最初はただの文字に過ぎなかった登場人物が、朧げにイメージを帯び始め、
いつしか目蓋の裏で殆ど実像になり、ゆらりと立ち上がる。
良い本を読んでいると時々そういうことがあります。
分厚い上下巻のこの小説はその物語に含まれた人々を、今まで読んだどの本よりも鮮やかに
ワタシの内へ呼び寄せ、また物陰から全ての場面を伺っているような臨場感を呼び起こし、夢中にさせてくれました。
水村美苗/本格小説
日本で不遇な少年期を送った東太郎という人物がアメリカでのし上がり、貧しさ故に
手に入れられなかった愛する人を再び訪ねる、という筋だけ書いちゃうと
うっかりメロドラマなんですけど、その完璧な殻に包まれた心の内に生き続ける
東太郎の偏執的ともいえるそこだれ剥き出しの情熱に、
ワタシはすっかり当てられてしまって、もう一章、あと1ページと2日がかりで読み終えてしまいました。
時代も年齢も関係なく、剥き出しの心で人を愛せる人の勝ちだね、人生は。
幸福だとか平穏だとかではなく、それができるということは、人生が宇宙みたいに
広大になることと同意義だと思うからです。
戦後~現代と場面事の風景が、冴えた描写で緻密に書かれているので、この70年ほどの間に
この国が得たものと失ったものがなんだったが、ぼんやりながら分かったような気がします。
超オススメ、星5つな小説でした。
おハナでした。
PINS FACTORY(ピンズファクトリー)は
オリジナル・デザインのPINS(ピンズ・ピンバッジ・ピンバッチ)を
受注製作する専門メーカーです。
http://www.pins.co.jp
いつしか目蓋の裏で殆ど実像になり、ゆらりと立ち上がる。
良い本を読んでいると時々そういうことがあります。
分厚い上下巻のこの小説はその物語に含まれた人々を、今まで読んだどの本よりも鮮やかに
ワタシの内へ呼び寄せ、また物陰から全ての場面を伺っているような臨場感を呼び起こし、夢中にさせてくれました。
水村美苗/本格小説
日本で不遇な少年期を送った東太郎という人物がアメリカでのし上がり、貧しさ故に
手に入れられなかった愛する人を再び訪ねる、という筋だけ書いちゃうと
うっかりメロドラマなんですけど、その完璧な殻に包まれた心の内に生き続ける
東太郎の偏執的ともいえるそこだれ剥き出しの情熱に、
ワタシはすっかり当てられてしまって、もう一章、あと1ページと2日がかりで読み終えてしまいました。
時代も年齢も関係なく、剥き出しの心で人を愛せる人の勝ちだね、人生は。
幸福だとか平穏だとかではなく、それができるということは、人生が宇宙みたいに
広大になることと同意義だと思うからです。
戦後~現代と場面事の風景が、冴えた描写で緻密に書かれているので、この70年ほどの間に
この国が得たものと失ったものがなんだったが、ぼんやりながら分かったような気がします。
超オススメ、星5つな小説でした。
おハナでした。
PINS FACTORY(ピンズファクトリー)は
オリジナル・デザインのPINS(ピンズ・ピンバッジ・ピンバッチ)を
受注製作する専門メーカーです。
http://www.pins.co.jp
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます