2年前の、夏の終わりのことです。
セールにて、晴雨兼用の折りたたみ傘を買いました。
晴雨兼用とはいえ、私の主な用途は、日傘。
折りたたみの日傘はすでに2本持っていて、そのうちの長年使っているほうが色あせてくたびれてきていたので、入れ替えるつもりで購入しました。
手持ちが2本とも黒い傘生地のものでしたので、「次は爽やかな色がいいな」とこだわって探し、何店舗目かでようやく見つけた会心の買い物でした。
…が。
それを私は、ひと月も経たぬうちに壊してしまいました。
残暑が厳しい夏だったので、手に入れてすぐに使い始めたのですが、外出先で手荷物がいっぱいのときに少し横着をして、傘が開く際の小さなひっかかりを無視してそのまま押し上げたら、骨のひとつがぽきりとまっぷたつ。
ショックでした。
買ったばかりで壊したから、ということもありますが、何よりもこの日傘をとても気に入っていたから。
すぐに修理のお店に持って行きましたが、「折り畳み傘は修理できません」と断られたり、「とても高くつきますよ」と言われて念のために見積もりを出してもらったら、購入時の倍の費用だったりして…
結局、直して使うことを断念しました。
くだらない壊しかたをした自分を叱り飛ばしながら、とても長いあいだ落ち込みました。
落ち込みから抜け出てからも、使い物にならなくなった傘を捨てられず、ときどき取り出して「これ、そろそろ処分しなきゃね…」と悲しく眺めては、またしまい込む日々。
(我ながら未練がましい…)
――と、ここで話題は変わって、有料化したレジ袋のおはなしに。
私の住む周辺地域では、有料化する以前よりエコバッグの利用が進んでいて、有料になってからもさほど不便を感じることはありませんでした。
けれど、困ることがひとつ。
それは、生花店で自宅用の切り花を買ったとき。
それまでは花屋さん特有の細長ーいナイロン袋に入れてくれていたのですが、当然のことながらそれも有料化の対象に。
私は週に一度は数本の切り花を求めるので、有料化以前にもらったそのレジ袋を取っておいて持参していたのですが、先日ついにそれが破れてしまいました。
切り花を持ち帰るのって、気を使いますよね。
トルコギキョウみたいに、首が折れやすい花もたくさんあるし。
そうでなくとも水を含んでいるものだから、手持ちのエコバッグに適当に突っ込むわけにはいかないし、またその袋が大きすぎても小さすぎても花が痛むし。
そう考えると、あの絶妙なかたちの専用レジ袋をいただけるのは、ありがたいことでした。
なので、「次はレジ袋も購入しなきゃなぁ」と思いつつ、破れた袋を処分。
そこで、ハタと気づきました。
「花用のエコバッグも、作ればいいんじゃない?」って。
そしてさらに気がつきました。
「ならば…あの壊した傘の生地が、ほぼそのまま使えるんじゃない?」と。
…ということで。 (前振りが長い! ここまで辛抱強く読んでくださったあなた、ありがとう*)
壊してしまった傘の生地を使って、花袋を縫いました*
傘の生地部分を骨から外して、さらに1枚ずつ縫い目をほどいて、バラバラに。
ちなみに、これ ↓ が解体前の姿です。
折り畳み型なので傘の半径(6枚はぎの1枚分)が小ぶりで、そのままでは売られている切り花の長さより短いバッグになってしまいそうだったので、解いた生地を2枚縦につなぎ合わせて長さを出し、それを2組作ってから袋に仕立てました。
そこで、どうせ接ぐのであればと、つなぎ目にも傘のフチのスカラップを生かしたデザインに*
底になる部分は補強して、固い枝ものの切り口があたっても破れにくく、そして水漏れもしづらい仕様にしました。
元が晴雨兼用傘なので、撥水効果は文句なし。
ほどいた生地が先すぼまりになっている点でも、花袋にするのにぴったりでした。
ただ…生地が滑りにくいナイロンで、さらに裏面にはUVカットのための黒い塗装がされていたので針通りも悪く、ミシンで縫うのは楽ではありませんでした。
おまけに伸縮性のない生地なので、一度縫ってしまうと針の穴があき、元には戻らないので縫い直しができず、試行錯誤しながらもぶっつけ本番で縫い上げました(苦笑)
うかつに壊したことを嘆き、反省したぶん手間をかけて、傘が新しく生まれ変わりました。
傘としての命は短かったけれど、これからは花用のエコバッグとして、存分に活躍してもらいます*