ssd先生のブログ経由の総合診療会計の新聞記事です。
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県立一志病院が「家庭医療」提供へ 脱「専門医志向」へ試み
2007年8月16日 中日新聞
県立一志病院(津市白山町南家城)が、年齢や性別を問わず病気もけがも幅広く初期診療をする「家庭医療」を提供する病院に変わろうとしている。県内では初めての病院形態で、全国的にもまだ珍しい。常勤医師は四人、病床数は四十六床の小さな病院だが「地域で本当に役に立つ病院」という大きな目標に向かって取り組んでいる。
「家庭医」とは、専門分野の細分化が進み、医師、患者とも専門医志向が高い中、実際の医療ニーズの約九割を占めるとされる「よくある病気」の専門家。専門医による診察と治療が必要と判断すれば、ふさわしい診療科を紹介する。欧米ではこうした役割分担が一般的だが、国内ではほとんどないという。
一志病院が家庭医療の提供を目指した直接のきっかけは、医師の主な派遣元が四月、三重大の内科系教室から家庭医の養成を目指す付属病院総合診療部になったこと。ただ、医療法上は「家庭医」と掲げることが認められていないため、これまで通り内科を掲げている。
飛松正樹院長はいわゆる内科医との違いを「この医師にかかれば何とかしてもらえると思われる医師を目指す」と言う。実際に、医師たちは、軽いけがなら自ら傷の縫合を行うし、不眠を訴えて訪れた患者の問診で軽度のうつ病を発見したケースもあった。
「都会の大病院志向」といわれる若い医師にも好評だ。
四人の常勤医師の一人で、後期研修医(シニアレジデント)の矢部千鶴さん(30)は長野県出身だが、家庭医を目指して三重大へ。「患者さんとの距離が近く、早く良くなってほしい気持ちがすごくする。病気だけでなく生活をサポートしていると感じられる」と魅力を強調する。
長年、家庭医療の提供を追求してきた三重大付属病院総合診療部の津田司教授は、一志病院の取り組みについて「患者が中心にいる二十一世紀の地域医療の姿を目指す場にしたい。将来的には妊婦健診などもやっていきたい」と話している。
(加藤益丈)
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>実際に、医師たちは、軽いけがなら自ら傷の縫合を行うし、不眠を訴えて訪れた患者の問診で軽度のうつ病を発見したケースもあった。
まっとうな研修受けていれば、他の科の先生だってできるでしょ。
というつっこみはあるものの、理念的には僕は賛同したい立場。
でもね、そのまま家庭医にいくよりも、1~3次救急と、ICU管理
を充分にやってからの方がいいと思うのね。
一般人の方は、家庭医であるとともにSAHなども確実に見逃さない
脳外科専門医並みの診断・管理水準を求めますから、この国では。
他、循環器疾患とかの爆弾にきちんと対処できることも必要だから、
自分だったら10年コースくらいのカリキュラムを立てますな。
あれ?その間に他科の認定医やら専門医が何個かとれちゃったりして。
この訴訟社会では、総合医は大病院の隙間を埋める仕事
が一番適しているのかな?
