ネット記事の内容が本質からズレていると感じました。内容は、
・近年「カスタマーハラスメント」と呼ばれる消費者の過剰なクレームが問題視され、東京都が「カスハラ防止条例」の制定を目指すなどの動きが生じていることが挙げられる。しかし障害者の事業者に対するバリアフリーの要求は、過剰なクレームと同一視されるべきではない。
・映画館のプレミアムシートや無人駅といった健常者が普通に利用できる施設を、障害者も普通に利用できるようにするべきだという要求が障害者のワガママにみえてしまうのはなぜか。それは、そうした人々にとって障害者とは、健常者に負担をかける存在であり、健常者が障害者を助けるのは健常者の「善意」に基づいていると考えられているからだろう。従って障害者は謙虚であるべきであり、常に感謝を忘れてはならない。健常者が障害者対応は不可能だと述べたときは大人しく従うべきだ、ということになる。
・事業者にバリアフリーを要求する障害者を、悪質なクレーマーと同一視してはいけないことがわかる。たとえその当事者の性格が好ましいものではないとしても、段差のような、障害者にとっての障害を設けた責任は事業者の側にあるのは事実であり、事業者はその解消に取り組む必要がある。もちろん文句を言ったとして、直ちに解消できるような障害ばかりではないのは事実だ。しかし少なくとも、中嶋氏がされたような門前払いが許されることにはならない。たとえば車椅子対応を可能にするためのスタッフ研修やマニュアルづくり、あるいはポータブルスロープの導入などは検討されてよいはずだ。
ざっくりまとめるとこんな感じ。なんか違いますよね。もちろん中には正当な意見を発信してるのにバッシングされてしまう障害者もいます。だけど、中嶋さんや伊是名さんの件や類似のものについては一緒にしてはいけない。障害者が健常者に負担をかける存在ではなく、場面によってそういう状態になります。障害の影響で健常者と同じように出来ないため、配慮やサポートが必要。それは誰にも非はないし責められることでもありません。
最近の件で言えば、人手や準備が必要なサポートを事前に連絡をせず突然求める、合理的配慮を超えた負担の大きい要求、長い時間の居座り、SNSやメディアを不適切な内容で晒すなどの行為があったことが問題であり、障害者がサポートやバリアフリーを要求すること自体を「ワガママ」と言っているわけではない。「障害者は謙虚で感謝を忘れてはならない、サポートを断られたら大人しく従うべきということになる」の部分もそうじゃなくて、合理的配慮を超えた負担の大きいもの、非常識な要求は対応出来ない、そういう場合従うということ。
私も障害者の1人として、配慮やサポートを受けながら日々生活しています。サポートする側はたとえ合理的配慮の範囲内であっても、やることが増えたり多少なりとも負担はある。そんな時、私は自然と感謝の気持ちやありがとうの言葉が出てきます。謙虚で感謝の気持ちを忘れてはいけないのは人とし当たり前で、障害者同士や健常者同士のやり取りでもいえること。例えばお店で客としてあたりまえに利用できるサービスを受けた場合でも、丁寧に対応してもらったらありがとうと思いますよね。
車いすユーザーがバスに乗る場合は、運転手さんがスロープを設置→車いすを押して席まで移動→動かないよう固定となります。この場合は運転手さんはやることは増えますし、バスの発車に少し時間がかります。もちろん車いすユーザーに非はないですし、サポートすべき場面です。でも非はなくても、受ける権利のあるサポートでも、自分のことで対応してもらったり、少しとはいえ時間を使ってもらったら、自然と感謝の気持ちが出てくるものじゃないでしょうか。やってもらって当たり前と、お礼も言わずふんぞり返るのは良くないです。
バリアフリーじゃない施設をつくった側には非があるみたいな言い分は違うと思います。障害者より健常者のほうが遥かに多いので、それが基準になるのは仕方ない。もちろんこれから公共の施設のバリアフリー化が進んでいくべきとは思います。階段をスロープにしたり、無人駅などには必ずエレベーターをつけるなど。ただ、工事やその費用、多方面との話し合いも必要で短期間で対応できるものではない。こういうところに税金を使って欲しいですが。車いす対応を可能にするためのスタッフ研修をするべきとありますが、それは問題があると思います。医療や介護、福祉施設ではない一般の公共施設のスタッフにまで研修や実際の対応をもとめるのは負担が大きすぎます。車いすユーザーでも、もっている障害や病気は人によって違うし、車いすの人以外にも障害者はいます。その全てに完璧に対応できたらいいですが、実際には難しい。バリアフリー化をできる限り進めるのと、専門的な知識がなくてもできる、合理的配慮の範囲内の対応をしていくでいいと思います。
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