ことほぎ日記

ことほぎ【寿・言寿・言祝】ことほぐこと。ことばによる祝福。ことぶき。ことほがい。そんな日記になればなあ、と思っています。

全部抱きしめて

2011-09-20 | 家族のこと

♪全部、抱きしめて~

そんな歌詞の歌があったような・・・。


私が「全部抱きしめよう」と思うのは、母との会話。

母とは無料で通話できるように設定したので、
ほぼ毎日のように電話で話をしている。
それが夫からの命令でもある(なんて、幸せな命令)。

私が韓国に住んでいた頃には国際電話で愚痴をいったりしていた母。

その頃私は今よりずっと幼くて、母の気持ちになどなれず、
全然話を聞いてあげられなかった。

散々(いやいやながらに)聞いた揚句
「あなたは何にも分かってない!」なんてキレられて、
「なんなのよ?」とあっけにとられたことも何度もあった。

ところが、今は毎日のように電話していても、とてもすがすがしい。

母の愚痴も時にはあるし、「いいように解釈しすぎじゃないの?」とか
「それ、そういう風にとる?」とか、物申したいことはたくさんある。

反論したいことや、目線を変えてみたら?と思うこと、
「もう、その人亡くなって何年も経ってるよ、忘れなよ!」という話も。


でも、そういうのをほとんど反論せず、「全部抱きしめて」聞いてしまう。

そうすると、話している母が気分がよく、聞いているこちらも意外と気分がすがすがしい。


相槌を打ちながら、母が話しやすいように聞き、
母の味方について通話を続けていると、
こっちが誘導したい方向に、母自身が向かっていこうとしていることもたびたびあった。

「勉強しなさい」と言われると、「今やろうと思っていたのに!」と思うように、
「あれしなさい、これしなさい」っていうよりは、
最初、何もかも抱きしめて、受け止めてしまった方が、
結果として、こちらが思う「いいであろう方向」に向かうのかな、と思った。


なかなか気恥ずかしくて、母をハグするなんて出来ないけれど、
こうやって存在を抱きしめて、ハグすることだったら出来てるかも!と思えるようになった。

 

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ノーベル平和賞

2011-09-20 | 日々、思うこと

以前、大学の先生が授業中に、

「あなたたち、本当に好きな人と結婚なさいね。

本当に好きな人と結婚して、子どもを授かったら、
旦那さんや子どもを戦争に送りたい、なんて絶対に思わないでしょう?

だから、本当に好きな人と結婚することは、
ノーベル平和賞にも値する、と私は思うのよ」と仰っていた。

確かに、そうだ。


今まで、自分の親兄弟が大切だったように、
夫が大切になり、娘が大切になった。

今、ここにいる私たち家族、
夫のご両親、おばあちゃん、私の親、弟たち。

みな大切で、ひとりひとりかけがえがない。


でも。


それは、私の血縁だけに当てはまることではもちろんなくて、
みな、それぞれに大切で、大事にされ、愛情を注がれた存在なのだ。

至極当たり前のことだけれど、妊娠、出産、育児を通じて、
改めて感じた大切なこと。


私は大事。
私の家族も大事。
同じように、見ず知らずのあなたも大事。

 

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ユレーカ!再び

2011-09-19 | 日々、思うこと

出産を機に、3年以上お世話になった職場を辞めた。

そこを辞める際にたくさんの方からメッセージを頂いた。

「たくさん、褒めてくれてありがとう」というメッセージがすごく多かった。

私が人を褒めるのは、私自身人に褒められることが好きだから。
だから、人もきっとそうに違いない、と思って褒めるし、
褒めるに値するような素晴らしいところが、みなあちこちにあるから、
たくさん、たくさん褒める。

