四国の四季と遊びのお部屋(JAPAN THE LIGHT OF DEY)

何を探しているの??リンクが一杯です。お探しのものありませんか??探しますよ・・・!!!

思い出・・・・

2008-02-02 07:22:14 | Weblog
照代と並んで自転車で走り始めた。
晋一は「段の塚穴へ行って見ようか。?」と照代に声を掛けると「どこでもエエよ、晋一に任すわ」と返し晋一の横で楽しそうに自転車を踏む・・二人の思い出にと先日学校で話が決まり、サイクリングとなった。
<段の塚穴>と言って小さな古墳である。30分ほどで現地に着いた二人は自転車を置き田んぼ道を歩いて塚穴の前に来ると「おい、照代入ってみるか?中は案外広いわ、」と中に入っていく、照代は「待ってよ・・」と言いながらついて入ると「晋一前のお返しじゃ・・」言うが早いか晋一にチュッと横からキスをしてそして「今日はありがとう、エエ思い出つくろうな!!」と付け足す。塚穴から出た二人は未だ肌寒い風の中を草むらに腰を下ろし、照代の作った弁当を広げる。
「おおうまそうじゃのう・・これ、照代がつくったんか??」「5時から起きてつくったよ」と返す。「この卵焼き甘いんじゃのう・・おふくろの卵は塩ばかりじゃ、この、めしの上のピンクのふりかけはなんじゃ??」「あんた、さくらでんぶ知らんの・・」「食べてみわかるわ」「おお、甘いんじゃのう・・照代と結婚したら虫歯になりそうじゃのう、ははは・・」と晋一は続けて「ところで付き合いよったんはどうなったんじゃ??うわさでは別れたって聞いたけど・・・」「うん、もうアノ人が社会人になってすぐに別れたよ。色々あってな~恋愛って難しいんじゃな・・」「俺は誰も付き合ってないけんわからんわ」といいながら照代の作ったでんぶのおにぎりを口いっぱいに入れて・・「・・・!!!」「晋一何言っとんのか
わからんわ、ほんなにせんでもゆっくり食べよ」「ところでもうすぐ卒業じゃのう
やっぱりココで居るんか??俺は徳島に行くぞ、色々したいからのう。ああ~20年後はなんしよんじゃろのう?」と晋一は呟いて早春の風の舞う空を見上げた。
「ほんまやな~おばあさんになるのが怖いわ」と照代が続けたところにどこからとも無く「カンカンカン・・」と鐘の音が「おお、火事じゃ、どこじゃろうのう」「照代見に行くか?」「あんたは野次馬すきやな~そんなんエエでぇ・・座りぃな」と返して「あんたに話があったんよ、・・・ほなけん、聞いて?」「面倒な話はいやじゃけんのう」「実はお父さんに女の人が居て離婚するんじゃッて親が言うんよ、私はココに居たいけどどうなるかわからんのよ。」「晋一教えてそんなときの男の人の心ってどこにあるん??」「父親見とったらもう気持ちがココに無いような感じじゃ永い事夫婦で居ても他に女の人って出来るん??」「ほ、ら、・・できるんちがうか??俺は経験ないけん判らんけど・・人それぞれ違うだろ。けど、照代寂しいのう、兄貴はどうするんじゃ??」「もう社会人じゃけん、自分ひとりで住むって」「ほな、照代の卒業を待ってバラバラじゃのう、寂しいのう、照代頑張れよ・・」言って晋一は照代が可愛そうになり空を見上げて涙の出そうなのをこらえる。「照代、頑張って自分で自分の人生をつくろうのう・・ありきたりやけど
俺に出来ることはいつでも言えよ」「有難う・・もっとはよう晋一とこうしてたらよかったね、」「きずくんが遅いんちゃうん。そんなのわかっとんで~」「ほな、私が付き合う言った時止めとけ言うてくれたらよかったんで・・」「照代もう、止めようや、今があるけんエエや無いか」「ほんまに気いつくんが遅かったな~」
と言葉にならないような声で言って照代も空を見上げたはぐれ雲が早くと流れているのを見て照代は「私みたいに一人ぼっちの雲やな」とつぶやく
「もう、火事消えたかのう・・」と言って遥か彼方を見つめる晋一に照代は「晋一の良さが始めて判ったわ、今日はほんとに有難う・・」「なんか他に言いたい事あったんちがうん??」「うん、もうええわ今日は楽しかったけん」と続ける。
翌日の教室・・・