ペコリーノのBL読書日記

BLスキーのペコリーノのBL読書日記。素人の感想&個人的な覚書です。100%自分向けのためネタバレ全開です。

「ありふれた愛の言葉」久我有加・著 イラスト・松本花 新書館ディアプラス文庫

2009-05-24 21:41:19 | 久我有加
「ありふれた愛の言葉」久我有加・著 イラスト・松本花 新書館ディアプラス文庫
 2006年6月25日初版 306ページ 560円+税

 「あんたの子供だ」と子供を押し付けられる話、BLではよくありますよね。

 ストーリーは・・・
 誠の営む小料理屋に近頃よく顔を出す場違いな二人連れがいる。やたらに容貌の整った若い男と小学生らしき少年。関係は不明。常連たちは騒ぎ立てるが、誠にはどうでもいいことだった。かつて栄光と挫折を一度に味わい、今は惰性で生きるだけの日々。男から向けられる苛立つような視線は気になるが、追及する気力はない。だがある日、誠は男・陸生から突然「あんたの息子や」と少年を紹介され…!?長篇書き下ろし  というもの。

 ある日突然、誰かがおしかけてきて、なし崩しに同居することになり、「奇妙な生活が始まる」ってのはBLのみならず、映画、小説、ドラマによくある設定です。
 押しかけてくるキャラはいろいろ居ますが、子供はよくあるパターン。
 往々にして押しかけられた側は独身で、子供と暮すことにアタフタすることに。
 今回の場合は、子供+子供の保護者として、かつて誠(受け)がつきあった女性の弟である陸生(攻め)が出てきて、主人公と一緒に暮すことになります。
 
 最初は奇妙な同居生活モノかともっていましたが、子供は自分の子供ではないということがわかり、誠の恋人だった女性がどんな秘密を抱えていたのか、陸生と陸生の姉(誠のもと恋人)の間の秘密が浮き彫りにされてきます。

 このあいだ読んだ「君が誰の隣りにいても」http://blog.goo.ne.jp/pecoroma/e/35f16a437885c0fbb26b92edb5a389deと比べると、同じ「同居モノ(!?)」でも話が深く、読み応えがあると思いました。

 しかし、いかんせん、暗すぎる。
 主人公の誠は、大学の時に小説家としてデビュー。いっときちやほやされるが書けなくなり引きこもりに。今では祖父がやっていたお握り屋をやっている。
 陸生はホスト。ホストになった理由は、血の繋がらない姉(誠のもと彼女)から思いを寄せられるが、姉として見ることしかできず、家族と距離を置く。しかし姉は父親(陸生の実の父で姉とは血が繋がっていない)から性的虐待を受け、いろいろあって若くして死ぬ・・・・・・とまぁ、暗いのです。

 私は暗めの話は好きなのですが・・・・・・一応、最後はハッピーエンドにはなってますが、姉と父親のあたりがちょっとエグすぎて、読後感がよくないように思います。
 誠は小説家としてやり直せそうな感じですし、陸生も姉を見捨てたという後悔のトンネルから抜け出せそうにはなりますが、姉は亡くなってるのでどうしようもなく・・・・・・。
 おもしろくない、というわけではないんですけど、読んでどーっと疲れる作品でした。

 久我先生の他の作品を読んで口直しをしたいと思います。
 
 
 
 


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