掌蹠膿疱症とたたかう”たかが皮膚科医” in 愛媛

変わり者と後ろ指を差されながらも、掌蹠膿疱症とひたすらとりくむ元北海道地域医療従事臨床研究者のひとりごと。

今日うれしかったこと。

2012-09-25 22:21:12 | 火曜日は専門外来日!

いつもながらPPP外来は患者さんの名前を呼んで、入ってこられるまでの時間が一番緊張します。

”どうかな、よくなってきたかな” ”ちゃんとタバコやめているかな” ”もうそろそろいやになってきていないかな”

そして、患者さんに”ではいつも通りにベットの上で手と足を診させてください”といった瞬間に一喜一憂しています。この時のポイントは、できるだけ、手足を見るまでは患者さんの顔はあまり見ないようにすることです。なぜなら、調子がいいと皆すごい笑顔で、調子が悪いと無論それなりにくらい顔をしておられるので、診察前に分かってしまうからです。

私の治療の目標は、”つけなくても飲まなくても、もう水疱膿疱がでてこない(当然それまでにガサガサは治っている)”で、要するに皮膚科要らずになることです。ですから、私の外来にエントリーした方は皆ご存知と思いますが、一番初めの外来のときにかなり厳しい条件をお出しします。二週間考えてもらってそれができないのであれば、残念ながら責任を持って治療をすることができないからやめましょう・・・ということにしています。

愛媛大学に来てから、その条件の一つとして、”絶対禁煙”と決めました。北海道にいるときは、減らしてくれればいいですよと言っていたのですが、PPP患者さんたちから、”いくら減らしてもゼロにはならないんだよ。やめるならいきなりやめるということにしないと絶対無理だね”と何回も言われたためです。確かに北海道では専門外来にかかったおかげで何年もできなかった禁煙があっさりできたと何人にも言われ感謝されました。

今日のこの患者さんも、外来に来るようになって禁煙できた人です。まだ一緒に戦い始めてわずか3か月ですが本当によく頑張っています。本人はすごくよくなったと喜んでいますが、この写真のようにまだ水疱形成があるうちは許しません(笑) まだまだ、一緒に戦いますよ・・・

患者さん曰く、”先生は●●地区ではとても有名だよ。”禁煙しない患者は絶対診ない”って、みんな言っているよ”だそうです。うーん、有名か、まだ愛媛にきて半年なんだけどね。愛媛の皮膚科医は大人しくてやさしい人が多いから、僕みたいな奴は。。。きっと”坊ちゃん”もこういう気持ちだったのかななどど言い訳してまた道後温泉にでかけたら、ちゃっかり泳いでみようと思いました(すでに二回ほど泳いでいる)。

ま、何と言われようとこの病気克服できればいいや・・・と思って今日の外来は無事終了、また来週となりました。


9/18の外来日

2012-09-19 20:32:49 | 火曜日は専門外来日!

昨日はPPP予約は少なくて、わずか4人でした。が、松山市内からの紹介などが2名ありまして、例によってエントリーするならがっつり小一時間説明会をしてしまいました。。。

旭川医大ではこれをやるとほんとに予約の予定が大幅に崩れて大変なことになりました。もし帰りのバスや電車の時間を遅らせると、その日のうちに帰れなくなる患者さんもいたからです。

幸いこちらでは今のところ愛媛県内だけなので、何ぼ遠くても2-3時間で帰れるということで、かつてのような心臓に悪い専門外来をやらなくてすんでいることは、ある意味ありがたいと感じています。

初めのころはやはり私の型破りな外来診療スタイルにおそらく引いていたシュライバーの若手医師も、そろそろ、”ああ、またやっているよ”くらいになってきたのか、特に驚くこともなく淡々と仕事をこなしてくれております。赴任してそろそろ半年ですから、そろそろ私も地を出してかつてのようにやってもいいかなと、最近は狙い始めております。

とはいえ、専門外来を名乗る以上は結果を出してナンボですから、それ相応のことはちゃんとやって愛媛大学の掌蹠膿疱症専門外来頑張っているねと言われるようになるべく、臨牀および研究において精一杯やろうと思っております。

少しずつですが、外来での患者さんたちとのトークから今までにないアイデアもいくつかいただいておりますし、研究の方も少しずつ結果もでてきています。もっともっと真実を引き出して、一日も早くPPP患者さんたちの笑顔がみれるように努力したいと思います。

昨日の結果:4人中3人は改善あるいは現状維持。1名は感染症による一時的な急性増悪。2名新規エントリー。でした。少しずつ、愛媛での専門外来エントリーの患者さんが増えております。

 

 


昨日のPPP外来

2012-09-12 21:09:16 | 火曜日は専門外来日!

昨日の外来は、PPPは5人ほどでした。旭川にいたときは午前午後とかかってだいたい20人くらい見ていたので、随分と”ゆるゆるいかないかんぞなもし”であります。

しかも、運がいいとシュライバーの若手医師付(^^)

今までは、一人で写真をとって、カルテを書いて、PCに記録をいれて・・・と、外来が終わってからのペーパーワークが結構長かったのですが、シュライバーのおかげで、まずは写真がちゃんとバックに緑の布を引いて基本に忠実にとれるようになりました。(今までは、誰も手伝ってくれないからこんなバックなんだぞーと開き直っていた)

愛媛大学病院の外来はLANの環境もよく、患者さんに前回来た時の写真を見せながら説明ができます。PPPは経過が長くなりがちだから、ふつうは途中で挫折しそうになっても仕方がないと思うんです。

でも、今までの写真を見せて、今日の自分と比べることができるとどれだけよくなったか実感できるので、もうすこし頑張って続けようとか言って下さり、笑顔を見ることができるのですごくうれしく思います。

でもこんな私のともすれば型破りな外来スタイルができたのも、北海道で一緒に戦ってくださった患者さんたちの教育のおかげです。必ず何かしら恩返しができるように、愛媛にきた初心を忘れず、やるべきことをやろうと思っています。

ちなみに昨日の患者さんたちは皆、明らかな改善傾向を示していたのでとてもうれしい外来日でした。