ペコリーノのBL読書日記

BLスキーのペコリーノのBL読書日記。素人の感想&個人的な覚書です。100%自分向けのためネタバレ全開です。

「悪徳弁護士の愛玩」鈴木あみ・著 イラスト・紺色ルナ 二見書房シャレード文庫

2008-12-04 01:31:12 | ボーイズラブ小説
「悪徳弁護士の愛玩」鈴木あみ・著 イラスト・紺色ルナ 二見書房シャレード文庫
 2008年11月20日初版 228ページ 600円+税

 廃刊となった小説エクリプス(懐かしい!)に掲載された「悪徳なダーリン」を文庫化したものです。

 ストーリーは・・・
 大島優希は急逝した父の莫大な遺産を、遺言により、従兄であり亡父の顧問弁護士でもあった高坂明人にすべて攫われてしまう。見た目も顔もいい八歳年上の明人。二年前には司法修習の合間を縫って優希の家庭教師に訪れていた彼とは、優希の高校合格祝いの日に身体を奪われて以来、絶交中のはずだった。だが父の死で優希の後見人となった明人は、優希の身も心も支配しようとしてきて…!?「そういう悪い子には、おしおきをしないとだめかな」手錠をかけられ、下半身を嬲られた家庭教師時代の淫らな日々がふたたび蘇る・・・・・・!!というもの。

 
 ノベルズの新装版とか、昔雑誌掲載された作品の書籍化とか、作家さんにとっては「一粒で二度美味しい」のでしょうか。

 タイトルと裏表紙のあらすじと、鈴木先生の他の作品の傾向から考えて、主人公が悪辣な弁護士のせいで不幸な目にあいまくって、無体なことをされまくる話かと思い込んでいたのですが・・・・・・アマアマやん!
 主人公で受けの優希は中学生の頃、従兄弟で弁護士の明人に家庭教師をしてもらっていた。優希は勉強が嫌いでなんとかしてサボろうとするのだが、明人におしおきと称して弄繰り回されたり、おもちゃを挿れられたり。
 でも、優希が問題に正解したりするとちゃんと褒めてくれて、父親からの愛情に飢えていた優希にはそれがうれしく、休日は一緒に過ごすようになる。で、見事高校に合格した時、明人は優希をホテルのレストランに誘い、「部屋を取ってある」と言う。優希と明人はまだ最後までしたことはなかった(おもちゃまで挿れといて最後までも何もなかろうと思うが・・・)。優希も明人が何を意図しているのかわかった上で部屋に行き、セックスをする・・・って完全に合意の上じゃないですか。
 
 このホテルの部屋で何かがあり、良好に進んでいたはずの優希と明人は絶交することになります。優希は何があったのかを何故だか覚えていない。優希と明人は絶交したまま、明人はアメリカに留学。明人が日本に戻ってきた後、関係は修復されないまま、優希の父が死に、明人は優希の財産を全て奪っていた。
 生活能力のない優希は、明人の言うことを聞かざるをえません。
 エロいことをされたり、家政婦代わりにされたり。
 でも、優希に「朝食を作れ」と言いながら、明人が豪華な食事を既に作っていたり・・・全然、優希は酷い目に合っていません。エロいことをされているのはアレですけど。
 BLはハッピーエンドがお約束とはいえ、全然、サスペンスがないってのもねぇ。無論、読者には明人が優希を愛していることを知らせておいて、当の優希は気づかない・・・って描き方もアリだと思いますが、今回の場合、優希が居て、見ている場所で、明人がバレバレなことをやっているため、気がつかない優希がアホにしか見えません。

 一応、法律使ったトリックというのか、そういうのがあるんですけど、それが結局「ウソでした」ってのはどうかと思いますよ。
 それに、最終的に優希は明人を許すんですけど、いくら中学生の時、好きで合意の上で初体験をしたとか、その後もちょっと優しくしてもらったとか、そういうことがあったとしても、弁護士である自分の地位を利用して、優希を騙し、「奪う気はなかった」と言いつつも、一時は優希から「財産を奪った」と優希に思わせたわけじゃないですか。
 こんな酷いことされて、そんな簡単に許していいのか!?!?
 優希が悲観して自殺したり、そういう危険だって十分にあることじゃないですか。
 途中まで「ここは俺の家だ。お前は出て行け」なんて、優希の家に居座っていた男ですよ?
 そんなこんなで、納得いかねーよ!と思いましたが、シャレード文庫って何歳くらいをターゲットにしているんでしょうねぇ。これだけエロが満載だと、いくら男×男とは言え、中学生は・・・ないよね?でも、読んでるんだろうなぁ。
 話の内容は中学生ターゲットレベルの温さ。エロレベルは18歳以上って感じでしょうか。

 そうそう、私はこの本のイラストレーター、紺色ルナ先生のお名前は初めて拝見しましたが、カラー口絵の優希の絵はコワかったというか、キモかったです。イッちゃってる人みたいで。まぁ、優希のイってる場面の絵だったんですけどね。


最新の画像もっと見る