村上春樹原理主義!

作家・村上春樹にまつわるトピックスや小説世界について、適度な距離を置いて語ります。

村上春樹の新作の英語タイトルは『Killing Commendatore』

2017-01-26 21:34:47 | トピックス
HARUKI MURAKAMI’s latest book is going to be published in Japan,at 2017.2.24.
The novel is called "Killing Commendatore". 
 

村上春樹の新しい小説『騎士団長殺し』の英語タイトルは、 

『Killing Commendatore』だそうです。

作家の千葉望さんという方は、

以下のようにツイートしておられます。

★村上春樹の新作が『騎士団長殺し』と聞き、どうしてもモーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」の騎士長を思い出してしまう。娘を取り戻そうとしてドン・ジョヴァンニに殺されるも、最後には亡霊となって彼を地獄に引き込む役。それとはぜんぜん関係ないのかしら。★

どうなんでしょうね?


新作はまだ予約段階にも関わらず

アマゾンのランキングでは、今日現在、3位と5位につけています。

新潮社では、第1部、第2部とも初版50万部で発売というからスゴイ!

本が売れないと言われている昨今、

村上春樹さんがどうしてこんなに売れるのか。

期待値が高く、知名度も高く、

そして常に読者の期待を裏切らない作品を提供し続けてきた

というのがその理由でしょうか?

こういう前評判であるからには、超絶面白い内容を期待します。


満を持しての長編小説でしょうから

きっと面白いに違いにないと、ワクワク感が膨らみます。


ああでも、村上春樹さんご本人は、本当に受けるだろうかと、

きっと緊張しておられるでしょうね?

 


村上春樹の『職業としての小説家』で語られる「物語」について

2017-01-18 21:32:10 | 村上春樹のエッセイ

村上春樹さんの『職業としての小説家』を読みました。

作家・村上春樹がいかにして誕生したか、

いかにして小説を書いているか、

というようなことが書かれています。

 

いつも思うことですが、

村上春樹にはブレがない。

その思考をたどっていくと、

きちんと着地させてくれるところがありがたい。

結論が明らかとか、論理が鮮明とかいうのではなく

ストンと心に落ちる、という感覚です。

だから、村上春樹のエッセイは、

読む喜びがあるのだと思います。

 

12の文章で構成されていて、

どれも面白いですが、

第十二回の「物語のあるところ・河合隼雄先生の思い出」で

物語について語られているところに

興味を惹かれました。

 

村上春樹は河合先生と、「物語というコンセプト」を共有していた

と村上春樹さんは語ります。

 

~物語というのはつまり人の魂の奥底にあるものです。

人の魂の奥底にあるべきものです。

それは魂のいちばん深いところにあるからこそ、

人と人とを根元でつなぎ合わせられるものなのです。

僕は小説を書くことによって、日常的にその場所に降りていくことになります。

河合先生は臨床家としてクライアントと向き合うことによって、

日常的にそこに降りていくことになります。

あるいは降りていかなくてはなりません。

河合先生と僕とはたぶんそのことを「臨床的に」理解しあっていた

──そういう気がするんです。

 

ここで村上春樹さんのいう物語について、余計な説明をくわえるのは

やめておこうと思います。

おぼろげながらイメージはあるけれど、

人によって受け取り方も、理解する基準点も違うでしょうから

余計なお世話になりそう。

 

でも、読者も著者が書き表したテキスト(物語)を読むことで

物語を共有することができるということですよね。

 

なんにしても、読み応えのあるエッセイ集、あるいは思想本でした。

 

村上春樹さんが六十代にならんとする辺りから出版されたエッセイ集は

★『走ることについて語るときに僕が語ること』

★『小澤征爾さんと、音楽についての話をする』

いずれも深い考察と、

それと併走するように見え隠れする村上春樹さんの活動が

リズムよく語られ、

読むことで、とても高い領域に連れていってもらえる気がします。

生きていることに嬉しさがともなうような、

そういう読中・読後感があるのが、

とてもいいなと思います。


今度は『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』が読みたくなりました。

 


村上春樹の新作長編小説が2月24日に刊行される

2017-01-11 09:36:10 | トピックス

村上春樹が新作の長編小説を、

2月24日に新潮社から発売するそうです。

 

タイトルは『騎士団長殺し』

「第1部 顕れるイデア編」「第2部 遷ろうメタファー編」の全2冊。 

タイトルからして、日本ではないどこかの時代物になるのかしらん?

あるいは異世界もの?

「殺し」とつくからには、ミステリーっぽいのかな? 
などと、想像を刺激されます。
 
村上春樹さんの長編小説は、
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』以来
4年ぶり。
 
400字詰めの原稿用紙2000枚。

村上春樹さんは、毎日朝4時から机に向かい

10枚ずつ書くのだというから、

単純計算しても、200日。

それを何度も推敲して書き直すのだというから、

大変な労作ということになると思います。

もし、3回書き直したとしても、600日。

全面的に書き直すことはないでしょうから、

そういう単純計算は成り立たないけど、

600日と言えば、約2年。

その間に翻訳本やら、エッセイやら、

おととしの正月明けには、webサイト「村上さんのところ」を開くなど

小説抜きにしても、とても忙しそう。

それなのに2000枚の小説を書き上げるあたり、

さすが職業としての小説家です。