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⑩アメリカとS・Gの最終世界戦略

●「不安定の弧」の封じこめ

2003年11月10日早朝、国籍不明の潜水艦が日本の領海内を航行しているのが発見された。のちに中国の原子力潜水艦(漢級)と判明するが、その潜水艦は日本の領海に入る前、アメ火カ軍基地があるグアム島を一周したという。しかも30日間に及ぶ全行程がアメリカ軍によって追跡されていたのである。

日本に通告したのは台湾とされているが、実はアメリカが事前に通告しており、防衛庁は12日午前7時10分、潜水艦が東シナ海で日本の領空外に設けた「防空識別圏」の外に出たことを確認した。この中国原潜の動きは、近年ますます経済成長の著しい中国の、軍事的拡大路線と深く関係している。台湾間題を含め、中国はアメリカを仮想敵国として軍事力の増強と最新兵器への転換を加速しているのである。中国が表向き発表している軍事予算は、2003年度で250億ドル(約2兆7000億円)だったが、アメリカは500億5700億ドル(最大7兆円)と見ている。

現在、アメリカは、こうした動きのある中国を旧ソ連崩壊後の最後の共産主義国家として、軍事的に押さえこむ新体制を組みつつある。それが第2期ブッシュ政権が掲げた「在外米軍の再編」のひとつの目的にもなっており、昔、旧ソ連を囲むようにミサイルを配備したのと同じような戦略をとっている。とくにグアム島基地では、B-52爆撃機が常時発進体制にあり、攻撃型原潜も3隻配備され、近々154発のトマホークミサイルを発射できる改造型原潜も加わってくる。原潜だけではない。アメリカでさえ12隻しかない原子力空母のうち1隻を、グアムに配備する計画があり、日本の横須賀港を母港とする「キティホーク」を加えた2隻の原子力空母で、中国を押さえこもうとしている。

しかし、それでも十分ではなく、とくに北朝鮮から中東までの「不安定の弧」と呼ばれる領域で、アメリカの軍事的影響を強める必要に迫られていた。アメリカのそうした風惑が大きく前進したのは、スマトラ沖地震がきっかけだった。大津波が発生した直後から、アメリカ海軍が全面的に支援活動を行い、必ずしも友好的とはいえない関係にあったタイ、マレーシア、インドネシアとの関係を回復し、インドばかりかスリランカとも協力関係を結んだのである。

こうして、アメリカ軍が掲げている在外米軍の再編と、不安定の弧におけるアメリカ軍の影響力が一気に増し、中国への包囲網の前段階が完成してしまったのである。これを偶然と見ないほうがいい。実際、アメリカは全面的な援助活動のために空母艦隊を現地に派遣したが、その背後には、広島と長崎に落とした原爆被害の効果を調べたときのように、プラズマ兵器の威力を確認する目的も隠されていたと考えるほうが理にかなう。

しかし、これはまだ前哨戦に過ぎない。これから先、アメリカはさらなる恐ろしい戦略を世界に向けて仕掛けてくるだろう。アメリカの目的は、テロ撲滅でも、専制国家をなくすことでもない。アメリカによる世界制覇なのだ。いい換えれば、その目的のためにイスラムのテロリストや専制君主が邪魔なのであり、最後の共産主義国家とともに滅ぼす計画でいる。ンークレット・ガバメントが目論む最後のチェックメイトのために、全世界がアメリカの軍婁戦略に大きく振り回されていくことだろう。


■『完全ファイル UFO&プラズマ兵器』飛鳥昭雄(著)徳間書店より抜粋紹介

プラズマ兵器 『完』

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