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しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

中途半端、それでも

2012-04-14 18:36:02 | 日記
歓送迎会の幹事と保護者懇談会が同じ日っていうのは酷だった。
3年担任としてクラスの経営方針をきちんと説明し、進路指導の方針を語り、
クラスの様子を語り・・・という仕事をきちんとやるためには、
準備にそれなりの時間がいる。
それなのに幹事の仕事と被ってしまい、頭がクラクラした。
いつでもどこでも眠ることができた一週間だった。

あまりに激務だったため、副担任の先生方が歓送迎会の準備は手伝ってくれた。
ホテル会場の予約から始まり、食事、タクシー、2次会の手配、式次第、司会の台本・・。
慣れない仕事ばかりで戸惑う。初体験、幹事って大変だね。

学校が始まって一週間、決めごとをお知らせするために学級通信はもう4号まで発行した。
「こういうクラスにしたい!」というのは書いてきたから、
それを転用して懇談会の資料を作る。
懇談会の資料を作りながら、歓送迎会のパンフレットを作っていると、
どっちがどっちかわからなくなる。
パンフレットはカラー印刷だけど、学校の印刷機は無論モノクロだから、
個別支援級のカラープリンターを借りに行く。
個別支援級は独立しているから、いろいろある。

今年度、個別の先生は2人とも異動されてきた先生だ。
優秀なベテランの先生で、新年度から忙しく働いている様子だった。
通常級とは全く別の動きをするので、個別支援の先生とお話する機会はあまりないけど、
両面印刷に時間がかかるので、その間、ずっとお話の相手をしてくださった。
もうとっくに20時を過ぎていた。

人といると疲れることが多い、というかほとんどそうな私だけど、この個別支援の先生は違った。
一緒にいると元気になれるような人だった。
正直、こういう人に会えたのは、自分にとって久しぶりだった。
それは相手のせいではない。
いつも、過剰なくらい気を遣ってしまうけど、
気の遣い方が的外れなことも多くて、それでまた余計自分に疲れてしまう悪循環が常だ。

障害を持っている子どもでも、こちらのリードの仕方で様々なことができるようになる、
ということを実例をあげて、たくさん語ってくださった。
もう20年近く、個別支援専門でやっている方だ。
ほんとにこの仕事が好きで、楽しくて仕方ないの、とおっしゃっていた。
今年度は個別支援でも美術を教えることになっていたので、
一緒に教える方がどんな方かは私にとっては重要だったけど、
こんなにパワフルで温かい先生なら一緒にお仕事できるのは嬉しいなあと心から思えた。
と同時に、自分には
「この仕事が好きで楽しくて仕方がない」って1つの道に対して言えないかもしれない、
と自分を寂しく思った。

先日、生徒の前で、「夢」をテーマに自己紹介をした。
各先生方は、やっぱり教師になるのが夢だった方が多くて、夢を叶えるためにしてきた努力を語っていた。
それは、どれもとても、夢を叶えるためには努力が必要、
ということに対する説得力があるものだった。

しかし、私はやりたいことが多い。教師になるのが夢だったわけでもない。
流れ流れて今がある。ただ、美術に近いところにいたかっただけだ。

しかし、教師はやればやるほど面白く、
どうやったらもっと生徒に面白さを伝えることができるかを工夫したくなった。
だから、出発点の動機はとても不純だったし、今もやりたいことがたくさんあると正直に語った。
童話、絵本、ガラス制作・・・。どれも諦めたくない夢だ。
もちろん、美術の奥深さや楽しさを伝えられる教師にもなりたいと今は強く思う。

けれどたくさんありすぎて、どれも中途半端に終わってしまうかもなあとは思う。
ていうか、中途半端な奴だなあ、と自分で常に思う。
どれか一つの道に打ち込む姿は、絶対に美しい。
そうはなれない自分を、悲しく思う。



ステンドの教室へ行く。
昨日までは非常にバタバタで、ガラスにカッパーホイルを巻く宿題も全くできていなかったから、
朝から必死で巻きまきする。けど全部は終わらない、4分の3ほど終わらせて工房へ向かった。
そうしたら、嬉しいプレゼントが待っていた。

先生と先生の旦那さんは、私の制作途中の様子を写真や動画におさめていてくれた。
前回の作品は制作にほぼ1年かかった。
それを編集して一つの映像にしてくださっていたのだ。
大作を作っていた人にプレゼント、と。
とってもとっても嬉しかった。

はじめて立体の作品に取り組んでいる。ガラスを立体につけるのは、一人ではできない。
先生にガラスを支えてもらい、ハンダでつける。
小さな鳥かごもどきが1つ出来上がった。これをあと3つ作る。
中途半端でもなんでも、やりたいことができない人生なんて、とも思う。
7月の作品展までに、この作品をなんとか完成させたい。

中途半端さの中で、いつも心がヨロヨロしている。
一本道をひた走れない弱さも自分だと認めてやれないことには、
幸せにはなれない気もする。