でも、そうはいかない時もある。

自分が妊娠出来なくて悶々としている時に、
おなかが大きい人を見るのが、実はとても辛かった。

なんでおんなじ人間なのに、何人も産める人がいる一方で、
望んでいるのに妊娠できないのかしら?なんて私はうらやましく
思いながら、しょぼんとするばかり。

そんなことを夫に言うと、こう返された。

「うらやましがったりしないで祝福してあげたら、
自分に返ってくるんだよ」と。


仰ることは分からなくもないけれど、当時の私は到底そんな気持ちにはなれなかった。

でも、今なら少し分かる気がする。


うらやましい、ずるい、そんな否定的な気持ちからはきっと何も生まれない。


一方で「よかったね、おめでとう」なんて口にしたり、心で思った方が
ずっと気持ちがいいと思う。

私は聖人君子になるつもりはサラサラないけれど、
自分自身が気持ちよくなりたい。

自分自身が心地よく、一家の太陽として、日々にこにこと元気よくいたい。

そのためには、夫が言うとおり
「うらやましがるより、祝福」なのだ。

その方が、手っ取り早くて、お得、と最近は思う。

何よりも、夫と結婚したことが私にとってお得、と思う。

 

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どんな時も(なるべく)・・・

2011-09-19 | 日々、思うこと

ある日、「無添加たくあん」というのを夫が買ってきた。

添加物も「無」かもしれないが、味も「無」で、
文字通り、味も素っ気もない一品だった。

実家の母がわが家にやってきて、そのたくあんを食べた。

「このたくあん、売りに出した人、勇気あるー」と母。


また、ある時は母と歩いて20分くらいの、少しお高めのスーパーへ
買い物に行った時のこと。
ぶらりと散歩がてら行くだけだと思い、お財布を持って行かなかった。

見たら、あれこれと買いたいものが見つかった母。
お財布を持ってこなかった私に

「やっぱり、貯める人は心がけが違うわね」と感心された。

文句を言うのは簡単だけど、ちょっと違った見方をしたら、
くすりと笑える方向に持って行くことも出来る。

どうせなら、くちびるをとがらせて文句を言うのではなく、
くすりと笑える方向で、母のようにさらりとものが言えたらいいなあ、と思う。


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赤ちゃんがかわいいのは・・・

2011-09-19 | 日々、思うこと

娘を抱っこしてバスに乗っていた。

隣り合わせた方に、
「赤ちゃんってかわいいねえ。
歯がなくてもかわいいねえ。
年寄りが歯が抜けてるのは、おかしいのにねえ」と言われた。

赤ちゃんがかわいいのは、どうしてだろう?と考えてみたことが
前にもある。

私が思うのは、赤ちゃんはみんなから
「かわいい、かわいい」と言われ、それを聞くから
かわいいんじゃないか、ということ。

みんなからの愛情をもらって、それを反射するように
かわいさがにじみ出るのではないか、と思った。

そして、妊娠して出産した私が思うこと。

みんな、みんな、お母さんのおなかの中に10か月いて、
出てくるのを心待ちにされていたのだ。

みんな、お父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、
ご近所の人、親戚のおばちゃん、
いろいろな人の手を借りて、愛情をいっぱい受けて
ここまで大きくなったのだ。
一人の例外もなく。

だから、赤ちゃんはかわいいし、人はみな、
それぞれがかわいくて魅力的な存在なのだ、と
7か月の娘を持つ今の私は思う。

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どんな時も・・・

2011-09-17 | 家族のこと

7か月の娘が泣く夕方になると、
自分がぺしゃんこになりそうな時がある。

同じ月齢の娘を持つ人でも、
仕事をしている人も、家の中がもっときちんとしている人もいる。

私は何もかも中途半端で、育児もちゃんとしてるとは言えないし、
家の中もすっきり片付いているとも言えないし、
経済活動もしていない。

あれもこれも全部中途半端で、ぺしゃんこになって、
へなへな、と座り込みたくなる時もある。

そんなことを夫にちょっぴり話してみたら

「そうやって自分を客観的に見れるってことはすごいよ」
「僕はすごくよくやってくれてると思う」
「君がちゃんとやってくれているから、娘はこんな笑顔なんじゃないの?」

