風に語りて

日頃のよしなしごとをグダグダな調子で書き散らしてみたりするページ

とんかつ一(下田)

2007年10月10日 21時48分24秒 | 大盛りにたじろぐ
 B級グルメという点では有名な「とんかつ一(はじめ)」です。
 「いらっしゃいませ、っと、(この店は)初めて?」

 「初めて?」とはまたご挨拶だよねえ、なんて思いながら間口のあまり広くない扉を閉
めて「いえ~、二回目です」と返事を。
 「んじゃあ、ナニ注文してもいいよ」

 こんなやりとりをしつつ、席に座ります。やっぱりカウンターは(色んな意味で)コワ
イのでテーブルに。カウンターはだいたい10くらい、テーブルは4人がけの席が1つと
2人がけの席が3つくらいだったでしょうか。一応バイクのウェアを反対側の座席に置い
て、ナニを食べようかと思案。

 ちらと目をやると4人がけの席にいた3人が言葉もなく沈没しそうな感じでノロノロと
箸を動かしてます。
 「にぃちゃん、沢山食べた!?」という店の大将の元気な言葉に3人とも力なくうなづ
くばかりのような・・・。

 ちょうどだいたい同じようなタイミングで入ったのは鹿児島からいらしたという方。5
0歳代くらいかソロソロ60歳代に入るかという感じの方で、当然初回なので「ミックス
フライ定食」を半ば強制的に注文させられてます。

 「バイクのダンナはなんにする?」
 ・・・っと、周りに気をとられて考えてなかったよ。でもココに来たからには、やっぱ
りコレを食べねば・・・。
 「えっと・・・ミックスフライ(定食)お願いします。」
 「いいんだヨ?ナニ食べてもサ?」といいつつ少しうれしそうな大将。
 「いやいや、お願いします」
 「わりぃねえ」というが早いかササッと準備に入った大将。ナニが「悪い」のかよく分
からないけれどもまあ、口癖みたいなものかも。

 「はいっ、ダンナ、味噌汁ねー!」奥さまのシャキッとした声を受け、まずは箸と口許
を味噌汁でほんの少し軽くぬらします。

 ・・・飲まないのか、ですって?

 なるべく避けようとしました。水分でお腹が膨れては・・・というのが理由。まあ、最
終的に入らなくなったら味噌汁で流し込むこともアリなのでしょうが、何度も出来るわけ
がない、というか一度やったらそれで「終了」になりそう。なので味噌汁に手をつけるこ
とは「ご法度」。

 「あいお待ちどお!」

 大将の声とともにお茶漬け茶碗に入ったごはんと、主役のミックスフライがやってきます。

 ・・・というか、本当は「すまないねえ、ちょっと受け取って」なんて、カウンターの
向こうから差し出されたプレート&ご飯を受け取る「半セルフ」方式なんですが。

 そのご飯を受け取った瞬間。

 な・・・!

 有無をいわさずカレーがぶっかかってやがる・・・。
 大将、やる気だな(ナニがだナニがっ)。

 プレートは画面の奧に移置しているのでご飯茶碗などと比較するとどうも迫力に欠ける
きらいがありますが、実際には長い部分が40~50センチと思われ、そこにヒレカツ、
カニコロッケ、メンチカツ、鳥唐揚げがゴロゴロ乗っている訳ですねえ。

 といったところにバイク連れのカップル登場。横浜の「方」から見えたお二人は「友人
に教えてもらった」とかで一見さんなので、ほぼ強制的に男性が「ミックスフライ」、女
性が「エビフライ」の定食に。

 その向こうでは鹿児島からいらした男性が崩壊寸前の戦線をどうにか皮一枚で踏みとど
まっている風。会話も「ご飯いる~?」とか「キャベツどうする~?」なんて云われても
「いやいやいや!」なんていう位。

 でも、ほかのお客さんはどうかというと、入り口付近で同じくミックスフライ定食とカ
ツカレー頼んでたお二人も奧でミックスフライ頼んでたお一人も無言。マそういう自分も
ご飯お代わりを2回やってソロソロ無言モード。
 カップルの元気な(カラ元気か?)お喋りと、大将のマシンガントークが響き渡ります。

 何せ、最初の1杯目はほとんど揚げ物に手を付けずに食べていた、いわば「勢い」のみ
でがっつく感じ。ようやく「あぁ、揚げ物も・・・」なんて思いつつ、ひょいと一口。

 こんな味だよなあ。

 「ウチは味じゃなくて、量で勝負だからサ!」なんて大将は笑いながら話しているけ
ど、客の反応は鈍い(笑い)。カップルもやや笑いが乾いたものになっていそうな風だけ
ども・・・といったところで、

 「ダンナ?キャベツどう!?」
 「いただきます」

 うーむ、完全に大将のペースだな、これは。

 ご飯は既に2杯目の後半で、ソロソロ「おなかイッパイです」サインが来そうなそんな
タイミング。でも幸か不幸かおかずがなかなか減ってくれない(涙)。ペースは相変わら
ずでも、このおかずの量ではどうしようもないというのが主な理由。

 ご飯3杯目へ。ちなみにご飯は「志望」してます・・・。

 めっきり落ちたペース。店の中は相変わらずの大将のトークと、やや元気がなくなって
きたかな、という例のおにぃちゃんの笑い声が。そのうち別のお客さんが入ってきたりし
て大将の「矛先」がそっちにむいt

 あ、ねぇちゃんところに「わんこキャベツ」やったよ・・・。

 「ダンナもキャベツどう!?」

 こ、ここでペースを崩されてたまるかっ!!
 「い、いえ、キャベツはいいです。その代わり、ご飯をもう1杯いただく『予定』で」
 奧さまの表情が呆れたものに変わる。意外とそういうところには慣れていないのかなあ
と定食の消化でアタマに血が回っていないぼんやりした状態で思う。

 しかし・・・。
 3杯目の後半からナニがあるって、まれに「戻したくなる」瞬間が出て来たこと。

 そうだ、こういうことが以前にもあったなあ・・・。あれはどこでだっけ・・・。神保
町で炒飯大盛食べているときと・・・そうだよ!ココで前回と同じコトやってるやん(爆
笑)!!

 4杯目。流石に奧さまに「少し軽めで」とお願いする。一気にかきこむこともままなら
ず、3杯目よりもさらに時間をかけてようよう「完食」。

 「ダンナ、4杯目おかわりしたっけ?」
 「いえもうギブアップで(苦笑)」
 「ヤダね、さっきおかわりしてたわよ!」
 「いやねえ、ウチのお客は店出るときにみんな静かになっちまうんだよねー、食べすぎ
でサ。マその分(大将が)一人で喋ってるんだけど」

 ・・・くそー、大将は客をいじめて楽しんでないか!?

 10分ほど店の中で動けず。でもどうにか体を引きずるように店をでて出発。

 さて、あの乾いた笑いをしていたおにぃちゃんの行方や如何に・・・。

 そろそろお腹に何か入れてもいいかな、と思ったのは自室に帰ってからでした・・・。

 ミックスフライ定食は1350円。もしかしたらもう少し安くてもいいのかもしれない
のですが、店の大将の人柄とその「揚げ物以外全てお代わり(半強制)自由」というとこ
ろがそれを補って余りある店なんだろうと思います。

 ・・・次は「ミックス」じゃなくて別のにしよう・・・。

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