浅い春。
遠くに見える六甲の山頂はうっすらと雪化粧。
心なしか陽の光は丸くなったような。暦の上の春。
昨日、久しぶりに行った二駅向こうのスーパー。
入り口のところに花屋さんがあって、鉢植えの花が並んでいた。
見るともなく、少し冬に疲れたようなシクラメンやポリアンサスの花をながめる。
そこにニット帽をかぶった、けっこう年配のおじさんがいて、こちらを見ていた。
きっと花屋の店員さんで、私に鉢植えを売ろうとしているんだな。
そう思って、さりげなく鉢植えから視線をはずした。
だって、今日は花を買うつもりはないし。
スーパーの筋向いにある銀行へ向かうべく、赤信号が青になるのを待つ。
と、その時。件のおじさんがつかつかと近づいてきて、
「すいません、松川さんですか?」と私に声をかけた。
私としては、びっくりするやら、まったくの人違いに気の毒になるやら、
でもとにかく自分は天地神明に誓って「松川さん」じゃないから
「いえ。ちがいます」。きっぱりと否定する。
「すいません」。おじさんはそう言いながら決まり悪そうに離れていった。
よく見ればナップサックを背負っている。
誰かと待ち合わせて、早春のハイキングだかウォーキングに出かけようっていうのかしらん?
銀行から戻ると、花屋さんの前に人影はなかった。
待ち人が現れたのかと思えば、スーパーのレジ横にあるイスにすわってるおじさんを発見。
かなり待ちくたびれた様子。
買出しをすませてから再び確認すると、もうおじさんはいなかった。
「松川さん」は無事に現れたのかな? あきらめて帰ったのかも?
遠くに見える六甲の山頂はうっすらと雪化粧。
心なしか陽の光は丸くなったような。暦の上の春。
昨日、久しぶりに行った二駅向こうのスーパー。
入り口のところに花屋さんがあって、鉢植えの花が並んでいた。
見るともなく、少し冬に疲れたようなシクラメンやポリアンサスの花をながめる。
そこにニット帽をかぶった、けっこう年配のおじさんがいて、こちらを見ていた。
きっと花屋の店員さんで、私に鉢植えを売ろうとしているんだな。
そう思って、さりげなく鉢植えから視線をはずした。
だって、今日は花を買うつもりはないし。
スーパーの筋向いにある銀行へ向かうべく、赤信号が青になるのを待つ。
と、その時。件のおじさんがつかつかと近づいてきて、
「すいません、松川さんですか?」と私に声をかけた。
私としては、びっくりするやら、まったくの人違いに気の毒になるやら、
でもとにかく自分は天地神明に誓って「松川さん」じゃないから
「いえ。ちがいます」。きっぱりと否定する。
「すいません」。おじさんはそう言いながら決まり悪そうに離れていった。
よく見ればナップサックを背負っている。
誰かと待ち合わせて、早春のハイキングだかウォーキングに出かけようっていうのかしらん?
銀行から戻ると、花屋さんの前に人影はなかった。
待ち人が現れたのかと思えば、スーパーのレジ横にあるイスにすわってるおじさんを発見。
かなり待ちくたびれた様子。
買出しをすませてから再び確認すると、もうおじさんはいなかった。
「松川さん」は無事に現れたのかな? あきらめて帰ったのかも?