彩水のしずくー自分と向き合う

わたしは多発性硬化症です。体の症状などに対する自分の取り組みとその結果、自分と向き合うことで生まれるもの書いて行きます。

夢中の中の無②

2020-01-09 17:30:00 | 日記

気配をキャッチをして、指が動き始めた。

一音ずつ確認しながら、音の足跡をつけていく。
ふと、さっき感じた雰囲気の枠を弾いてるみたいって思った。

この音で合ってる?
ここはどういうテンポ?

目の前に描かれている5本線上の音の遊び。
それを目で追いながら、1音のピースを鳴らしていく。

楽譜とわたしの音の交流
指とピアノの触れ合い

その全体が一音になっていく。
紙の上にある音符の走り
それが音になって空気の上に飛んでいく。

いろんなところに音の存在が置かれていくみたいだった。

夢中になって弾いていた。
ピアノの音は聞こえていない。
発信する側の音が響いているみたい。

自分の声を出している時みたいに、聴こえているけど聞こえていない音。

なんだか、自分が空気みたいだった。
夢中になっているからかな?
自分なんてどこにもいなかった。
楽しみの中には、時間も空間もない。
何もないけど、真っ直ぐな集中だけが続く。
その想いだけがあった。

一音が音楽になって、
音の連なりが一音に執着される。

やる気持ち、好奇心はすごくあるけど、自分がない。
「夢中」の中の「無」に入っていく。

異空間に自分がいるみたい。
だんだん、混乱してきている自分がいた。

さっきまで一体になっていた、感覚と、音と、ピアノがバラバラになっていくみたい。

それぞれが独立しているみたいだった。
音は響きとして、
感覚は居心地として、
ピアノは根源として、、、

個としているみたい。
でも、その個がボールみたい。
ボールはいろんなところに転がっていく。

訳が分からなくなっていた。
なんの曲を弾いているんだっけ?
どこを弾いているんだっけ?

頭が、揉まれ摘まれ、グルグル。

自分で出してる雰囲気に頭がついていけなくなってるって思った。

グルグルしながら時間をみたら、もう夕方を回っていた。

朝起きてからずっと弾いていたんだ(°_°)

びっくりしてる自分がいた。
時計が示す時間と、感覚の時も揺れていく。

全部が、ひっくり返ってるみたいだった。

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