NORTHBOUND EXPRESS

鉄道好きサラリーマンの◆不定期運転臨時急行◆(全自由席)  

あけぼのツアー6.上野の朝篇

2012年12月03日 | イベントレポート
さらば青森の街よ!いつかまた来る日まで・・
18時22分「ピィーーーッ!!」上野方より出発の汽笛が鳴り、静かに列車が動き出す・・
8時間半の滞在を終え、いよいよ生涯最後となるであろう、青い寝台列車での旅が始まりました。もちろん上野出発時と同じように盛大にビールで乾杯~!ですが、心には薄いブルーのベールがかかっておりました。もうこれで上野に着いたらこの旅も終わってしまうんだなぁ・・泣いても笑ってもあと8時間半・・・この大切な時間を自分の人生の1ページに刻むとしよう。私のオヤジは今でも呑むと「俺は昔、みずほに乗ったのだ」と自慢します。私もいつか、子供たちに「お父さんが若かった頃はね、中で寝れる寝台列車というのがあってね・・」と、この旅を自慢する日がくるのでしょう・・

素晴らしい旅の同士はリンクでもお馴染み、日頃お世話になっている次の7名の方々
東京喜多鉄道管理局のSEKKIさん
れっつ・Nゲージのmattunさん
かずさん
豚汁模型!の仲さん
淳心鉄研OBの荷物室!のnoto92さん
70年代 千住モジュールのひさしさん
上野駅撮影の想い出のなるさん


列車の中で浴衣を着る・・・素敵じゃないですか。恐らく夜行列車の文化に縁のない方々にとっては奇異なものとして映るのでしょう。国鉄時代はエエエみたいな柄の浴衣でしたね。JNRマークのもあったか?この画像をみると、かろうじて列車内だということはわかるものの、体(てい)は殆ど旅館での風呂上がりそのまんまですね(笑)まぁ、走るか走らないかの違いだけで、寝台列車はさしづめ、移動式旅館とも言えるかも知れませんね。この記事をご覧になり、これから初めて夜行列車に乗ろうとしている皆様、個室寝台もそれはそれで良さはありますが、これが伝統的な開放B寝台の楽しみですよ。今回は参加メンバーだけでボックスが埋まりましたが、それこそ同じ方面へ向かう人たちと十何時間も一緒に景色を見て、寝て、起きて、食べて(呑んで)話して過ごすことになるワケです。当然、そこにいろんな出会いがあるはずです。いつだったか「ホームライナー古河3号」に乗った時、ひょんな縁から会社帰りの親父さんと意気投合して車内で一緒に呑んだように、そんな思いがけない出会いもあれば、人間関係が希薄になりつつあるこの日本もまだ捨てたもんじゃあないなと・・この旅でも、新幹線があまり好きではないお父さんと、通路でもし目があったりしたら、「一緒に一杯どうですか?」となっていたかも知れませんね。
青森の街で仕入れた刺身とつまみの美味しいこと美味いこと!仲間と流れる青森の街の灯りを眺めながら美味しい刺身で一杯呑る・・こんな贅沢ったら他にない。ひさしさんはじめ出資していただいたメンバーの方々、本当にご馳走様でしたm(_ _)m おっと、忘れちゃあいけない、SEKKIさんからは青森の街で買ったりんごが提供されました。私はかじりつきたい気持ちを抑え、持ち帰って家族と一緒に美味しくいただきました。SEKKIさん、ありがとうございましたm(_ _)m ちょっと残念なことに、うっかりビールを買い足すの忘れ、昨晩購入した残りが数本だけ・・いける方は早々にハイオク給油となりました。そうそう、この席で、記事5.の結びでもお話しました、カマ当てゲームの勝者発表があり、mattunさんにDE10、SEKKIさんにEF81がそれぞれ授与されました。残すところ、あと長岡での1ゲームとなりましたが、このゲームの成り行きにはちょっとドキドキのエピソードもあったそうで、詳しくはコチラから・・

