やり手の学長さんのお話です。
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時のひと:旭川医大初の生え抜き学長・吉田晃敏さん /北海道
7月26日11時0分配信 毎日新聞
◇医療の過疎解消目指し--吉田晃敏(よしだ・あきとし)さん(55)
医療過疎解消を最重点課題のひとつに掲げ、4月の学長選で初当選、7月1日に就任した。
新人医師が研修先を自由に選べる臨床研修制度の導入以来、待遇のいい大都市の病院に医師が流れるようになり、同大のような中核病院ですら医師確保が困難な状況。まして派遣先となる過疎地の病院の場合、事態はさらに深刻だ。
こうした事態に対応するため、就任早々、着手したのが入試制度改革。「偏差値偏向ではなく、道北、道東に父母が住んでいる高校生を優先する」と08年度から初の地域推薦枠導入に踏み切り、「地域医療に貢献する学生を」と期待を込める。効果が出るのは8年後(在学6年、研修2年)だが、「8年先を待つほど、悠長ではいられない」とも言い、新人医師を道職員(医員)として採用するよう道に掛け合っている。「待遇を道職員並みにすれば生活が安定し、地域に残る医師が増える」という。
医師不足への対応としては、道、市町村などでつくる道医療対策協議会が08年度から医学生奨学金制度を実施する。6年間の奨学金に対し、指定病院に9年間の勤務を義務付ける案が浮上しているが、「9年間は長過ぎる。数年に抑えたほうが、臨機応変に対応できる」と注文を付けた。
専門は眼科。利尻島で人工衛星回線による治療を試みるなど遠隔医療のパイオニア的存在でもある。生まれは札幌だが、親の仕事の都合で道内過疎地を転々とした。「近くに病院はなかった。そんな背景が過疎医療に関心を持つきっかけになった」と話す。<文・写真 渡部宏人>
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この学長様に関しましては、以前こんなエントリーを立てました↓
http://blog.goo.ne.jp/peak1839/e/372b5fe5a0bb06e8a6d21b80a3563a01
道庁に医局を作る話に関しましては、こんなエントリーをたてております↓
http://blog.goo.ne.jp/peak1839/e/2de1c93b252f870cbd11d21f93cb3e75
今までの医師の待遇は道職員並みではなかったということだ。
しょっちゅう転勤で退職金にひびきますからね。
しかし、この点は医師不足の本質とはまた違うであろう。
日本中を覆っているモラルハザードに対し、
どのくらい効力があるのか未知数であるが、
奨学金で医師をガンジガラメニしようとしている
道、市町村などでつくる道医療対策協議会
(ま、こんなことをしても結局は有効な人材は集まらないし、
集まったとしてもよほど意思が強くなければ人材を潰す可能性があるのだが)
に対してはよい牽制となるか。
地域枠、5人くらいだとまあ優秀な学生さんが集まると思います。
地方の神童、マトモに勉強したら、北医に入れそうな人材を
青田刈りしてしまうわけですから。
逆風の続く北海道医療、1~3次救急集約化とか
ほんとに可能か?と思われる政策を採っている旭川医大ですが、
辣腕学長の手腕に注目していきたいと思います。
時の人というより、今後大変だなあというのが正直な感想でした。
他、旭川関連↓
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離職女性の復職支援 旭医大 学内に人材登録、相談拠点
北海道新聞(07/26 08:25)
【旭川】旭川医大は二十五日、深刻化する医師、看護師不足対策として、職場を離れた女性医師、看護師の復帰を助ける復職支援研修センターと、在職中の女性を支援する子育て・介護支援センターを来年四月に学内に設置すると発表した。女性医師は年々増加傾向にあるが、出産などで離職する医師も多く、潜在的マンパワーを即戦力として活用したい考えだ。
復職支援研修センターは、潜在的な人材を登録し、女性の希望する職種や時期を把握して各診療科と調整。復職が決まった女性に教材を送り、在宅や大学病院での講習を進める。
子育て・介護支援センターは、学内の二十四時間保育園や小児科と連携。在職中の女性を対象に病児の一時預かりや悩み相談、市内介護施設などの情報提供をする。
両センター設置は、医療分野での特色ある優れた人材養成の取り組みに対する財政支援として、文部科学省が全国の大学のプログラム十六件を選定した中の一つ。本年度から三年間にわたる補助事業に採択された。
統括する山本明美・同大皮膚科学講座准教授は「医学の進歩は著しいため、いったん現場を退くと戻りづらい現実がある。女性が安心して働ける体制を整えたい」としている。
人材登録の問い合わせは、同大総務課(電)0166・68・2189へ。
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