違和感に導かれて目を遣れば、コンクリート敷きのわが家の駐車場の隅っこに、何か丸いものが落ちている。
ふっくらとまぁるくて、黒くて茶色いものが。
私ね、ひどい近眼で、眼鏡やコンタクトをしていないと物がおぼろげにしか見えなくなるのですけれど。
そのときはたまたま眼鏡を外していて。
いくら目を凝らして見れども、その窓のむこうの「丸い何か」が何なのか皆目わからず、大急ぎで眼鏡を取りに行って再度確認。
…すると。
その「何か」は物ではなくて、地べたでぼうっと黄昏るジョウビタキでした(笑)

「黄昏ている」というのは比喩ではなくて、ほんとうにこの姿のまま全く動かないんです。
3メートルほどしか離れていないところから私がガン見しているというのに、気づきもしないの(笑)
地面にいるジョウビタキが珍しかったのと(庭ではいつも枝から枝へと忙しなく飛び回っているから)、そこでぼうっと佇む姿があまりにも愛らしいのとで、窓枠に頬杖をついてひとりくすくすと笑いながらしばらく眺めていました。

そうこうしているうちにも刻々と日は暮れて、そろそろほんとにカーテンを閉めなきゃ、と思ったら。
ジョウビタキも我に返ったように動き出して、ぴょんぴょんと「足で」飛びながらひらけた方向へと移動。
その姿に思わず、「えっ? もしかして羽を怪我してたりする?」と笑みが引いたら。
たちまち羽を広げて、素早く優雅に飛び去ってゆきました。
それを見送り、カーテンを閉めながら、ほっとすると同時にまたひとりでくすくす笑い。
なんとも心和んだひとときでした*