と言ってくれた。

結婚前に、今は天国にいる父が

「どんな時も、旦那さんの味方であること」と教えてくれたっけ。

確かにそうだ。

そして、夫はどんな時でも私の味方でいてくれる。


泣きたくなる時や心が空っぽになる時もあるけれど、
でも、私の味方がこんなにいる。

こんな気分は今でオシマイ。

また、明日、いい気分で行こう。



私自身が自分の味方になれますように。

 

もう、怒らない
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クッキー焼いた

2011-09-08 | 食事とか生活のこと

先日、ご近所さんちへお邪魔する際に、クッキーを焼いて持っていった。
多めに作って、冷凍しておくので、朝夫を送り出してから、
ささっと焼くことが出来る。

なんて簡単、なんて手軽。
そして、余計なものが入ってないのもいい。

以前にもブログ上で友人から教わったこのレシピを公開したけれど、
ご好評だったので、再度公開。

=====


米粉のクッキーのレシピ

材料
バター  150グラム
砂糖   60グラム
塩       少々
薄力粉   200グラム
上新粉   60グラム

1  ボウルにやわらかくしたバター、砂糖、塩を入れ、
     ヘラで押し付けるようにすり混ぜる。
2   泡だて器に変え、白っぽくなるまで混ぜる。
3   粉類を加え、ゴムベラでざっくり混ぜ、最後は手で1つにする。
4   軽くこね、4,5センチの棒状にし、ラップして30分以上冷蔵庫で冷やす
     (ここで冷凍可能)
5   170度のオーブンで18~20分焼く

=====

私はこの倍量で作り、冷凍しておきます。

なかなかに素朴な風貌と味で、
意外と子どもにも大人にも好評。
ぜひ一度お試しあれ。


    

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最近のブーム

2011-09-07 | 日々、思うこと

もともと筆まめだったけれど、最近は娘に時間を寸断されることが多いので、
ささっと書けるハガキを送る回数が増えた。

そして、文末にたいていこの言葉を添える。

「○○家のみなさんによきことがたくさんありますように」と。

今日は、夫が銀行に送る書類にも、
「よろしくお願いします。
よきことがたくさんありますように」と一筆添えてみた。

お邪魔だったかしら?
変に思われたかしら?

=====

人を呪わば穴二つ、というように、人を呪ったり、
悪口を言ったりするのはよくない、と常々思う。

反対に
「よきことがたくさんありますように」と書くと、
それを読んだ人もおそらく、少しは気分がいいだろうし、
書いている私も気分がいい。

=====

ことほぎ日記を読んで下さる方へ。
あなたの家の窓から、よきことがたくさんたくさん
やってきますように。



大きな窓がある家に住む者より。

 

日本という国 (よりみちパン!セ)
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いい時間

2011-09-07 | 日々、思うこと

ご近所さんからお誘い頂き、ベビーマッサージを教わったり、
おいしいお菓子やお茶を頂いたりしながらひとときを過ごした。

ああ、なんていい時間なのだろう。

そもそも近くだから、出掛ける際の億劫さもないし、
ぐずったりしたらすぐ家に帰れる気軽さもある。

ご近所さん、万歳!

娘を出産する直前まで仕事をしていたせいもあり、
あまりご近所さんとの接点がなかった。

けれど、小児科や保育園の情報を聞いたり、
無痛分娩など産み方の話をしたり、聞いたり、
お子さんとの接し方、離乳食のことなど、
母さんビギナーの私としては勉強になることばかり。

今度はぜひわが家へ。

お話して、お茶飲んで、リフレッシュ出来る場や時間を提供できたらいいな。

そして、このことほぎ日記が、みなさまにとってそんな場所であったらいいな。

 

みんなのなやみ (よりみちパン!セ (01))
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伸ばそう、よいとこ

