「春の泥」水原とほる・著 イラスト・宮本佳乃 徳間書店キャラ文庫
2009年8月31日初版 266ページ 543円+税
JUNEっぽいタイトルですね。
ストーリーは・・・医大志望で将来を嘱望される弟と、受験に失敗して以来くすぶり続ける自分。両親不在の春休み、大学生の和貴は、窮屈な家を出て自立する計画を立てていた。けれどその夜、二歳下の弟・朋貴に監禁され犯されてしまう!この飢えた獣の目をした男が弟…!?「ずっと兄貴だけが欲しかった」優等生の仮面を剥いだ弟の、狂気の愛に絡め取られるとき―住み慣れた家が妄執の檻に変わる というもの。
水原先生の血縁モノ(というか、ズバリ近親相姦もの)、かつ、デキる弟がデキない兄に執着していて・・・・・・となると、かなりハードな話を予想しておりました。
あらすじを読むと、「監禁され犯され」「飢えた獣の目をした男が弟」「狂気の愛」とあらすじもアオリも煽っているので、久々にハードな水原作品が読めるかと期待したのですが・・・・・・。
思ったよりもマイルドでございました。
監禁っぷりも中途半端だし、冒頭はスカまでいくかな~と思ったらマイルド表現だし。キャラ文庫なのでこれが限界なのか、水原先生が丸くなったのか・・・・・・。
両親が海外に行ってしまい、1週間という限定された期間の中で兄を監禁して無理やり身体をつなぐ弟。裏を返せば、兄は1週間、我慢すればこの状況から脱することができるわけです。
1週間たたないうちに兄は陥落して弟との関係を受け入れることにします。ここまでで雑誌掲載作部分が終了。あと半分は書き下ろしの続編です。
予想したとおり、兄(受け)に惚れる男が登場。水原キャラにありがちな「いい人」で、兄に食事をおごったり就職の世話をしたり世話を焼きます。それだけしてあげるのに「僕じゃ駄目かな」なんていうだけで手を出すことはしません。完全に当て馬キャラ。
ライバルの存在で兄と弟はさらに絆を深めて終わりーーーといういつものパターン。
前編で弟を受け入れた兄ですが、後半になっても兄は弟との関係に悩み続けます。そりゃ、そうですよね。
でも当て馬が登場して弟から再び酷い扱いを受けたとき、弟もまた自分との関係に悩んでいること、いや、弟のほうが長く自分に惚れている分、長く悩んでいると思い至り、弟と一緒に生きていくことを選びます。
近親相姦ものというと、禁忌とか背徳といったものがキーワードになると思うのですが(男同士ならなおさら)、そういったものが受けがそう考えている云々ということだけで処理されているので読んでいて退屈に感じてしまいました。
結局、弟を受け入れるにせよ、兄も弟もそこまで悩んでいるように思えないので、もう一歩踏み込んでほしかったような気がします。
不完全燃焼な一作でした。
個人的に、水原先生の旬は終わってしまったかな・・・と思います。
2009年8月31日初版 266ページ 543円+税
JUNEっぽいタイトルですね。
ストーリーは・・・医大志望で将来を嘱望される弟と、受験に失敗して以来くすぶり続ける自分。両親不在の春休み、大学生の和貴は、窮屈な家を出て自立する計画を立てていた。けれどその夜、二歳下の弟・朋貴に監禁され犯されてしまう!この飢えた獣の目をした男が弟…!?「ずっと兄貴だけが欲しかった」優等生の仮面を剥いだ弟の、狂気の愛に絡め取られるとき―住み慣れた家が妄執の檻に変わる というもの。
水原先生の血縁モノ(というか、ズバリ近親相姦もの)、かつ、デキる弟がデキない兄に執着していて・・・・・・となると、かなりハードな話を予想しておりました。
あらすじを読むと、「監禁され犯され」「飢えた獣の目をした男が弟」「狂気の愛」とあらすじもアオリも煽っているので、久々にハードな水原作品が読めるかと期待したのですが・・・・・・。
思ったよりもマイルドでございました。
監禁っぷりも中途半端だし、冒頭はスカまでいくかな~と思ったらマイルド表現だし。キャラ文庫なのでこれが限界なのか、水原先生が丸くなったのか・・・・・・。
両親が海外に行ってしまい、1週間という限定された期間の中で兄を監禁して無理やり身体をつなぐ弟。裏を返せば、兄は1週間、我慢すればこの状況から脱することができるわけです。
1週間たたないうちに兄は陥落して弟との関係を受け入れることにします。ここまでで雑誌掲載作部分が終了。あと半分は書き下ろしの続編です。
予想したとおり、兄(受け)に惚れる男が登場。水原キャラにありがちな「いい人」で、兄に食事をおごったり就職の世話をしたり世話を焼きます。それだけしてあげるのに「僕じゃ駄目かな」なんていうだけで手を出すことはしません。完全に当て馬キャラ。
ライバルの存在で兄と弟はさらに絆を深めて終わりーーーといういつものパターン。
前編で弟を受け入れた兄ですが、後半になっても兄は弟との関係に悩み続けます。そりゃ、そうですよね。
でも当て馬が登場して弟から再び酷い扱いを受けたとき、弟もまた自分との関係に悩んでいること、いや、弟のほうが長く自分に惚れている分、長く悩んでいると思い至り、弟と一緒に生きていくことを選びます。
近親相姦ものというと、禁忌とか背徳といったものがキーワードになると思うのですが(男同士ならなおさら)、そういったものが受けがそう考えている云々ということだけで処理されているので読んでいて退屈に感じてしまいました。
結局、弟を受け入れるにせよ、兄も弟もそこまで悩んでいるように思えないので、もう一歩踏み込んでほしかったような気がします。
不完全燃焼な一作でした。
個人的に、水原先生の旬は終わってしまったかな・・・と思います。