*** Plaisir de voyager ***

非日常的な旅で遭遇する色々な体験のお話です。Various enconters in unusual travels.

十勝岳登山 (北海道) Climbing Mt Tokachi (Hokkaido/Japan)

2012-10-07 | 山歩き/ウオーキング Trek/walking
噴煙を上げる十勝岳 Mt Tokachi releasing plumes of smoke


登山日:2012年9月27日(木)
メンバー:私一人
天候:概ね晴れ、但し山頂付近は流れ雲多し

1.初めに
  十勝岳は、大雪山国立公園の南部に位置する十勝連邦の最高峰であり、現在でも活動している活火山である。
  1,700m前後の付近には、過去に噴火した多数の火口が存在する。例えば、安政火口(旧噴火口)、大正火口(新噴火口)、昭和火口(新々噴火口、昭和27年に発生)、62-2火口(1962年つまり昭和37年に発生)、その他すり鉢火口グラウンド火口などの火口が密集している。従って、登山コースは火口に接する狭い尾根を歩くことになる。
  現在、噴煙を上げているのは、大正火口と62-2火口の近辺である。火山活動が活発になると入山禁止になる事があるので、事前に入山が可能か否か、チェックしておくことが必要である。
  尚、この山は、日本百名山のひとつに数えられている。

2.コースの歩程
  登り:白金温泉→山頂付近 5時間 (標高差 1,370m)
  下り:山頂付近→望岳台  3時間 (標高差 1,070m)
  ※下りの工程では、他の登山者の車で、望岳台から白金温泉まで送ってもらった。  

3.行程のあらまし
  白金温泉(630m)発 7:10 → 望岳台(930m)着 8:30 → 避難小屋(1,260m)着  9:50 → すり鉢火口(1,730m)着 11:20 → 頂上付近(約2,000m)着 12:10 同地点発 12:25 → 避難小屋着 14:25 → 望岳台着 15:25
  
4.各行程について
 1)白金温泉から望岳台へ
  白金温泉から望岳台までは、立派に舗装された車道を歩いて向かった。つづれ折りのカーブが多く勾配は緩やかなので、登山道と違い望岳台までが遠く感じた。


望岳台への途中で眺めた白金温泉の街

  この道の周辺は、9月末になると紅葉の名所となるが、この夏は暑さが長く続いたためにまだ紅葉は見られず、がっかりであった。

  望岳台に着くとレストハウスがあったが、平日のためか閉店であった。レスハウスの前にはソフトドリンクの自動販売機がおいてあるので、水分補給には便利である。

 2)望岳台から十勝岳避難小屋へ
  望岳台の登山口には、岩に刻まれた標識があった。このすぐ傍には、入山記帳ノートがあったので記帳をしたが、この日に私より先に上った登山者は5-6人であった。


望岳台の標識

  ここから十勝岳避難小屋に向かう道は緩やかな傾斜だが、一面に火山礫や岩塊がゴロゴロした道であった。この付近は1,000m前後の高度となり森林限界を超えたので、高木は姿を消し周辺に見られるのはハイマツの低木のみとなった。


望岳台からの登り道に見られるハイマツの林

  また、避難小屋に向かう途中には、あちこちで可憐な白い花を咲かせた高山植物が茂っていた。それはシラタマノキと思われる。また、岩の上に可愛いシマリスを発見したが、カメラを向ける前に逃げられてしまった。


 3)十勝岳避難小屋からすり鉢火口へ
  避難小屋は無人小屋だが、火山が噴火したときに登山者を守る施設であった。


十勝岳避難小屋

  ここからは、噴煙を上げる十勝岳の山容を展望することが出来る。(冒頭の写真参照)

  避難小屋から登山道を真っ直ぐ進むと、正面にロープが張られており、前十勝コース立入禁止の標識があった。一瞬、ここから先に進めないのかと思ったが、辺りを注意深く眺めると、左手に曲がると登山コースが続いていることに気づいた。


立入禁止の標識

  岩だらけのラフな道を抜けると、大小の火山礫が積もった坂道となった。足元に気をつけながら上って行くと、約1時間半ですり鉢火口に辿りついた。

 4)すり鉢火口から頂上へ
  すり鉢火口の縁にある標識の横では、下山中のパーティが休憩していた。その標識を過ぎるとすぐ脇に、すり鉢状に大きく窪んだ火口が現れた。まさに名前通りの光景であった。


すり鉢火口の窪み

  そこから先に進んで行くと、砂浜のように柔らかな砂礫の尾根が続いていた。尾根の両側は、深く切れ込んだ危険な谷となっていた。ふと立ち止まり十勝岳の斜面に眼を向けると、谷に落ち込む斜面に沿って石灰質の白い縦筋が多数並んでいた。降雨時の流水によって浸食され、形成されたものと思われる。


谷底に向かって白い縦筋が並ぶ十勝岳の斜面

  砂に覆われた道が終わると、突然にゴツゴツした火山岩だらけ険しい登り道となった。一歩一歩慎重に登ったが、12時頃には疲労困憊の状態となったので、昼食休憩とした。頂上までは200-300mの地点であった。


十勝岳頂上の手前にある道標


頂上手前から望む十勝岳

  休憩時に下山して来た人によると、頂上からは火口は見えないと言う話だったので、休憩後はここから引き返すことにした。

 5) 頂上部からへ望岳台へ向けて(下山)
  頂上部からの急傾斜の下り坂は、断崖を降りるような感覚を覚え、とても危険であった。


頂上部からの下山の道

  無事に急坂を下り終えると、ガレのないなだらかな道が続いたが、すり鉢火口を通り過ぎると、大小の火山岩が入り乱れる坂道が延々と続いた。足腰が消耗してマヒ状態となった。さらに、足の爪先も傷めてしまい、15時半頃にやっと死ぬ思いで望岳台登山口に辿り着いた。

その他の写真集(写真をクリックすると、拡大されます。)
1.  2.  3.
4.  5.  6.

1. 白ひげの滝(白金温泉)
2. 白金温泉から望む十勝山群
3. シラタマノキの小さな白い花
4. シラタマノキの群生(ハイマツの手前側)
5. すり鉢火口付近から見た十勝岳
6. 避難小屋に下る途中のゴツゴツした岩石だらけの坂道


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