秋田、山形を走りぬけ、日付が変わって早くも村上駅へ到着。深夜だけに乗り降りはないようでした。上り列車は夜間に街灯りも疎らな田園地帯や海沿いを走るため、車窓は殆ど漆黒の世界・・地方から東京へ向かう上りの夜行列車に初めて乗りましたが、これはこれでなかなか情緒があり、良いものです。夜行列車に往復で乗る機会なんて、わざわざ作らないとないでしょうから、本当に良い経験となりました。 

新発田到着 お顔が隠れてしまいましたが隣に115系が停泊していました。このカラーを見ると、あぁ、もう東北地方を抜け、旅の終わりが近づいているんだなと、少し複雑な気持ちになりました・・
ふと、旅の同士が作ってくれた時刻表で下り・上り列車の時刻を追っていく。もうすぐ下りのあけぼのとすれ違う時刻だ。この時間帯だから次にすれ違う列車であることは間違いないはず・・1時59分、来たか!?ELのブロワーと電源車のディーゼルエンジン音に続き、軽快なジョイント音が響く!窓越し後方に目を遣ると「あけぼの」の美しいテールサインが流れ星の如く闇に消えていった。

2時4分、いよいよ長岡まで戻ってきました。上野方で最後のカマ交代が行われていますが、窓越しに姿は見えず・・昭和の終わり、手動ドアの20系や旧型客車で夜行が走っていたころは、それこそ、停車すればどんな駅でもホームに降りられ、その土地の空気を吸い、香りを楽しむことができたのでしょうが、今では窓から眺めることしかできなくなってしまいましたね。客室からデッキに出てひんやりとした空気を感じ、あぁ、だいぶ涼しくなってきたなぁなんて感じるくらいですが、まぁ、車掌さんの深夜の客扱いも相当な神経と労力を要し、乗り遅れなんてトラブルでも起これば運行に支障を来たしかねませんでしょうから仕方ないですね。
長岡発車後、旅の疲れも出たのか、上段寝台で眠りにつきました。担任のmattun先生がベッドメイキングをしてくれたおかげで、シーツの乾いた肌触りが気持ちよく、振れ幅の大きな揺れも心地良いもので熟睡してしまいました。個人的な感想ですが、なぜか下りの下段よりも寝やすかった気がします。ただ単に寝不足気味だったからかも知れませんが・・

高崎線の夜明けです!nattun先生に「高崎を出ましたよ!さぁ、起きましょう」と起こしてもらいました。残念ながら列車は快調に走っているようです(汗)
おまっとさんでした!いよいよオーラス、カマ当てゲームの結果発表です。長岡からのラストランナーは下りと同じEF64-1053でかずさん、noto92さん、ひさしさんでジャンケンの結果、勝者はかずさんでした!SEKKIさんからKATOの最新EF64-1000が授与されました~かずさん、おめでとうございます。。
そして、惜しくも負けてしまったnoto92さんとひさしさんにもなんと残念賞の授与が!

決して修学旅行で3人の生徒が朝からmattun先生に説教されているワケではありません(笑)
んん?今まで見られなかった緑の包装紙・・でも形はやっぱりアレだな。。なんだなんだ?早く開けて~
何が飛び出すか、御二方がおそるおそる包装紙を剥がしていくと・・・

マジですかーーーっ!!
東京喜多鉄道管理局千石工場のお家芸とも言える緩急車上野推進回送バージョン!!開かれた貫通ドアの「あけぼの」テールサインと推進回送灯がちゃんと点灯してるのがまた凄い。SEKKIさん、出発前の数日をほぼ鉄夜徹夜して作られたそうで・・ しかも中に電池を仕込んだ展示台線路も同時製作され、あけぼの車内で点灯!これは最後の最後でとんでもないモノが飛び出してしまいました。noto92さん、ひさしさん、これは最後に残ってラッキーでしたね~ ひさしさんは後日、ご自身のブログにて早速このオハネフを活かした情景を再現されてました。

さいたま新都心通過・・実際に速度はそう変わらないのでしょうが高崎を過ぎると私たちの気持ちとは裏腹にやたら早く走っているような気がしました。本当に名残惜しいですが、そろそろ荷物を纏めるとしよう。。