家庭医と総合診療医のすみわけもはたからみていると
よくわかりませ~ん。
それは今後じっくり考えていくとして
少なくとも、どこかのグループのように
家庭医養成コースを持っている病院が
卒後4年目の医師を小さいながら僻地病院の院長
という派遣職員にするのは間違っていると思うのだが。
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県立一志病院が「家庭医療」提供へ 脱「専門医志向」へ試み
2007年8月16日 中日新聞
県立一志病院(津市白山町南家城)が、年齢や性別を問わず病気もけがも幅広く初期診療をする「家庭医療」を提供する病院に変わろうとしている。県内では初めての病院形態で、全国的にもまだ珍しい。常勤医師は四人、病床数は四十六床の小さな病院だが「地域で本当に役に立つ病院」という大きな目標に向かって取り組んでいる。
「家庭医」とは、専門分野の細分化が進み、医師、患者とも専門医志向が高い中、実際の医療ニーズの約九割を占めるとされる「よくある病気」の専門家。専門医による診察と治療が必要と判断すれば、ふさわしい診療科を紹介する。欧米ではこうした役割分担が一般的だが、国内ではほとんどないという。
一志病院が家庭医療の提供を目指した直接のきっかけは、医師の主な派遣元が四月、三重大の内科系教室から家庭医の養成を目指す付属病院総合診療部になったこと。ただ、医療法上は「家庭医」と掲げることが認められていないため、これまで通り内科を掲げている。
飛松正樹院長はいわゆる内科医との違いを「この医師にかかれば何とかしてもらえると思われる医師を目指す」と言う。実際に、医師たちは、軽いけがなら自ら傷の縫合を行うし、不眠を訴えて訪れた患者の問診で軽度のうつ病を発見したケースもあった。
「都会の大病院志向」といわれる若い医師にも好評だ。
四人の常勤医師の一人で、後期研修医(シニアレジデント)の矢部千鶴さん(30)は長野県出身だが、家庭医を目指して三重大へ。「患者さんとの距離が近く、早く良くなってほしい気持ちがすごくする。病気だけでなく生活をサポートしていると感じられる」と魅力を強調する。
長年、家庭医療の提供を追求してきた三重大付属病院総合診療部の津田司教授は、一志病院の取り組みについて「患者が中心にいる二十一世紀の地域医療の姿を目指す場にしたい。将来的には妊婦健診などもやっていきたい」と話している。
(加藤益丈)
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>実際に、医師たちは、軽いけがなら自ら傷の縫合を行うし、不眠を訴えて訪れた患者の問診で軽度のうつ病を発見したケースもあった。
まっとうな研修受けていれば、他の科の先生だってできるでしょ。
というつっこみはあるものの、理念的には僕は賛同したい立場。
でもね、そのまま家庭医にいくよりも、1~3次救急と、ICU管理
を充分にやってからの方がいいと思うのね。
一般人の方は、家庭医であるとともにSAHなども確実に見逃さない
脳外科専門医並みの診断・管理水準を求めますから、この国では。
他、循環器疾患とかの爆弾にきちんと対処できることも必要だから、
自分だったら10年コースくらいのカリキュラムを立てますな。
あれ?その間に他科の認定医やら専門医が何個かとれちゃったりして。
この訴訟社会では、総合医は大病院の隙間を埋める仕事
が一番適しているのかな?
家庭医と総合診療医のすみわけもはたからみていると
よくわかりませ~ん。
それは今後じっくり考えていくとして
少なくとも、どこかのグループのように
家庭医養成コースを持っている病院が
卒後4年目の医師を小さいながら僻地病院の院長
という派遣職員にするのは間違っていると思うのだが。
総合診療というのは何がメリットなのかを伝えにくい科です。やっている者の実感としてはあるんですが、これをうまく伝える事が出来ないのです。その結果、変なコメントをしてしまいます。
この記事にある「この医師にかかれば何とかしてもらえると思われる医師」とか「患者さんとの距離が近く、早く良くなってほしい気持ちがすごくする。病気だけでなく生活をサポートしていると感じられる」とかいうコメントが良い例です。ですから、こういうのを真に受けないで下さい。
小外科と軽い鬱というのも決まり文句みたいなもんですが、うまく伝えられないので、そうでも言うしか無いのです。
総合診療科の先生の視点でのコメント大変参考になります。
>「この医師にかかれば何とかしてもらえると思われる医師」とか「患者さんとの距離が近く、早く良くなってほしい気持ちがすごくする。病気だけでなく生活をサポートしていると感じられる」とかいうコメント
こういった精神論的なものは総合診療科にやや強い特徴なのかもしれませんが、あくまで技術的な部分をもっとアピールしたほうがよいのではと思います。
病院の規模や周囲の医療環境によっても仕事内容が変わってくると思います。
先生が米国で得られたことを日本に持ち帰って、総合診療科として目指すべき道で御活躍されることを願っております(偉そうですみません)。