2011-09-06 | 日々、思うこと

以前、雑誌ブルータスで糸井重里さんが特集されている号を見た。
八面六臂のご活躍をされている方だから、
いろいろな仕事をされているのだけれど、
その中でコピーライターというのが大きな位置を占める、と思う。

糸井さんは言っていた。

「広告(だか、コピー)は商品に練りこまれているんだよ」と。

だから、わざわざ引っ張りだしてこなくても、
商品をじっくり観察してあげればいい、ということだと思う。

翻って自分自身。

初めての育児で不安にもなるし、
出来るだけのことをしてあげたい、
彼女の能力を最大限伸ばしてあげたい、とも思う。

けれど、育児だって「自分」の延長。

今までの自分が出来なかったことは、娘に対しても
なかなか出来ないし、続かないだろう。

今の私は生活の中心が娘や育児になってしまっているけれど、
育児、人付き合い、家族のこと、仕事のこと、
みーんな、みんな、これから付け焼刃で何かつけようとするよりは、
今持っているものを伸ばした方がずっといい。

父や母、その父や母、たくさんのご先祖から受け継いだDNAに
練りこまれているであろう、私のよいとこ。

そういうところを伸ばしていかないと、ご先祖様に申し訳ない。
いろいろな人から引き継いだよいとこを
娘や次の代につなげるように、
私もそんな役割が果たせたらいいな、と思う。

伸ばそう、よいとこ。
探そう、よいとこ。

 

いのちの食べかた (よりみちパン!セ)
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あたりまえのこと

2011-09-06 | 家族のこと

先日、実家へ行って来た。

実家へ行くたびに思うこと。
それは、夫、娘と築いている今の家庭が私にとっての「ホーム」で、
実家は「アウェー」になったなあ、という気持ち。


もちろん、母がいて、弟たちがいて、
懐かしさ、変わらなさ、いろいろなことはあるけれど、
今の自分にとって、一番居心地がいいのは、
「ホーム」である、夫と娘、3人がいる「わが家」なのだ。

ところで。

実家に行くと、いろいろなことが目につく。
母に、弟たちに、娘として、姉として、いろいろなことを言いたくなる。
時にそれを口にして怒られたりもする。

考えてみれば、母も弟も血縁関係であり、
大事な大事な人たちだけれど、あくまで私とは別人格なのだ
(そりゃ、あたりまえ)。

けれど、娘だったり、姉だったり、という立場が邪魔をして、
また血縁で結ばれていると、どことなく自分とイコールなのではないか、と思ったりして、
いろいろなことを思い、改めさせようとしたり、アドバイスしようという気になる。

そういう気持ちがあふれてくる。

私が、母と弟たちと違うように、逆もまた真なり、なんだよなあ。

娘が大きくなる前に、自分の家族を通じて、そういうことが分かってよかった、と思う。
娘に自分の考えを押し付けたり、自分の分身のように操ったり、
そんな存在ではないのだ、娘は。

娘を尊重するように、母や弟も一人の人間として尊重しなくては、と改めて思った。

 

あたりまえのことをバカになってちゃんとやる
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ご期待に沿いたい

2011-09-06 | 日々、思うこと

先日、とある集まりに家族3人で参加した。
そこで、夫を通じて間接的に私への褒め言葉を頂いた。

娘と日々にらめっこし、
離乳食の食べが悪い、とか
何で日に何回もうんちするんだろう?とか
今日は昼寝してくれた!など
自分のことではない、とても、とても小さなことに一喜一憂している日々なので、
私への褒め言葉はいつも以上にとても、とてもありがたく、嬉しかった。

一昔前の私だったら、
「そうでしょう、そうでしょう。私褒められちゃった、えっへん」という感じだったのだけれど、
謙虚を絵に描いたような夫に影響を受けてか、
最近は褒められても「えっへん」とは思わなくなった。

実際、褒められたものが自分そのままを見てくださるよりも
買いかぶられていたり、私そのもの以上によいように見てくださった発言が多いので、
こちらも「全然そんなふうではない」と否定するのに忙しかったり。

けれど、自分の口からなるべくいい言葉を発することを心がけている今の私。

褒め言葉は大変、大変くすぐったいけれど、否定せず、相手の気分も損ねず、
自分も気分よくするためには、どんな言葉があるだろうか?

