ポツリと落ちる振動②

自分の感情にグルグルと振り回される。
疲れて気がつくと、布団の上にバタンと倒れていた。
ふと窓が目に入った。

すごい厚い灰色の雲

それが、じゅうたんみたいに拡がっている。

でも、空間におかれる点々がなくなっている。
雨が止んだみたいだった。

そう思うと同時に、支度をし始める。

ジッとしてるのが耐えきれなくなってたみたいで、
気がついたら玄関前にいた。

外に出ると、ちょっと寒さを感じた。

さっきまで、雨粒が置かれていってた地に、
足を置いていく。

雨の後は地面が滑りやすい。
ゆっくりと慎重に歩いていた。

水の雰囲気が広がる地に、一歩一歩置いていく。
水の上を歩いてるみたいに、体がすごく軽かった。

いつも、引き返す橋のところまで来た。

でも、私の中は歩きたい気持ちでいっぱい。

行きたいところまで行った。

自分の一歩がしずくみたいに、地に落ちる。
その振動がずっと拡がっていく。
地面に伝わって、それが自分の体全体に感じられる。

ふと前を見ると、少し明るくなっている空があった。
上には、どんよりした雲がある。
すごく大きくて分厚くてつかめそうな雲。
でも、その周りに、空の明るさが見えた。


晴れてくるのかな？
そう思いながら、歩き続ける。

歩くだけ歩いて、少し疲れた。

クルリと向きを変えて、帰り道を歩く。

同じ道だけど、雰囲気が違うような気がした。
なんで、雰囲気は変わるんだろう？
そんなことを思いながらトコトコ歩いていく。

雰囲気がわたしに何か伝えてるみたいに感じた。
ふと、肌に小さくトンって触れてくるものがあった。

ん？なんだろう？
そこをみてみると、水滴がついていた。

その水滴を見た瞬間、私の頭の中は真っ白に、、

雨降ってくるの？
なんでこのタイミングで降ってくるの？

立ちすくんでいた。
どう動いたらいいんだろう、、、

立っていると、雨粒がまたポツリ


どうしよう？
自分ではどうにもできなくなって、周りをキョロキョロし始めてた。