Smooth (C∞) だが実解析的 (Cω) ではない函数の存在
次の性質 (i)-(iii) を満たす滑らかな函数 ψ: R→R が存在する。
(i) 任意の実数 t に対し 0 ≦ ψ(t) ≦ 1.
(ii) 任意の実数 t ≦ 0 に対し ψ(t) = 0.
(iii) 任意の実数 t ≧ 1 に対し ψ(t) = 1.
証明:
f(t) = 0, t ≦ 0,
f(t) = e-1/t, t ≧ 0
と定義する。 これが滑らか (smooth) であることを示せば
ψ(t) = f(t)/(f(t) + f(1 - t))
は smooth で且つ性質 (i)-(iii) を満たす。
函数 f(t) が滑らかであることを示すには, 自然数 (ここでは 0 を含む) n に対し
limt→+0f(n)(t)/t = 0
を示せば良い。
帰納的に x の多項式 pn(x) を
p0(x) = 1,
pn(x) = -x2(pn-1(x) + p'n-1(x))
で定義すると, t > 0 に対し
f(n)(t) = pn(1/t)e-1/t
となる。 ex の Taylor 展開を用いて k ≧ 0 なる時
limt→+0((1/t)ke-1/t) = limx→∞ xk/ex = 0
であることが直ぐ分るので, f(t) 従って ψ(t) は滑らかである。
この函数 (ψ も f も) は smooth だが実解析的ではない。
f の方で示す。
f の x = 0 に於ける Taylor 展開を考えると, f(n)(+0) = 0 なので, f(t) = 0 となる。
ところが, x = 0 のどのような近傍をとっても t > 0 なる限り f(t) > 0 であるから, この Taylor 級数の収束半径は 0 である。 つまり, f は実解析的ではあり得ない。
尚, この函数 ψ(t) を用いて滑らかな多様体の上で 1 の分解 (1 の分割) を作ることが出来る。
これは (実) 解析多様体では実現出来ない。
次の性質 (i)-(iii) を満たす滑らかな函数 ψ: R→R が存在する。
(i) 任意の実数 t に対し 0 ≦ ψ(t) ≦ 1.
(ii) 任意の実数 t ≦ 0 に対し ψ(t) = 0.
(iii) 任意の実数 t ≧ 1 に対し ψ(t) = 1.
証明:
f(t) = 0, t ≦ 0,
f(t) = e-1/t, t ≧ 0
と定義する。 これが滑らか (smooth) であることを示せば
ψ(t) = f(t)/(f(t) + f(1 - t))
は smooth で且つ性質 (i)-(iii) を満たす。
函数 f(t) が滑らかであることを示すには, 自然数 (ここでは 0 を含む) n に対し
limt→+0f(n)(t)/t = 0
を示せば良い。
帰納的に x の多項式 pn(x) を
p0(x) = 1,
pn(x) = -x2(pn-1(x) + p'n-1(x))
で定義すると, t > 0 に対し
f(n)(t) = pn(1/t)e-1/t
となる。 ex の Taylor 展開を用いて k ≧ 0 なる時
limt→+0((1/t)ke-1/t) = limx→∞ xk/ex = 0
であることが直ぐ分るので, f(t) 従って ψ(t) は滑らかである。
この函数 (ψ も f も) は smooth だが実解析的ではない。
f の方で示す。
f の x = 0 に於ける Taylor 展開を考えると, f(n)(+0) = 0 なので, f(t) = 0 となる。
ところが, x = 0 のどのような近傍をとっても t > 0 なる限り f(t) > 0 であるから, この Taylor 級数の収束半径は 0 である。 つまり, f は実解析的ではあり得ない。
尚, この函数 ψ(t) を用いて滑らかな多様体の上で 1 の分解 (1 の分割) を作ることが出来る。
これは (実) 解析多様体では実現出来ない。