ことほぎ日記

ことほぎ【寿・言寿・言祝】ことほぐこと。ことばによる祝福。ことぶき。ことほがい。そんな日記になればなあ、と思っています。

いい表現を学ぶ

2010-06-08 | ことほぎインデックス

一度は泊まりたい有名宿 覆面訪問記』という本を読んだ。
1泊10万円以上のお高級な宿から、1泊1万円以下のお宿まで、
バラエティに富んだ宿が載っていて、とても面白く読むことが出来た。

「覆面訪問記」とあるので、どれだけ過激に書いてあるのか?と思いきや
著者の人柄が表れているのか、読んでいていやな表現は一切ない。

100部屋以上あり、カラオケがあったり、
宿の従業員の方が太鼓を叩いてくれるような宿は
●静かな環境でのんびりしたい人
●あちこち食べ歩いている食通の人は行ってはだめ とか

上限でも1万円台の素朴な感じのお宿では
●旅館で殿様気分を味わいたい人は行ってはだめ
●化学調味料嫌いの人は宿にあわせる覚悟が必要
 何しろ安いのだから

など、常に著者が「肯定的」に物事を捉えていてとても気持ちがよかった。

私が考える覆面訪問記、というものは
あら探しをしたり、覆面であることをいいことにやりたい放題、という印象だったけれど、
読後感が想像以上にすがすがしく、旅館ガイドはこれ1冊あればいい、と思えるほど。

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夫がこんなことを言っていた。

「どんな人だって『自分はいいことをしている』『自分はいい』と思っているのだから
あとはこちらが合わせて、胸に飛び込んでいくしかないんだよ」と。

確かに、どんな人だって自分が「正しい」とか「いいはず」と思いながら
行動し、振舞っているのだ。

人間だって、宿だって、どんなものだって、万人向け、というものはない。
誰かに向けられて、誰かにとってはパーフェクトなもの。

「苦手・・・」と思う人には積極的には関わらないようになってしまう私だけれど
この訪問記のように、いいところを見て、
関わり方を変えていこう、と思うようになった。


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この「一度は泊まりたい有名宿 覆面訪問記」は
「自遊人」という雑誌に掲載されていたものをまとめたものらしい。

著者である岩佐十良さんは、雑誌で薦めていることを
自分たちがまず実践しなくてはならない、と
東京にあったオフィスを新潟県の魚沼へ移し、
畑を耕したり、スタッフにも化学調味料禁止令を出したり、
とても面白く素敵な方。

その方が★をつけている本なので、まるでセレクトショップみたいに
すでに選ばれた宿が掲載されていて、とっても面白く読むことが出来た。
いつもは眺めるだけで終わる、この手の本だけれど、
これはしばらく活用しそう・・・。



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