月見のお宿

文鳥と猫の話題。お勧めどおり、気軽な日記として使ってみる。

6月18日

2014-06-18 | 猫と遊ぶ
エミ、安楽死。

事の始まりは、去年の12月10日。
鼻が詰まり、異音がする。

副鼻腔炎と診断、ネブライジングを受け、抗生剤と点鼻薬を処方してもらう。

元々抗生剤が効きにくい猫なので、1週間後にインターフェロンも追加。
念のため、血液検査をしたが、異常無く、年末年始はすっかり良くなったかのように見えた。

1月17日、鼻詰まりが酷くなり、水も飲みにくそう。
2回目のインターフェロン開始と、毎日のネブライザー。

鼻詰まりで臭わないせいか、食欲がない。
食欲増進剤をもらったが効き目なし。
抗生剤の種類を変更した。

2月4日、朝起きると、エミの体が茶色く汚れている。
周りに血飛沫の痕が。
どうやらクシャミとともに鼻血が出たようだ。

ステロイドを追加。
4.5kgあった体重が4kgを切る。

a/d缶をシリンジで流し込んだら、嫌がって吐き出してしまう。

昔からドライオンリーで、ウエットを食べない猫。
病院で強制給餌をしてもらっても、体に合わないのか、帰宅後全部吐いてしまった。

サプリメント会社から、経腸栄養食を取り寄せる。
15分で栄養が吸収される優れものだ。

パウダーに栄養補給ペーストを混ぜ合わせ、
呑み込める大きさに捏ね、元気玉と名づける。

それを、1日8~10回与え、なんとか4kgをキープし続けた。

3月3日、再度鼻血。
病院を変えた。

血液検査に異常はない。
アンピシリン、アミカマイシン、トラネキサム酸、バイトリル・・・

3日連続で通院した結果、嘘みたいに鼻詰まりがなくなった。
カリカリも食べだす。

よかった、良かった。

と、安心したのも束の間、4月30日、また鼻血とともに鼻詰まり。
同じ薬は効かなくなった。

いろんな薬に変えてみるが、全く改善しない。
再度の血液検査でも異常は見られない。

5月末、違う病院に行ってみた。
ここでも抗生剤とステロイドを処方されたが効き目なし。

6月8日、また出血。
2度目の病院に駆け込んだ。




異常事態だと、CTを撮るよう勧められた。

少し遠いが、検査は日帰りで可能だという。
費用は8万ほどと。

すぐに予約を入れてもらった。

6月10日外来受診。

大きな病院だ。待合室には電光掲示板。
人間の病院より立派だ

10時の予約で10分前に到着したが、受付番号は72番。
2か所の駐車場は満車状態。遠くからも沢山来ている。

予約にもかかわらず30分ほど待たされた。

問診のあとの診察で微熱がある。
麻酔をかけられないので、猫は預かりCTは明日以降と言う。

予想外だった。

明日には出来ますか?の問いに、
熱が下がればすぐに撮ります。と。

では明日来ます。と言い残し、エミを預け、しぶしぶ引き上げる。

翌日、10時頃到着。
受付番号は、60番台。
電光掲示板には、面会の区分に番号が振り分けられている。

待合室に、エミの入ったキャリーが運ばれてきた。

一瞬戸惑う。
ここで面会?
周りに犬も沢山いるのに?

1時間ほどして診察室へ。
説明するのはAHTの女性。熱は下がったと言う。

では、今日CT出来ますね?
の問いに、たぶん・・という返事。

結果は夜電話しますと言われて、再びエミを預けて帰るが、電話はかかってこない。

翌日、また出向く。
CTは、撮っていなかった。
なんで撮らない?と聞いたが、担当医の判断で。としか答えない。
やっとCTを撮ったのは、入院から4日目の6月13日だった。

エミが不安がっていると思うと、いたたまれず、
毎日様子を見に行ったが、
待合室にエミを連れてくる、そのまま長時間待たされるの繰り返し。

具合の悪い猫をこの状態で待たすなんて、考えられない。
病院のシステムに疑問を感じたが、どうしようもなかった。

CTの結果は、鼻腔内組織の重度の変性、壊死、悪性リンパ腫。
ガンだった。

いまのところ、転移はないが、骨が溶け出して、眼球に浸潤しているとのこと。



抗がん剤治療にするか、放射線治療にするか。
確定診断のため、2週間後に来診してほしいと。

熱が下がったのに、すぐにCTを撮らなかったのは、先生がお休みだったからですか?
と聞いた。

そうではなく、事前の検査や体調を整えていたからです。と答えた。

説明を聞く間、大声で泣き続けるエミ。
入院時4kgの体重は、3.5kgに減っていた。
入院や検査が堪えたのだろう。

こんなにかかるとは思わなかった。
日数も費用も、ストレスも。

レントゲン、血液検査、FPLI検査。
Felv/FIV検査、CBC検査。
神経検査、鼻腔鏡検査。

CT以外にこんなに沢山の検査が、本当に必要だったのだろうか?
オーナーの承諾無しに、トラブルにならないのだろうか?
血液検査の結果は、転送してもらったはずなのに。

出来れば2度と来たくない病院だ。

抗生剤と鎮痛薬を出された。
そうか、痛かったんだ・・・
気づいてやれなかった。
ごめんな、エミ。

帰宅後のエミは、一気に調子を崩した。
水を飲ませても吐いてしまう。
痛み止めも口にできない。

朝、病院に預け、静脈から抗生剤と痛み止めを点滴。
夕方迎えに行く。
3日間繰り返した。

苦しいのか、痛いのか。夜通し泣き続ける。
右目が腫れて、閉じることが出来なくなった。

元気玉はもちろん、水一滴すら飲み込めない。
もう限界かもしれない。

エミを失いたくないが、これ以上苦しませたくもない。
安楽死の選択も飼い主の愛情だと、苦渋の決断。
獣医さんに申し出た。

瞳孔が開いてきている。
これ以上頑張らせるのは可哀そうと、獣医さんも同意してくれた。

エミを撫ぜながら見送った。
大量の麻酔を投与。5秒もかからなかった。

安楽死と言えど、なかなか死ねずに苦しむ子もいるらしい。
エミのように食べずに弱っている子は苦しむことなくあっという間だそうだ。

鼻血で汚れていた体も、シャンプーで綺麗にしてもらった。
気持ちよく眠っているかのようなエミだった。



安楽死を選択し、罪悪感を感じるかと思ったが、安らかな顔を見て、これで良かったんだと心から思えた。

季節がら、誰もが風邪と思っていた。
鼻血が出た時点で疑うべきだったと、2度目の獣医さんは詫びてくれた。

症状が出て半年。もっと早く解っていたらと。
たとえ結果は同じでも、緩和ケアをしてやれたのに。
悔しくてたまらない。

お宿の永遠のアイドル、エミちゃん。
享年 10歳




無念・・


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