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国交省 小型機にフライトレコーダー 実証実験へ

2017-08-21 11:31:52 | 公共航空

<国交省 小型機にフライトレコーダー 実証実験へ>

毎日新聞2017年8月21日 07時00分(最終更新 8月21日 07時00分)

 事故原因の究明、飛行判断分析で事故の未然防止も

 小型機の墜落事故が後を絶たないため、国土交通省は小型機に設置が義務付けられていない「飛行記録装置」(フライトデータレコーダー)の有効性を確認するための実証実験を来年度に実施する方針を固めた。事故原因の究明だけでなく、記録から操縦士の日常的な飛行判断を分析することで、事故の未然防止につながるとみて、実証実験の結果を踏まえ普及を目指す。

 フライトレコーダーは、離陸から着陸までの飛行状況が記録される装置。速度や高度、機体の傾き、エンジン出力、操縦動作などが分かり、墜落の衝撃や火災などに耐えられるよう設計されている。

 設置が義務付けられているのは、航空法で離陸できる最大の重量が5.7トン以上の飛行機や、7トン以上のヘリコプター(いずれも自衛隊機は除く)で、小型機は対象外だ。ただ、運輸安全委員会によると、1974年以降にあった航空事故1379件のうち、機種別では小型機が389件(約28%)とヘリに次いで多い。

 小型機へのフライトレコーダーの普及は、1000万円以上とも言われる費用や、他の計器類との複雑な配線などがネックになっていた。国交省は「設置義務化はハードルが高い」としてきた。しかし、最近は技術の進歩で軽量化された簡易型装置が開発され、コスト面を含め課題は取り除かれつつある。

 そこで国交省は、小型機が操縦できる国内約2300人の中から協力者を募り、機体に簡易型を搭載してもらい、飛行状況を再現しながら、事故に結びつく不適切な操縦を見つけ出すことができるかなどを検証する。国交省は「搭載の利点がどこまであるか分析したい」としている。

 フライトレコーダーが搭載されていなかった小型機事故は近年、相次いでいる。

 東京都調布市の住宅街に2015年7月、小型機が墜落し、住民を含む8人が死傷した事故。安全委は飛行中の動画などから「重量オーバーや低速での離陸などが重なり失速して墜落した」と推定したが、エンジンの出力状況や機長の操縦判断は明らかにできなかった。今年6月に富山県立山町の北アルプス・立山連峰に小型機が墜落し、搭乗していた4人が死亡した事故なども、機体にフライトレコーダーが搭載されていなかった。【酒井祥宏】

 


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