「ご期待に沿えるよう、頑張ります」

うん、これだ!

先日頂いたお褒めの言葉(と解釈している)は、
「どんな仕事をされているのですか?」だった。

たまたま、おしゃれをして出かけたのでそう見えたのかもしれないけれど、
長いこと仕事らしい仕事(金銭を得ること)からは遠ざかっている。

でも、そんな風に見てくださったのだもの。
ご期待に沿えるよう、いい仕事をしたいものだ、するのだ!とこの場を借りて誓う。

 

0~4歳 わが子の発達に合わせた1日30分間「語りかけ」育児
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最近の心がけ

2011-09-03 | 日々、思うこと

最近、思うこと。

人に対して攻撃する人は、自分をも攻撃している、ということ。

私も怒りに任せて人を攻撃してしまうことがあるけれど、
その言葉は相手だけでなく、自分も聞いているんだよなあ、と思う。

お世辞や心にもないことを言うことは決して好きではないし、しない。

聞いて相手が気分よくなるような言葉、明るくなるような言葉を
なるべく選んで発するようにしている。

先日も、このブログに
「子育て大変ですね。いま悩んでいることはもうすぐ解決します」と
コメントを下さった方がいらした。

目下の悩みといえば娘が離乳食をちーっとも食べてくれないことなのだけれど、
そうやって「もうすぐ解決します」と言ってくださるだけでも
ずいぶんと気が楽になるもの。

ほっとした。
たった、言葉を聞いただけなのに。

悪口や批判、人を攻撃してしまうことも少なからずあってであろう、私。

聖人君子になろう、と思っているのではなくて、
自分自身のために、聞いて心地よい言葉を発するように心がけよう、と思う。 

 

中原淳一 美しくなるための心がけ50
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やっぱり、姉弟・・・

2011-09-01 | 日々、思うこと

娘と二人、実家へ遊びに行った。

「姉さんの作った餃子が食べたい」とのことで、
せっせ、せっせと餃子を50個包んだ。

先にレタスときゅうりにごま油をまぶし、
にんにくのすりおろし、塩、こしょうで味付けしたものを出した。

さあて、私も座ってレタスやら餃子やら食べようかしら、と思ったら
弟二人にレタスはきれいに食べられていた!

弟たちは悪びれる様子もなく「あ、悪い悪い」とだけ言い、
餃子をもくもくと食べている。

私は食後母に「私の家(夫、娘と暮らす自宅)だったらありえない!
最初に私の分をとっておくべきでしょう!」と憤慨した。

ところが。

翌日、母が作ってくれた生姜焼き。
懐かしいし、とってもおいしい。
母が娘を見てくれている間に、もくもくと食べる。

その後、バトンタッチして、私が娘を見ていたのだけれど、ハタと気付く。

私も、生姜焼き、弟と一緒にひとつ残らず食べ尽くしてしまったことを。
母のために、一切れも残していなかったことを。

「あちゃー」と頭をもたげる私に、母はこう言った。

「ほらね、弟たちのこと責めていたけれど、おいしかったり、忙しかったりで
夢中で食べていたら、人の分まで考えられないこともあるわよ。
これからは、人のことばっかり責めないの。
あなたも似たところ、あるから。
それに、次からはお母さんの分も残しておいてちょうだいね」と。

ああ、ああ。

私は母さんになったのに、おかずを残しておく配慮すらないのか・・・。
やっぱり姉弟だなあ、弟たちのこと言えないなあ。

でもね、でもね、お母さん。
お母さんの作ってくれた生姜焼きが懐かしくて、おいしくて、
夢中で、夢中で食べたんだ。

でも、次から気を付けます。

 

はれた日は学校をやすんで (双葉文庫)
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