川口を通ぎ、荒川橋梁に差し掛かる。あぁ、とうとう東京へ戻ってきたなぁと感じる場所。これもnorthboundな旅の儀式だと思います。

このあたりになるとみんな通路に集まり、言葉も少なげに一つ一つの景色を心に刻むように眺めていました・・ 会話はありませんでしたが、みな思うところは同じだったと思います。この瞬間はなんともいえない8人のグルーブ感を感じました。 

尾久通過-上野到着トウサンバン!上野到着のアナウンスが旅の終焉を知らせます。

鶯谷駅を右手に減速。きついカーブにフランジ音を響かせ、地平ホームに下って行く。

定時、13番線に到着!「うえのぉ~~~うえのぉ~~」とお馴染みのアナウンスが地平に響いたはずだけど慌ただしさからか、残念ながら記憶にレコーディングすることはできなかった。ちょっとふらつき気味にホームに降りると、一昨日ここを発ったばかりなのにこの地平の匂いがなぜか懐かしく感じた。青森ではこんなに人がいたか?と思うほど多くの乗客が大きな荷物をかかえて改札に向かって歩いている。途中駅で結構乗ってきたのだろう。まだこんなに沢山の人に必要とされているじゃないか。

EF64-1053の前で足を止め、あけぼのに乗ってきた多くの同士を見送ったあと、ラストナンバープレートをメンバー全員で囲む。俺たちは間に合ったのだ。その瞬間、そこに確かに居たのだ・・

この場所、この時間を永遠に刻むように最後のシャッターが切られた。
いずれ終焉を迎える日がくるであろう、この文化と時代、この列車の雄姿を仲間と見届け、ともに走り抜けられたことに感謝して・・・








ありがとう寝台特急あけぼの、そして旅の同士たち 柱の向こうに二つの赤い灯が消え、とうとう幕が下りた・・


中央改札で同士たちとガッチリと握手を交わし、再会を約束して別れた。
そのまま家に帰るのもちょっと惜しい気がし、駅舎を見たくなった。青森から我慢していた煙草も吸いたくて、ここから富山まで、まだ暫く旅が続くmattunさんと二人でペデストリアンデッキに出た。日曜の朝の上野は静かで、頬に当たるひんやりとした空気が気持ちいい。この時間の上野もまた心地良い。ちょっと身体は重いけど、心はこの空のようにスッキリと晴れ上がっていた。深呼吸して気持ちを入れ替える・・さぁ、家へ帰ろう。
                               THE END

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4 コメント

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Unknown (まも)
2012-12-03 20:12:26
とうとうファイナルされましたね、お疲れ様でした。

大宮~上野の風景は見慣れているはずなのですがとっても違って映りました。
井堀Gにも書き込みましたが、本当にわたしも一緒に只で参加した気分ですw
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Unknown (まさる)
2012-12-04 20:42:59
まもさん こんばんは
バーチャルトリップ、お疲れ様でした。やはり、いつもと違う窓を通して見るとその景色も特別なものになるのでしょうね。E231の固定窓より、ガタピシうるさい115系の窓から見る方が遥かに気分がいいものですね。今度はぜひ同じ列車でご一緒しましょう!
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Unknown (jagnoise)
2012-12-08 17:44:45
いやぁ~、なんだか自分が旅をした気分です。
今やこうした列車もほとんどなくなりましたね。
汽車旅と言う感じでいいです。
見ている側としては、行きより帰りの方が旅情感を感じましたね。
荒川を渡ると帰ってきた感じは、地元住人としてよく理解できます。
模型はわたしも欲しい…
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Unknown (まさる)
2012-12-08 22:55:31
jagさん、ありがとうございます!
>自分が旅をした気分・・嬉しいコメントありがとうございます。冥利につきます!お恥ずかしながら記事に書いたとおり、借金してまで乗ってきたワケですが、結果、お金に代えられない最高の想い出ができました。もうこんな旅はなかなか出来ないでしょうから・・次はリタイヤ後?列車がもうありませんね(^^;今度は模型の世界でも、もうなくなってしまった列車や見れなくなってしまった景色を再現していければなと思います。また宜しくお願いいたしますm(_ _)m
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