私は患者さんと話をするのが好きで、基礎医学から臨牀医学へ転身したようなものです。ですから、つい熱くなると時間を忘れていろいろ病気にまつわる話をしてしまうのが、いいところであり悪いところだと思っています。
以前から申し上げているように、PPPは単なる虫刺されのような皮膚反応だと思っていません。かなりそのメカニズムは複雑です。そして、過去20年(精確には50年近く)いろいろ先人が考えて調べてくださっているにも関わらず、答えがでないということは、おそらく今までとは異なる考え方や見方をしないと先に進めないとも思っています。
そういう意味で前橋先生の”ビオチン欠乏説”は、センセーショナルであります。それまでそういうことを提唱した医師はいないわけで、それを自分なりに理論化して実践しておられるということは大変なことだと思います。医師、患者双方から賛否両論あるでしょう。
私はこの病気と本格的に取り組み始めてわずかに7年ですが、試行錯誤で研究面と臨牀面からPPPについて考えてきました。取り組めば取り組むほど一筋縄ではいかないことを実感し、本当にこれは皮膚科common diseaseでいいのかしらとさえ思うようになっています。そして、いつも思うのは”この病気は江戸時代にもあったのかしら。。。”です。
気がつけば、愛媛に来て8か月がすぎ、赴任したばかりのころは新しい環境になれることに多忙でしたが、とてもよい仲間に恵まれたこともあり、今は旭川にいたときのように毎日PPPのことを沢山考える時間ができるようになりました。すごく”そんなことありえないだろ”と言われそうな思いつきも相当増えましたので、今度はそれをどうやって証明するか考えることに時間を割きたいと思っています。
その夢の実現のためには、研究費ももっととらないと・・・ということで、今年5つめグラント書きに追われて連日また居残り・・・しています(泣) なまいきなことを言いますが、京大・山中教授がマラソン走って研究費を集めたお気持ちが少しわかるようになってきた今日この頃です。