもたたないうちに雨が落ちてきた。


雨脚はみるみる強まり慌てて雨具を身につける。雨ざらしとなるいちばんイヤな岩場は下りてしまいたかったのだが。。。 道は川のように雨水が流れ落ち、足の置き場は岩の上しかなくなってしまった。息子の手をつかみ、どの岩に足を置くかをひとつひとつ示しながら一歩一歩慎重に下りてゆく。
 
そんなとき、前方を歩いていた団体の中の女の人が足を滑らせて派手に頭を岩にぶつけた!「こりゃあまずいぞ。。!」と思ったが、周りの人が助け起こした様子ではどうにか大丈夫そうだ。 奥さんと娘はその団体より前を下りているはず。とりわけ下山が苦手な奥さんや、一緒の娘を心配しながら雷雨の中の下山が続いた。

登りよりもかなりの時間をかけて何とか将軍平の小屋に辿り着いたら、急に雨脚が弱まり明るくなってきた。一番ヒドイ天気の時に一番大変なところを歩いてしまったが、とりあえずここまで無事に来れてまずは一安心。小屋で少々休憩している間に雨は上がった。

そこから下は特に危険な箇所はないのだが、土砂降りの雨のせいでぬかるみなどが多く、下山にはかなりの時間を取られた。とっくに駐車場に着いていいと思っていたはずの時刻を過ぎてもなかなか着かず、道を間違えたかとさえ思った。



下山した時、大河原峠の小屋はもう「閉店」していた。山小屋ってしまっちゃうんだ…
でもようやくのこと車道や小屋が見えて来たときは本当にほっとした。山頂から駐車場まで2時間半もかかり、時刻は6時。でも子供達もことのほか元気で、行く前はすごくイヤがっていた娘も「楽しかった」。

雷雨の中の辛い下山も子供にとってはそんなに苦にならなかったようで、息子もみんなから蓼科山に登ったことを褒められて得意顔。長年の「夢」だった家族での蓼科山登山は無事に「楽しく」行うことができた。

帰りの暗い山道のドライブでは動物に出遭うことを期待しながら運転していたら、鹿の親子に2度出くわした。人間にとっては迷惑な鹿かもしれないが、夜の山域はもう動物たちの世界だ。大展望の名山に登り、ひどい雷雨に遭い、こうして動物たちに出くわし、大自然に抱かれていることを感じながら、やはり自然の懐に抱かれた「野わけ」に帰り着いた。

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清里の貸別荘「野わけ」ライフ

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